花のむこう
にてをのばす
ふたり、ともにふつうに在るじかんに‥
なんでもないじかん
そっとよりそいながら笑むじかんに‥
たがいのぬくもりを
いきづかいを
かんじながら
好きなほうこうをみてる
それでいて
目の片隅にかならず
おたがいがいる
そんなじかん
けっしてみうしないはしない
花のむこうの ふたり を
まかろんとねえね を
薔薇んぽは
このドレス‥っていつもきまってる
ほらほらよくみて
薔薇の模様、なの
このドレス、「マリー」をつくってもらってから
五回の初夏
この薔薇ドレスとたくさんのおもいで
おリボンも薔薇
これは、ボクが一歳のときからのお気にいり
つまり‥十四回の薔薇の季節をともにすごした
お洋服もおリボンも
「おもいでのアルバム」たち
延寿の木
お伺いのたび、この木の下にすわり
願いをこめる
あの朝もそうした
ふわふわ王子はいつものように笑ってた
ねえねったら
迷信なんか信じないくせに
こういうこと!すごく信じたがるんだよねぇ
なんて
‥この六時間半あとのこと
木をウランダリしない
やくそくやぶり、なんてセメタリしない
いつか、この木の下にふたり
すわれるといいな
こんどは、ねえねもいっしょにすわってみよう
こちらの薔薇の園
いつもたいてい、いちばんのり
いちばんのりするのは
いちばんのり、したいから、ではなく
車をすこしでもとめやすいように、と
そう、この駐車場
ふわふわがいなければ
こんな「とめにくい」ところへのお伺いは
どんなに素敵な場所でも
まず、かんがえない
運転下手ねえね
ふわふわがいるから
「どこへでも」行けた
日本海側の海辺へとしょっちゅう突っ走ったこともある
この薔薇園に立つことも
ちいさなふわふわがいるからできてきたこと
こどものころから好きで
家族のおもいでいっぱいのばしょ
ふわふわがいなければ
お伺いはできなかったばしょ
母とのおもいでのばしょ
家族のばしょ
ふわふわなしには、もいちどおとずれる‥心の力がでなかった
はじめてのばしょ
ふわふわなしには、はじめまして、をいう‥心の力はなかった
ちいさなふわふわは
ちっぽけなのに
おっきなおっきなふわふわ
ふわふわがいるから
行きたい、とおもい
ふわふわがいるから
美しい、とおもい
ふわふわがいるから
たのしい、とおもい
ふわふわがいるから
おいしい、とおもい
ふわふわがいるから
こちらのせかいを愛してきた
ふわふわがいるから
母はやさしく微笑んで旅だった
ふわふわがいるから
娘はこちらのせかいにとどまれた
母との約束どおり
老いてゆく、ふわふわの生涯を
やさしくまもりぬけたら
胸をはって、ちいさな宝物を母のところへおくりだし
そのあともまた
こちらのせかいを愛せるとおもっていた
きらきらきらきら
一年とひと月
やはり
l
o
v
e
あ
い
し
て
る
to
wa
ni
ねえねの手をはなさないで
ふたりぐみよりℒℴѵℯ*¨*• ♡
🐾母からのさいごの最幸のたからもの🐾