薔薇の園
ちいさな王子の薔薇の園
花のなか
初夏の朝の光のなか
花のささやきに耳をかたむけ
花の匂いをくんくん
まだ咲きそめの花たちと
おはよう、をかわす
我が家の家族の場所のひとつ
そんな場所に
ボクの凸凹相棒のまかちゃん、薔薇園デビュー
いつもの、薔薇の「あずまや」で
ねえねの好きな薔薇のゼリー
あふれる花のいのち
ちいさなかけがえないたったひとつのいのち
こちらもお気にいりの
ちいさな小部屋でも、ひと休み
初夏の光のあふれる勢いから、ひととき
かくれんぼ
風見鶏さんに
ボク、ことしも、ねえねをつれてきましたよぉ
ことしは、こんな、おちびの相棒も紹介するね
そんな挨拶をして
かえりぎわは、いつもの木陰でひと休み
この木陰にすわると「長生きできる」のだとか
我が家の父、と、もひとりの父、の
思い出深い場所
もすこし花が咲きすすんだら
またきますね
と、立ち去った
‥‥その7時間あとのこと
この碑のことば
あの日までも、父や母、家族の面影を
花のむこうにみるために、この場所を訪れてきた
あの日からは、まだ
この薔薇の園には立つことがかなわずにいるけれど
それでも
この碑のことばは、あの日までの億倍も
心に響きつづけている
針のない日時計
あの日までも、お気にいり
刻のないじかんをすごすため、この場所を訪れていた
いまも、おなじ
刻のないじかんをすごしたい
そうおもいつつ
カレンダーがあたまからはなれない
時間があたまからはなれない
この季節はそんな季節になってしまいました
ことしもおなじ、5.10開園
お伺いしたかったのに
どうしてもからだがうごかなかった
それでも、きっといつか
また、この場所にたちましょう
ふたりで
風見鶏さんにご挨拶をし
薔薇のあずまや、でゼリーをいただき
木陰の可愛い小屋で、ひと休み
いえ、もひとつ、あいたい薔薇
「祈り」という薔薇
もひとりのお父さまの祈りがこめられた薔薇
この薔薇園は、もともと
おもわぬ事故で早逝された息子さんのために
お父さまがつくられた花園
お伺いできなくとも ふたりはことしも
この花園をそっとただよっています
あの朝いただいた、ミニ薔薇苗
はるくんのお庭で二輪め
きのうはつめたい雨
さ む い
火をいれた
まさかの五月もなかばちかく
でも、あ、、
三年まえの五月も、さむくて火をいれた
そんなきおく
火をいれたくせに
ベランダで、グラスをかたむける
魔法のグラス
めちゃリーズナブルなはずのワイン
いつかまたあえるはずさ
宝石でできたこの島で
神さまの宝石でできた島
ふたりの島、ふたりのばしょ
たくさんの、ふたりのばしょ
きっとまた、あいにいく、どのばしょにも
ふたりで
そして
島唄
廃盤のこちらは、もう一枚増刷
ピザやさんに、ダビングしてもらった
ボクのオリジナルジャケット⸝⸝⸝⸝♡
こんやもただ
ふたりくっつきむし
ただただ手をつないでくっつきむし
朝までこうしていよう
あの夜のように
あの十二時間のように
お友達からとどいた写真
夜明けすぐ雨あがり
あの場所のふたりにやさしい花
一晩こおりついてたからだがすこしとけた
すぐさまあいにいった
お友達手作りのハートのお塩くん
丁寧につくってくれたんだなぁ‥
ふたりのお塩くんをそっと添えた
すごい湿気でぐちゃっとなったけど‥
ふたりからふたりへのひまわりも、添えた
そうして、あの時間
お友達たちが一緒に手をあわせにきてくれた
お線香に蝋燭、ちいさな数珠まで用意してくれた
涙のじかん‥かなしみのじかん‥
のはずが
すごい突風暴風
お花がおむかいの駐車場にあわや飛びこむ寸前
つまり
お花が飛んでくーー
蝋燭がきえるーーー
なんてあたふた大騒ぎ
なんだか、ほっこりわいわい、の
やさしい、じかんになりましたm(_ _)m
ちなみに!
まかちゃん、地面なんかにすわらないわよっ
なんだけど!ねえねが用意したお座布団!
なんと୧( ・᷄-・᷅ )୨キッチンペーパーよっ
しちゅれーねーーっ
かたわらには、あの日とおなじ
蜜柑の白い花ざかり
けっきょく、お花たちは、風がおさまるまで
いったん避難、となったけれど
あらためて、どうかおかせてください
お花さんたちに、そっと祈りをこめて
そう、この道は
かなしい道、でも、こわい道、でもありません
ふたりが、十数年、朝昼晩、なんどとなく歩きつづけた
ふたりの道
です



























































