『旭山動物園~日記2009雪の動物園に生きる新しい仲間たち』、生き生きした、井上さんと河本さんファミリーの姿が堪能できる、とっても楽しい番組だったので、覚書を残しておこうと思います。
【動物園入り口にて】
河本「家族が楽しめるというのはね、非常に重要なことでございます。」
井上「まあね。大事ですよ、それは。」
河本「あなた家族がいらっしゃいませんね。」
井上「はあ。」
河本「私のとこには、一応いらっしゃるんですよ。子どもと嫁が。」
井上「それなりのね。」
河本「一回お呼びいたしましょう。(コタくんたちの方に向って)雪遊びやめろ。」
ここで、河本ファミリー登場。虎太郎くんが出てきた途端、井上さんニッコニコです。虎太郎くん、写真で見たのは、もうだいぶ前のこと。顔つきが少し、お兄ちゃんぽくなりましたね。
【あざらし館へ向かう途中】
井上「坂東さ~ん。僕にも妻と息子、用意してもらってもいいですかね。」
副園長の坂東さん、振り返ってははっと笑っていました。
【あざらし館(室内と野外)】
筒状になっている水槽の中でアザラシが上と下を行ったり来たり。誰よりも早く水槽に近づき、楽しそうにアザラシの動きを、眼で追う井上さん。コタくんも、直美ママに寄り添いながら、目はアザラシに釘付けです。
井上「降りてくる時のな、上目使いがかわいいねん。」
坂東「そう。目が合いますね。中からもちゃんと見えてる。」
あざらし館外のプールでは、ショベルカーで雪をプールに入れています。流氷の穴から顔を出すアザラシの習性を知ってもらうため、プールの水を凍らせているとか。この動物園は、ただ檻の中にいる動物を見せるだけでなく、その習性を知ってもらうため、いろいろな工夫をしているようです。
プールの横には、片羽を失ったオジロワシが、止まり木に止まっています。
河本さん「あれ?羽が…。」
飼育員「気づきました?もう二度と飛ぶことはできないんです、交通事故で。観光客なんかが野生動物にいったん餌をやってしまうと、人里に降りてくる機会が増えて、こうやって事故にあったり。人間達は良かれと思ってやっても、大抵それは、いい結果をもたらさないですね。」
あざらし館にて。井上カメラマン。
河本「ちょっとこれ、直美と虎太郎を、井上さん。3人で家族写真を。」
井上「いやや、なんでやねん(笑)。」
筒のような水槽の前で、アザラシと一緒に写真を撮るには、入口からの撮影がお勧め。アザラシはお客さんが気になって入口方向を見ていることが多いからだそうです。
膝をついて撮影していた井上さん、「完璧や~!」と叫んでのけぞります。
河本「ウソつけ。お前みたいなんが…。うわー!」
井上「一発で撮れてもうた!」
直美「うわ、すごい。」
虎太郎「ありがと!」
くりくりおめめの虎太郎くんもかわいかったけど、コタくんよりも井上さんの方が子どもみたいに見えました。
【オオカミの森(野外)】
坂東「ここはぐるっとオオカミ(の檻)が取り囲んでいて、その中にぼくたちがいるんですが、どこにいるか。(見回す)」
直美「えー、すごい。」
井上「いた!」
さすが目のいい井上さん。上の方にさっそく狼を見つけてカメラを向けます。こういうとき、この人はいい表情をしますね。パッと反応する。
昔、北海道に入植した人たちが、家畜を荒らすという理由で絶滅させてしまった狼。かつて住んでいた様子をイメージしながら、小高い丘と周りを見渡せるこの場所は、坂東さんが設計したそうです。狼の群れを見せることにこだわりを見せます。
坂東「どうしても群れでいる生き物を見ると、みんな仲良く生きてるよって言うんですけど、そこにはルールがあって、社会ができている。何かがあると死っていうのがあるんですけど、そこから狼の尊さとか尊厳みたいなことを感じてもらえれば。」
【オランウータン館(室内)】
番組HPを作っている飼育員佐賀さんが、井上さんに撮影㊙テクニックを伝授。午前と午後にオランウータンが入れ替わるときがシャッターチャンス。
佐賀「ジャックはなかなか、こっちに顔を向ける雰囲気がないので。」
井上「じゃ、この出てくる瞬間が。」
佐賀「ほんとにいい写真を撮る」
井上「唯一のシャッターチャンス。なるほど。」
佐賀「ここで待ってる瞬間が、ドキドキしていいんじゃないかと。」
井上「タレントみたいですね。」
その時、ドアが上にスライドして開きました。
井上「やべやべやべ…。(急いでカメラを向ける)」
佐賀「来ましたね。向こうから。」
井上「え、そうなんだ。全然見えてない。もう押していいですか?まだ?…撮れた!」
振り向いて佐賀さんを見る井上さん、めっちゃうれしそうです。写真、よく撮れていました。あれ?そういえばいろんなとこで撮った写真を見ると、どれもうまい。シャッターチャンスをよく捉えているのは、目がいいからでしょうか。新たな特技を発見。
1枚撮っただけで喜んで、佐賀さんのほうばかり見ていた井上さん。
