朝の光のなか
清冽な空気と
深い樹々の匂いにつつまれて
耳には、足元の砂利の音だけが響く
歩いていけますように
くるっとお宮さんのうしろへまわって
鶴石にもお詣り
もちろん、いつもどおり、石段をおりて
弁天さまにも‥
このちいさな参道も心落ち着く場所
寒椿、ことしはまだのよう
ときおり、はっとするような紅の花が、この参道に色を添えていることも
すぐむこうは、ときおり、車がゆきかう道なのに
まるきりちがう世界のような
時のながれがとまっているような
そんな気さえする
掌をあわせて
恙ない日々を祈る
ちいさな坊やの心とからだ
まもられますように
・
ねえねがちいさな頃から
お正月にはお詣りにお伺いしていた場所
ちいさな子どもの頃から、苔の匂いや杉木立の匂いが好きで
お気にいりの場所
お詣りでありながら
森林浴をしているような‥
樹々の鋭気もいただいて
また一年‥
一歩また一歩
ちいさな歩をかさねていく
ふとみあげると
かすかな春の気配を帯びた空と山
この日のお洋服は
ママがいっちばん!お気にいりだった、ちいさなねえねのコートでつくったもの
ふたりのいのち‥つながりますように