戸建てに引っ越すにあたって

いくらアパートで使っていた、買ったばかりの家具や家電があっても

今まで必要なかった子供の洋服の収納や(各部屋にクローゼットはある)

ちょっとした収納できる棚のようなものが圧倒的に足りなくて

 

 

 

 

二階の子供部屋には、きちんとたたんではいるものの

洗濯した洋服をそのまま床に置いている状態になっている

(下着や靴下は、以前から使っている、仕切りのついた専用のケースがある)

 

考えずに買って失敗したくないのと

一気に買うとやはりお金がかかるということ

 

床置きでも子供の服は量がそれほどないので、ひどい事にはなっていない

勉強机や、パイプベッドでもいいのでベッドが欲しいというし

配置やサイズ、予算も考えながらネットなどでいろいろと吟味している。

 

 

戸建てに引っ越す直前、母から

 

「お父さんが、Chiiは物入りだろうし、お金を出してあげるとか

 子供のものを買ってあげることもできるけど

 Chiiにとりあえず30万くらい渡してやったらどうかって言うのよ

 

 思わず「えぇ?」って言っちゃったわ。」

 

と言われたことがあった。

 

そこまで必要ないでしょ、何を言っているの、という意味の「えぇ?」と言う嫌そうなトーンの言葉。

 

母の感情だから、どう思おうと構わないけれど

それを私に伝えて、何をしたいのか。

なんのために私にそれを言ったのか。

 

いかにも母らしい反応だと思った。

 

 

 

 

お嬢様育ちで、父との結婚生活でもお金に困ったことはない。

大金持ちとか富豪ではない。

でも、3人子供がいて、働かなくてもよくて

習い事(お花、コーラス、編み物・絵画など)をして

デパートで買い物をして、きれいな服を着ていた母。

 

実際、一人暮らしをするとか

自力で引っ越しをするとか そういう事ってわからないんだろう。

 

私も、大学生くらいまではそうだった

私大で学費も高かったけど、親はお金があるものだと思っていたし

家はあるものだと思っていた

 

無いものは買えばよかった

自分が何も出来ない世間知らずだと思い知るまでは。

 

 

あれはダメ、これはダメと私がいろいろな経験をして

世界を広げることは嫌がったけれど

 

かわいい服を買ってくれたり、母が私にピアノをやらせたかったので

私がピアノを習いたいと言ったら、とても喜んで

初のおけいこが始まる前には、自宅にピアノが届いて

クレーンで二階に運ばれた

 

 

「私はお金を出したり貸したりする必要はないと思う、自分の力で買ってほしい」

と言われた方がずっといい

 

「えぇ?って言っちゃったわ」

 

だから?と言いたいところだったけれど

もともとは、借りるつもりも貰うつもりも予定していなかったお金なのだし

母に食って掛かってそのお金を得ようとは思わなかったので

 

「ふーん、そう。」とだけ答えた

 

 

数日前のこと。

母から突然、「子供の収納とか足りなくてって言ってたけど。

お母さん、お父さんに内緒で10万円あげるわ。

お父さんが知ったら、『そんなにやることない』って言われるかも知れないから」と言われた。

 

え?お父さんが知ったら?

何を言ってるんだろう。

 

初めに気にしてくれたのはお父さんで

やりすぎでしょって態度をとったのはあなただよ。

 

 

 
 

 

どうして父に内緒なのか

初めに、お金を渡しておこうかって提案したのは父

母自身が『えぇ?って言っちゃったわ』と私に言ってきた

父の意見をどう思っても母の自由だけれど

それを何故わざわざ私に言うのか不思議に思った

 

という事を冷静に伝えた

 

 

母は、「え?全然覚えていないわ。お父さんに内緒じゃいやなの?

 お母さんがあげるって言ってるんだからいいじゃない」と言った。

 

 

内緒が嫌なんじゃなくて、内緒にする必要がないでしょう。

あなたが否定したものなのだから。

母から父に内緒でお金を受け取る事はしたくない。

 

本当に覚えていないのかと確認すると

全くおぼえていないという。

その時も何も考えずに話していたんだろうな、と思った。

 

 

「お父さんに内緒なら、夏のボーナスで返すね」と伝えた。

 

 

実際、最初に母が「えぇ?」と言ったあと、そのままになっていたのは

母が動かなかったから。

(銀行に行くとかタンス預金からお金を用意するのは母であって

必要ないと思ったから結局何もしていない、当然お金は受け取っていない)

 

父はいつでも出す気だから、その時に深く話さず終わった。

 

と、私は思っている。

 

 

 

今日になって母がやってきて

「これ、お父さんに言ったら『ああ、いいよ』って軽く言われちゃったわ。

 だから返さなくていいから」と

封筒にはいった10万円を渡された。

 

 

父にことわってきてくれたのなら、と

私は封筒を「ありがとう」と受け取ることにした。

 

 

玄関のドアをしめ封筒を持ってリビングに戻る。

 

母と冷静に話しが出来た自分にも不思議な気持ちだった。

 

実家にいたころ、もしくは心が限界になってアパートに出た頃だったら

母の言葉・対応にひどく傷ついたり、感情的になったりしていただろうと思った。

 

 

 

 

実家だったら、兄がそこにいただろうから、

また口を出してきて、私は悲惨な事になっていただろう。

 

 

もともとなかったお金なんだから

受け取らなくても何も減らない。

自分で買える時に買うから大丈夫

 

 

そう感じたのも大きかった。

 

そして、お金だけを得ようとして父に内緒で

母のやり方で受け取るのは

父が子供たちのために、もちろん私のためにも

考えてくれたことを踏みにじるようでいやだった。

 

 

父に伝えたというので

感謝して、素直に受け取ることにした。

 

子供の部屋を整理して、お友達も二階に呼べたら

子供達も喜ぶ。

 

 

 

母が父に内緒でと何度も言っていたのに

まさか、あの母が、父に話してくるとは思わなかった

 

まさか、私が母に感情的にならず傷つかず

母の言動や態度に対応できるなんて。

 

私は変わってきているんだと、勝手にそう思っている。