ハリポタから足を洗ったと思ったら、ふと夕方にやっていた「のだめカンタービレ」の再放送に心奪われ、連ドラとSPをDVDに焼いたのを引っ張り出してきて、本格的に見始めたら、止まらなくなって、今度はのだめワールドにはまっております。
なんとかその合間に仕事を片付けて一息ついたところですが、いい加減にしないと、身体が持たない・・・。
そんなに夢中になってしまうのは何故かなぁと考えると、一つの道を志して幾多の苦難を乗り越えていく成長物語が、私は大好きなんだということ。
そして、ドラマのテーマである音楽の使われ方が素晴しい。ドラマを観ながら音楽が気持ちを高揚させ、音楽を聴きながらその旋律にドラマを感じるという、味わった事のない相乗効果。それを可能にしているのが、旋律をCGで表現したり、作曲家や曲のウンチクを曲の合間に紹介したり、千秋やのだめの曲に対する解釈を心の声にして聞かせたり、物語が進行しながら、クラシックに疎い人にも、音楽自体を楽しめる工夫がちりばめられているから。
音楽そのものにこだわりを持ったつくりが、ドラマにすごくリアリティを与えています。音楽を追求していきながら、のだめと千秋先輩がお互いの足りない所を補い、高めあっていく様子に、なんともいえないカタルシスを感じるのも、そこの土台がしっかりしているからなんでしょう。
それにしても、こんなにゆったりとクラシックに身を任せることはあまりないので、ドラマを追う楽しみと共に、楽器の持つ音色の美しさや、聴き継がれてきた古典音楽の響きの豊かさにも、改めて心を打たれ聴き入ってしまいました。オーケストラのメンバーが登場人物として色づけされているのも、親しみを感じて聞くのに一役買っている気がします。
演奏する真似、指揮する真似をしているんだろうに、よくこれだけ本当っぽく出来るなあという感心もありました。上野樹里ちゃんはほんとに弾けるので自然な動きで、背中を丸めて音楽の世界に没頭する感じがとても魅力的でした。玉木宏さんの指揮は、最初は適当にタクトを振っているようにしか見えなかったのに、SPのときは本当にさまになっていて驚きました。あんな本当のホールで、観客を前にして、相当なプレッシャーだったんじゃないでしょうか。福士くんのオーボエも素敵。「純情きらり」で、弾けないピアノの弾いたふりがとてもうまかったけど、こちらもほんとに吹いているようでした。
そして配役も、本当にあんな感じの演奏家、いそうだなという人ばかりで面白かったなあ。小出君は、あの後「ルーキーズ」でも、声が裏返ると、しばしば真澄ちゃんに見えて困りました。水川あさみちゃんもいかにもっていう感じだったし、瑛太くんも生き生きしていたし。
先生役は、どの人も人間的魅力の溢れた人たちでした。全くタイプの違う谷岡先生とハリセン、こちらも対照的なビエラ先生とミルフィー。そしてのだめを見出したオクレール先生。生徒の個性を引き出し、進む道のヒントを与えてくれるこうした人たちも、とても魅力的に描かれていました。
そして、観終わった後耳に残るのは、「なぜ、なんのためにピアノを弾くのか?」というオクレール先生の問い。それを受け取った、のだめの自問自答。
「ピアノ」というところを、自分の好きなことに置き換えて、観る方も自問自答してしまう。
何故?なんのために?
「楽しければそれでいいじゃない」と言っていたのだめが、「私は井の中の蛙。世界は広かった。」と落ち込み、悩みながら行き着いた境地。可能性と限界。上昇志向と純粋に楽しむ事。いろいろな場面を思い浮かべながら、思いは尽きません。
もうちょっと真面目に、クラシックを聴いてみようかなんて、思った午後でした。