井上「(オランウータンを振り返り)でけえ。」
佐賀「今ずっと、井上さんの方見てましたよ。」
井上「ほんとですか?あー、今もシャッターチャンス?言ってくださいよ。」
自由だなあ(笑)。人見知りそうなのに、会ったばかりの佐賀さんとしゃべっている時、しっかり目を見て話すのが印象的でした。
【レッサーパンダのつり橋(野外)】
河本「(つり橋にレッサーパンダがいるのを見てコタくんに)ほらほら。」
井上「またいい時に来ましたね。」
虎太郎「(走っていきながら)レッサーパンダ!レッサーパンダ!」
【モートへの収容】
野外で日中過ごす動物たちは、夜になるとモート(室内)に収容されます。このとき、モートへと誘導するのが、飼育員さんたちにとっては一苦労なのだそうです。
オランウータン担当の飼育員大内さんは、数日前に収容を急いでリアンに水をかけて追い立てたら、それ以来嫌われてしまい、いくら声をかけてもモートに入ってくれなくて、困っています。坂東さんが一声かけると、素直に入るというのが3日も続いています。
坂東さんも過去に同じような経験をしたことがあり、気持ちがわかります。
坂東「頭ごなしに制御しようとすればするほど、関係はこじれる。」
坂東「顔見るのも嫌だというわけじゃないから、制御されるのが嫌なんだろうね。その瞬間だけが、なんだか癪に障る。オランウータンは根に持つから。」
大内「水ですね、完全に。」
坂東「何時になっても自分でいれた方が。ただ、短気にならないでね.。しょうがない、中に入ってやるかになってしまえば、元に戻る。」
何日かそんな日が続き、オレンジを口に入れてやりながら、「怒ってるの?怒ってるの?」と、優しく訊ねる大内さん。何度目かのチャレンジのあと、ようやく自分からモートに入ってくれました。
大内「ちょっとずつ、許してくれてるんですかね。すげぇ、ほっとした。」
なんか、人間の家族関係と似ています。慣れているように見える飼育員さんたちにも、日々こんな試練があるんですね。そういう積み重ねの上にある、動物との信頼関係なんだなあ。
【もうじゅう館】
飼育員「獲物に近付くとき、林の中で目立たないようについている虎のしま模様は、縦縞でしょうか。横縞でしょうか。」
井上「それはもう、答えが出せませんね。」
河本「縦縞だと思うんだけど。」
井上「たてじゃない?」
背骨に対して考えるので、横縞が正解でした。
【ほっきょくぐま館】
カップルで飼われているイワンとルル。赤ちゃん誕生が期待されていますが、ホッキョクグマの妊娠はなかなか大変なようです。まず、受精卵が受精してからも着床せずふわふわと漂っている時間が長く、いつ妊娠したか外からとてもわかりづらいそうです。そして、妊娠すると巣穴に閉じこもってひと月も絶食し、出産するのだとか。
妊娠しているかもしれないルルのために、完全防音の産室を用意して、そこに2ヶ月間隔離していましたが、残念ながら妊娠はしていませんでした。
2か月ぶりに産室の扉が開き、外に飛び出すルル。彼女にとっては、今年初めて見る雪です。駆け回り、イワンと抱き合ってはしゃぎ、水の中に飛び込んで、全身で喜びを表現するルル。それを見ている飼育員さんも、「テンション上がってる!こりゃすごくなってきた。」とうれしそうです。
室内から、水の中を泳ぐホッキョクグマを見る、直美さんとコタくんと井上さん。そのとき、どこにいるのか河本さんの声で、館内放送が。
河本「さて今から、もぐもぐタイムと申しまして、ホッキョクグマに餌をあげたいと思います。」
井上「どこかで聞いたことがある声なんですが(笑)。」
ホッキョクグマの説明するうちに、いつのまにか3人に話しかけてくる河本さん。
河本「虎太郎くんも。」
井上「聞いてる?虎太郎くん。」
河本「虎太郎くんも直美さんも、テレビをつけながら寝るとか、トイレの電気をつけっ放しにするとか、そういうことをしないように。エコ、エコですよ。井上さん。井上聡くん!」
井上「はぁーい!」
河本「ゲームばっかりして、電気を使わない!だめっ!」
井上「動物園に関係ないですが(笑)。」
河本「井上っ!…私が言いたいのはでただひとつなんです。地球温暖化をみんなで解決すれば、このホッキョクグマは、絶滅危惧種にならなくて済んだんです。」
井上「(上に見える河本さんを指さしながら虎太郎くんに)あっこにいるの、わかる?」
虎太郎「(うなづく)」
直美「抱っこしてあげようか?」
井上「虎太郎はなに?オレとしゃべらないようにって言われてるの?」
再び、佐賀さんから撮影テクニックを教わる井上さん。
佐賀「ホッキョクグマは雪が大好きな動物なんで、雪とマッチしたような写真が一番いいなあと。目線が高いと迫力が薄れてしまうんで、手すりの間とか目線を下げながら撮っていただくと。」
井上「いつ考えるんすか、そんなこと。」
佐賀「(笑)そうですね。動物見ながら。迫力ある映像がほしいんで。」
