
二年前の今日‥
11日
母の形が煙りになった日
さいごのお別れ
扉の向こうへ母はいこうとしてた
係りの人が何回も何回も私の顔を見て
「もういいですか?」って無言で聞いてくる
私が頷いたら、母は扉の向こうへ
そしたら、母の形はなくなる
どうしても、頷けなかった
長くて長くて
でも、あっというまの
あの時間
でも、そのとき、私の両腕にすごい力で両方から力がかかってた
友達たちが、めいっぱいの力で片腕づつ抱きとめてくれてた
背中のうしろからも、見えないエールが聞こえた
だから、あの瞬間
必死で 頷けた
母を扉の向こうに送った
もともと、あの日だって
ほんとは、どうしても「母」に、できるだけ長く家にいて欲しかった私
でも‥
‥それはダメ、綺麗な姿のまま
早く彼方に逝かせてあげなさいって
家に置けば置くほど「あなたがまいってしまうだけ」
そう、口々に叱咤された
叱咤してくれる友達たちがそばにいてくれた
だから
「明日のお手配でよろしいですね?」
っていう念押しに
やっぱり必死で頷けた
6月11日はそんな日
母の形が、煙りとともに消えた日
とてつもなく空っぽな気持ちがする日
それでも、たくさんの支えに支えられて
「頷ずけた」日
だから今夜もきっと大丈夫なんだと