ちりとてちん 3/13 | 甲羅に似せて

甲羅に似せて

蟹は甲羅に似せて穴を掘るそうです。私も日々の想いを
蟹が穴を掘るように綴っていけたら・・・。

奈津子さんを見送る主夫・小次郎さん。「今日は宝くじの当選発表の日ね。」と、会話も個性的です。奈津子さんを送り出してふとテレビを観ると、あの巨大塗り箸のニュースが。小次郎さんは画面を見ながら、なにやら考え込んでいます。


 徒然亭では、草原さん、草々さん、喜代美ちゃんが、改めて、草々さんの草若襲名を、四草さんに頼みに来ています。うんと言わない四草さんに、草々さんは、「なんでこんなときに、小草寂のこととか一門の事とか考えられなくて、自分のことばっかりなのか。」と怒ります。

 「やっぱり小草若さんが帰るのを待つのはだめでしょうか。」と、喜代美ちゃん。「今更なに言うてんねん。」と四草さん。


 その頃、小浜の魚屋食堂に、小草若さんが現れます。友春さんが焼いた鯖を食べて、「前よりうまなったな。」とほめると、塗り箸をやっていた頃はしんどかったけど、今は楽しいという友春さんの話を聞いて、「自分に合うものが見つかってよかったな。」と言います。小草若さんは、ガソリンスタンドでバイトして日銭を稼いでいたようですが、それが自分の仕事とは思えなかったようです。


 生い立ちの似ている友春さんと小草若さんは、何か惹きつけ合うものがあるんでしょうね。家業が嫌で結局は家を出てしまった友春さんの今を、うらやましげに見る小草若さんですが、人の真似をしても、それは自分の人生にならないのでは・・・。


 順ちゃんに小草若さんが小浜にいることを聞いた喜代美ちゃんは、急いで魚屋食堂に駆けつけます。そこには焼さば定食を食べる小草若さんが。

 草若襲名で徒然亭が大変な事、やはり小草若さんに名を継いでほしいことを話すと、「俺には関係ない。入門して20年以上かかってやっと気がついた。本当は落語なんか興味がなかったんだ。」と小草若さんは出て行こうとします。

 テレビの仕事に忙しかった頃、高座に出るだけが落語家じゃないという話をしてくれた事を話し、落語に興味がなかったら、あんな事を言うはずがないと言う喜代美ちゃんに、「そんな話、覚えてない。」と言い捨てて、小草若さんは行ってしまいます。


 徒然亭では、草々さんが喜代美ちゃんからの電話を待っているところに、草原さんと草々さんが駆けつけます。もう待っていられないと、小浜に行こうとする草々さんを、四草さんが立ち上がって、制止します。


 「行かん方が良いと思います。行かんといてください。」


 なおも振り切って行こうとする草々さんに、「行くなーっ!」という腹のそこから搾り出すような叫び声。


 「あのアホのこと思うてるなら行くな言うたるねん!」


四草さんのすさまじい形相とともにこの回が終わったのですが、すごい迫力でした。普段冷めた物言いで、感情を言葉や表情で表す事の少ない四草さんだからこそ、こんな時、どうしたんだろうとドキドキしてしまいます。


 小草若さんが後を継ぐのを当たり前と思っていた徒然亭のメンバーの中で、そういう気持ちがどんなに小草若さんの負担になり、脅迫的なものにすらなっていた事を、唯一わかっていたのが四草さんでした。

 でも、それで自分に名を継がせろという、すごく伝わりにくいメッセージを口にしたのが何故なのか、どこに落としどころを見つけているんだろうというのがわかりにくい奴だなあと思います。


 兄弟に例えると、うちの母がよく言ってましたが、母は4人姉妹の3番目で、長女は跡継ぎ、次女も親の視野に入っている、末っ子は小さいので可愛がられ、お菓子が1つしかない時には末っ子だけもらえるが、三つ目のボタンはとれていても誰も気にしない、3番目は損な役回りなんだそうです。


 四草さんも、跡目相続では、草原さんは筆頭弟子で声がかかる、草々さんは芸風を受け継ぐ実力派で声がかかる、小草若さんは跡取り息子で無条件に権利があり、喜代美ちゃんは女落語家の話題性で鞍馬会長に気に入られていると考えてきて、1人だけ誰にも求められていない寂しさがあるんじゃないでしょうか。


 でも、襲名を先延ばしにするために混ぜっ返しているだけで、他意はないと思うんですが、草々さんが継いだら小草若さんがまた傷つく事を考えているような気もします。


 どうするのが1番いいんでしょうね。師匠が生きているのが1番良かったわけなんですけど。