たまきを演じる桃井かおりが、本人の個性とたまきのキャラが相まって、複雑に年を重ねた女性の雰囲気を醸しているのが素敵でした。ドラマが始まった頃から、たまきと哲夫は料理をしながら会話をするという場面が多かったのだけど、その切ったり混ぜたり、手際はいいのにどこかぞんざいで、観ながら「うわ~。」と、いつも溜息をついてしまう、なんともいえない雑な感じと夫婦の関係がとてもシンクロしていて、そういう描写での夫婦関係の見せ方ってすごいなあと、感心していました。
良純さんが桃井さんの夫役なのを見て、最初はびっくりしたのですが、話している様子を見ていたら違和感がなかったのが面白かったです。良純さんは、天気予報士でいいともに出てる人という認識しかなかったのですが、つかこうへい劇団で演劇をやっていた人なんですね。
虎之介さん演じる久木田は、結局なんか微妙なキャラだったなあ。悪いように見せかけて、理佐子を愛しているいい人だったし、キャラ作りがしにくい設定だった気がします。髪を染めるのは、必要だったのかな?あんなに個性のある俳優さんなのに、うまく生かされてなかったようで、残念だった気がします。
警察署の前での、たまきと刑事さん(小日向)のやり取り、洒落ていてよかった。軽口をたたき合いながらお互いを憎からず思っている、口先と態度の裏腹なやり取りが、上質な舞台を観ているようで、最後まで贅沢なドラマだったなあという印象でした。
悪女の雰囲気を漂わせながら失踪していた理佐子は、実は不器用で健気な女性だったんですね。「私、勝ったわ!」と言い放った時の彼女を見て、殺伐なスキャンダルのドタバタが始まるのかと思っていたので、こんな終わり方になるとは、意外でした。
事件がきっかけで、、4組がそれぞれ自分の足元を見直して、もう一度やり直そうという夫婦と、別れようということになった夫婦と、最後にそれぞれが違う結果になったのが、びっくりしたけどなるほどなぁという感じでした。哲夫(石原)と真由子(吹石)は、相手に頼ることをやめて、自立する道を選んだんですね。そうすることによって、たまき(桃井)と賢治(遠藤)も、相手を束縛していることに気づいたのかもしれません。
丁寧に作られた物語を、それぞれの役者さんが丁寧に演じていて、とても満足感のあるドラマでした。