出張が終わって帰国する日の朝

ホテルからタクシーで空港に向かった

 

タクシーの運転手さんはアジア系の方で

空港までの15分くらいの間、他愛もないおしゃべりをして楽しかった

 

 

 

 

ひとりで来たんだ

子どもは留守番なんだね、いいね

〇〇(滞在地)は好きだった?などなど

 

空港では荷物を預ける際に

成田では全部しまってあっても大丈夫だったけれど、

ここではパソコン、電子機器やバッテリー関係は全部出すように言われ

キャリーケースをその場であけて手荷物にうつした

 

私はキャリーケースの中をかなり整理し細かくパッキングしておくので

その場であけて何かをさっと取り出すといったことは苦ではないのだけれど

すぐ横で同じように中身を出すように言われていた白人の若い女の子二人が

キャリーケースをあけていたのでなんとなく目をやると

服も、下着も、化粧水みたいなものも、むき出しで

ぐちゃぐちゃにとにかく入れただけ、といったように詰め込まれていて、笑ってしまった

 

 

コーヒーとパンを買って、朝食を済ませ

恐らく寝る時間くらいの子供たちに

「このあと飛行機のるからね」「もうしばらくは返事できないからね」

「次はもう日本についた時ね」と連絡をした

 

ぼーっと、ベンチに座って人の行き来を眺めたり景色を見ていた

 

子どもたちを連れて家を出て

仕事を探して15時までのパートをして

社員になって

今はアメリカにいて

これから日本に帰る

 

何か私が想像していた事がこの中にあるかな?

 

 

 

子ども達がちゃんと待ってくれていた

もちろん、約束を全部きちんと守ったわけじゃないだろう

息子はきっと歯磨きも適当だったかもしれないし

娘も携帯を見ないはずの時間にLINEをしてきていたし

 

でも、ちゃんと待ってくれていたと思う

 

一見順調に進んでいるようで、仕事でだって嫌なことはたくさんある

お金の心配もある

体のことだって、少しずつ気になることも出てくる

夫とのこと

子育てのこと

自分の人生のこと

 

ひとりで、誰も知らない場所で、いろんな事が頭の中をぐるぐる巡って

気が付いたら涙がボロボロ出ていた

 

出張が決まった時は、出来るかどうか、不安でたまらなかった

わくわくもしなかったし

何か不慮の事故があったらどうしようと本気で思ったし

とにかく落ち着いて、ただ、粛々と進めようとした

 

来てみたら、別に、だったじゃないか

あっという間に毎日がすぎて

海外だからって、圧倒されることもない

英語で会話して楽しかった

仕事に関しては、まだまだって言う事もよくわかっている

気持ち的には、なんだかそれほど海外にいるって言うほどの感じでさえない

飛行機にのってしばらくしたらもう外国なんだから

帰りは、飛行機から降りたらもう日本なんだから

 

少ししたら、涙が止まった