前回は早期通塾についての私見を書きましたが、今回は中学受験と大学受験の「構造の違い」について、改めて感じていることを書いてみたいと思います


娘の学校のお友達の中に、ごく少数ながら「塾なし中学受験」で入学された方がいらっしゃいました


これは正直、かなり驚きました


というのも、中学受験というのは本質的に「通行料(=授業料)を支払わなければ進めない一本道」のような構造をしているからです


中学受験の成功ルートは、あらかじめ敷かれた一本道


そしてその道は、多くの場合、塾に在籍することで初めて通行が許される道でもあります


いわば中学受験はとてもクローズドな世界


四谷大塚の「予習シリーズ」は外部でも購入できますが、サピックス、早稲田アカデミー、日能研といった大手塾の教材は基本的に非売品


つまり、塾に入らないと触れられない教材体系の上に、その一本道は成り立っています


どんな教材を、どの順番で、どれくらいの量こなすのか


それらは塾の中のみで完結しており、外からは見えにくい


特に娘が通っていたサピックスは、「これは一人ではとても回しきれないだろうな…」と思うほどの、圧倒的な教材量でした


毎回教材を整理しながら、「これ、本当に全部必要だったのかな?」と感じていたのを今でもよく覚えています

 

 

 


そんなクローズドな一本道を、塾に通わずに「自宅学習のみ」で進み切ったお子さん


やはり印象的でした

 


◆とても落ち着いていて大人びた雰囲気


◆家族関係も良好で、全体に漂う空気が穏やか

 


「親御さんの判断と関わり方が見事だったのだろうな」と自然に思わされる、本当に素敵なお嬢さんでした


中学受験の本当の難しさは、学力以上に子どもの精神年齢に大きく左右されると私は感じています


精神年齢が高い子であれば、親の伴走も比較的スムーズ


けれど、精神的に未熟な場合は、勉強以前の部分で親子ともに消耗してしまう


この差は思っている以上に大きい

 

 


一方で、大学受験はどうでしょうか?


大学受験は、中学受験とは対照的に非常にオープンな世界です


本屋に行けば、誰でも質の高い参考書や問題集を手に入れられる


難易度の幅も広く、難関大学に対応した教材もたくさん市販されています


つまり、通行料を支払わなくても、道そのものには入れる


どの道を選ぶか、
どのペースで進むか、
どこで引き返し、

どこで踏み込むかは、

本人と家庭次第です


今はさらに、YouTubeで「志望校別参考書ルート」が無料で手に入り、分からない問題はChatGPTに聞けば、かなりの精度で解説してもらえる


英作文の添削すら、瞬時に返ってくる時代です

 

 

 

 


中学受験が、「頂上へは通行料を支払って進む一本道」だとするなら


大学受験は、「通行料を払わなくても、自分次第で頂上へ進める道が選べる」


だからこそ、私は思います


親の判断ひとつで、まだ伸びるはずだった芽を摘んでしまわないでほしい


・早すぎる通塾

・合わない環境

・過度な期待


それが「過度な消耗」になってしまうお子さんも、一定数確実にいます

 


進ませることよりも、

・守ること

・待つこと

・引き返すこと

が必要な場面もある


どうか、親の選択によってお子さんを潰してしまうことだけは避けてほしい


その子の人生は、中学受験の一本道だけで決まるものではないのですから