なんだかとっても、現代でかなり有名で怪しくて可愛い海賊さんに見えて仕方ないのですが、ち、ちがいます(泣)

そもそも、遠洋漁業の漁師さんから教えてもらった話にわくわくして、そういう話を書きたいなぁと思ったのですよ。
でも詳しくわからないジャンルなもので、ファンタジーに持って行こうとしたのに、想像しやすい世界観が海賊のそれから抜け切らず…

本人としては
キャプテンは財宝か大きな目的か何かを追うパーティーの所属で、海にいる自分に誇りを持っているから、仲間もそこに敬意を表して『キャプテン』と呼んでいる。
という前提で書いておりました。

あきらめが悪い感じなのは、私なりにオマージュ作品と言えない理由もあるわけでして。
だってー。
ジャックさんは海になんか落ちないもん!

あ。いいんですよ笑って。
私にとっての、というだけですから。
ただ、海に浮かぶバンダナの色が譲れなくて、ああなりました。

寛大な目で見ていただければ有り難い限りです。
俺としたことが。

沈んでいく体を取り巻く、暖かくも冷たくもない海水は、濃紺から黒へと変わってきている。
船からの声は少し前から耳に届かなくなった。
あたりはただただ、真っ暗い静寂。

髪が水に揺られて頬を掠める感触。
トレードマークのバンダナが外れたのだろう。
髪のなびく感覚も、そういえば久しぶりだ。
今頃、あのすっかりくすんだ小豆色の布切れと眼帯だけが海面を漂って、船に俺の居所を知らせてくれることだろう。

しかし、静かだな。
海底に引き寄せられる感覚の中でぼんやりと思う。
こんなところで俺が死んじまったら、親たちはこんな俺でも悲しむんだろうなぁ。

思わず、目を閉じた。

静かな気持ちの中で思う。
このまま海に還るのも悪くないかもな…


耳元の水泡音に混じって、野太い声がする。
目を開くと、そこは青く黒みを帯びたマリンブルーの世界。
-浮かび上がっている!
そう気付いたとたん、苦しい息も気にせず無我夢中でもがいた。

帰らなければ。
俺の居場所は海の中じゃない、上だ。

「おい、見えてきたぞ!」
「キャプテン! ブーツを脱いで! ベストも!」

船の上から、矢継ぎ早に指示が飛ぶ。
俺はただ黙って従う。助かりたければ、そうするより他ないのはだれもが知っていることだ。
幸い、衣服には水が染み込み切っていないようだ。

バンダナをつかんで引き上げられながら見上げた先には、眩しく碧い空と、蒼い水面、そして。
くすんだ小豆色の、俺の印。

まだまだ、こいつらとやることがあるじゃないか、俺には。
俺は思わず、高らかに船の名を叫んだ。
ひんやりとした硬い床をひたひた踏んで、薄暗い灰色の世界を進む。
コンクリートの打ちっぱなしの壁、沈むように暗ぁい窓ガラス。

輪郭のぼやけた、不確かな世界を
手探りするように
でも、触れてしまわないように

恐る恐る、進む。