佐賀さんのお勧めは、朝、雪の布団の上に寝転がる瞬間。
井上「あっ、あっ、あっ、ごろごろ!あーっ、これ、撮りたかった!」
佐賀「朝の時間帯って、結構こういう風にやったりしますね。両足全部あげることもあるんですよ。」
井上「えーっ、それ、チャンスですね。あ、これ、いいんじゃないですか?」
佐賀「ああ、いいですね。ちょうど伸びきっていて。」
井上「縦でも良し、横でも良し。」
【チンパンジー館】
チンパンジーの餌を切るのを手伝わせてもらう河本さん。途中から飼育員の丸さんに変わると、すごいスピード。手慣れたものです。餌をやりに檻に近付くと、ボスらしきチンパンジーが檻の棒を掴んで、すごいいきおいで揺らします。その音とチンパンジーの迫力に、河本さんはすっかりびびってしまいます。
河本「オレ今正直、ヤンキーに絡まれたような気分です。足がすくむというか、本気で怖がってます。これがほんとですか?ナメちゃだめってことですよね。」
直美さんと虎太郎くんをそこに連れて行ったところ、同じようにオリを揺らして威嚇され、怖がって虎太郎くんは泣き出してしまいます。ポロポロ涙を流す虎太郎くんを抱っこしながら、河本さんは優しく話しかけます。
河本「ただ単にかわいいだけじゃないだろ。怖かったりもするだろ?それを分かってほしかったんだよ。な?ああやってピースケ(違う群れに移されたチンパンジー)も、最初はいじめにあってたりしたの。でも、飼育員さんが簡単に助けたからって、ピースケは今だけしかよくないわけ。これからの成長をみると、自然のままでルールの中でほっといた方が一番いいわけ。
これから、虎太郎がもし幼稚園でいじめに遭ったりしたら、親が率先して出て行くんじゃなくて、子どもたちだけで解決できるように、虎太郎にも成長してもらいたい。そういうこともチンパンジーが教えてくれるみたいな、そういうとこがあるのよ。」
【ぺんぎん館】
水槽の中に、人が通る部分だけくりぬかれたような水中トンネルは、水の底にいるような素敵な眺めです。優雅に泳ぐペンギンたち。何気なくそこに立って、ペンギンを目で追う井上さんの姿は、ただ立っているだけなのに不思議に目を惹きます。そして、泳いで行くペンギンを見て、「飛んでるみたい!」と虎太郎くん。
河本さん、今度はペンギンの餌やりを手伝うことになりました。死んだ魚に不足しているビタミンを補うために、魚の口にビタミン剤を入れたり、淡水で飼っていて塩分が不足するので、魚に塩を振ったりしていました。
キングペンギンのヒナ、おっきいですね~。18kg。黒っぽいふさふさの毛が生えていて、まだ吐きもどした餌を親にもらっているのに、親と同じくらい大きいのが不思議。「イメージと違う!これ、子ども?」と、河本さんもびっくりしていました。
旭山動物園では、見守りながらも飼育員は手を貸さず、親に子育てさせる方針だそうです。人間が手を貸すと、親が子育てしなくなるのだとか。
1日に2回行われる行動展示、ペンギンのお散歩です。お客さんが真近に見られる所で、ペンギンたちがとことこ歩いています。一緒に歩いた虎太郎くんは楽しそう。歩き方もペンギンっぽくなっていました。
「つまらないと思われたら負けなような気がして、そこから先につながらないんじゃないか。」という副園長のの坂東さん。園内のあちこちにある、動物の生態に触れられるしかけは、そんな思いから出てきたアイディアだったんですね。
【ラスト】
全員「坂東さん、今日はいろいろとありがとうございました!」
河本「今日は一番何が楽しかったですか?」
虎太郎「全部!」
井上「夢があっていいよね。」
【狼クリスの死】
朝、突然クリスが死んでいたという、担当飼育員の言葉。
カナダから来たケンとメリーの兄妹、そして秋田から来たメスのクリスの3頭が、オオカミの森の住民でした。クリスは足の指を失って群れで暮らせなかったのですが、3頭で群れを作り、最年長として群れを引っ張ってもらいたいと思われていました。そして、ケンとカップルになって、メスのリーダーになってほしいと。
3頭はだんだん馴染んで群れを形成するかと思われたのですが、メリーとクリスに同時に発情が来てしまい、メスの優位をめぐって争いがおこり、ある朝、冷たくなっているクリスが発見されたのでした。
家族で楽しめる所と河本さんが紹介した朝日山動物園日記のラストは、思いがけず悲しいものでした。動物がかわいいということだけでなく、生きることの過酷さをも感じ取ってほしいという、飼育員さんたちの願いが、この日記には込められているんでしょうね。
次長課長のいろいろな楽しいシーンとともに、雪の中で暮らす動物たちの、今まで知らなかった部分を、教えてもらった気がしました。
真剣に何かに向き合うこんな番組は、彼らにとても似合っているなあと感じます。普段眠っているというか、隠れている、彼らの本気の部分は、こういうものに向き合うことで引き出されるんじゃないかと。