次課長降臨 | 甲羅に似せて

甲羅に似せて

蟹は甲羅に似せて穴を掘るそうです。私も日々の想いを
蟹が穴を掘るように綴っていけたら・・・。

感想は書けそうにないなと、書きかけて投げだしていたのですが、ふと思い立って書き始めました。


4/7放送、「笑神降臨」。

<ナレーション>

「ボケ担当、河本準一。特異なキャラクターで迫ってくるこの男が、次長だ。ツッコミ担当、井上聡。冷静に優しく突っ込むこの男が、課長だ。アドリブを重視したコントに力を発揮する。2人ともボケになってしまうような、シュールなネタも魅力的だ。」

どっちが次長とかないですけどね(^^ゞ こんな風にかっこよく紹介されながら、ネタの打ち合わせをする真顔の2人も魅力的です。働く男たちという感じがして。


<吉田のママ>

銀座の母というと、「Goro's Bar」で十字の線が自分にもあると、うれしそうに見せに行った井上さんを思い出します。ずけずけとはっきりものを言い、頭をバンバン叩いてダメ出しをする強引なキャラなのに、何故か憎めなくて発する言葉に影響力を持っている、銀座の母の不思議なキャラ。


強引さだけは似ている吉田のママは、はずれそうになるとつじつまを合わせるのに必死で、たまに当たると「そうじゃろ?」と、ほんとにうれしそう。占ってもらう側の井上君はあくまでも冷静で、論理のほつれを鋭く指摘します。


棒で叩かれる度、なんでぶたれなきゃなんないの?という風に笑ってしまう井上さんの吉田のママを見る表情と、吉田のママの「そうじゃろ?」とうれしそうに言うときのキュートな様子が、いつまでも印象に残ります。


机をはさんで向き合うのは、一番見慣れた形。これはわかりやすくて、新しいネタになるなあと思いながら観ていました。


<ニヤニヤ・ショッピング>

ニヤニヤというタイトルと、「こんなに重いと高いんじゃありませんか?」という台詞で、始まった途端にかなりの胡散臭さが伝わってきます。


流暢に説明する礼儀正しい河本さん。先ほどとは打って変わって人の良さそうな笑みを浮かべる井上さん。横分けになでつけた髪型や、ゴールドのアクセサリがまた、胡散臭い(笑)。


逆さにビデオを覗きこむ、井上さんの拡大された瞳がビデオの窓に映り、一瞬ドキッとしました。愛想よく、ときにはおバカっぽく笑ってよくしゃべる、あんな井上さんのキャラは珍しくて、新鮮でした。


テレビショッピングを観るとき思うのは、どんどんいろんなものをつけるなあ、何もつけないでもう少し安くしてくれたらいいのにということ。そんなこちらの心を見透かしたように、どんどん付属品を足していって、品物がだんだんナンセンスになって行き、ある時それが、突然引き算に変わります。


あれ?どういうこと?という迷宮にいつのまにか連れて行かれ、茫然とするうちに終了。


<アマフェッショナル>

ここでほんとに、どーんと奈落の底に突き落とされた感じがしました。


何故と言って、私はもともと「プロフェッショナル」のファンだったので、こういうパロディってどうなんだろう?と、頭を抱えてしまいました。


「プロフェッショナル」に私がどういうイメージを抱いているかと言えば、あまり知られていない分野で活躍する、こだわりを持って一級の仕事をする人たちの日常を追った番組で、綿密な取材やインタビューなど、放送時間の何倍ものフィルムを撮りためて、惜しみなく編集して1時間に凝縮した無駄のない作品。そこに登場する人たちは、自分のこだわりを貫くためにかなりハードな生活を送り、時にはずっとそんなことを続けられるのかという心配をしてしまうくらいの厳しい状況だったりして、それが視聴者の心を打つのです。


その対極として描かれた「アマフェッショナル」は、本当に徹底的に対極で、インタビューの時にアナウンサーの住吉さんが協力してくれたことが、なんだか申し訳ないような気になりました。


でも、これがほとんどアドリブで撮られたと聞き、NHkのサイトのPR動画で話していた次課長の話を思い出すと、そこには彼らなりのこだわりとチャレンジ精神があったのだと、思い至りました。住吉アナが自身のブログに書いていたのを読むと、彼女自身もその収録を楽しんでいたこともわかりました。


それにしても、観ている側に伝わりやすいように、もうちょっと練ってもよかったんじゃない?という気持ちは残ります。そこまでコアな方に行くのかと。


そこをずっと考えて行くと、次長課長のコントの世界は、私なんかが思っているより、はるかにシュールで別世界なものなのかもしれないなあと感じます。


本当の番組のファンだったから、きっとこの企画を思いついたんだと思うと。


あのアマフェッショナル加減、半端じゃなかった。「金魚になりたい。」って?「バイトしてるなって思われたい。」って?そのブラックホールのような思考回路に、なんだか吸い込まれてしまいそう。


あ、それでも、クールにそんな奴を演じようとしながらも、時々抑えきれない笑いがこみあげてきて、一瞬笑ってすっと元に戻る井上さんの様子が、何とも言えず良い眺めだったことは、書いておかなくては。その一瞬が見られたことで、なんだかホッとする所もあったので。


<合わせて一つの作品>

つらつらと観ては考えたのは、彼らのコントは、どこへ連れて行かれるのかと不安になるほど自由だけど、それを創るきっかけになる芯の部分が見つかると、最初に抱いたのと違った見方ができるようになるのかもしれないということ。


そして、予告動画って、もうすでに彼らのコントの世界に入ってるなあと最初に感じたのですが、本当に、予告動画から本編まで、合わせてこれは一つの作品なんだなということ。


保護者目線で見守ることの多い彼らの、まだ知らない可能性を、見せてもらうことのできた、貴重な番組だったなあ、楽しみにしていただけのことはあったと、ためつすがめつ観てしまう番組でした。


そして、よくNHKがやらせてくれたなと、改めて感心します。実験的な場を与えてくれた、NHKにも感謝します。