これはもう、本当に素晴らしい作品です。フランス映画だからこそ、嫌味のない美しさと純粋さを表現できているのでしょうね。もちろん私のような仕事にも通じる部分が多く、心が洗われていきました。
バティニョールおじさん のジェラール・ジュニョが先生役をやってます。
この俳優さんは独特の雰囲気を持ち合わせていて、本当に素敵ですね。
それぞれの事情があり、親元から離れて暮らす子どもたちの寄宿舎生活。そこには体罰が当たり前のように存在し、子どもたちの心もすさんでいました。そこに赴任してきたのが、マチュー先生。この先生が体罰の代わりに子どもたちに与えたのが「音楽」だったのです。
何かしらの大会などを目指して栄光を掴んでいくものかと思っていたのですが、結局そういう動きはなく、静かに静かに幕を閉じます。ここがアメリカ映画などと違うところですよね。ストーリーは何となく『天使にラブソングを』的でもありながら、ああいう派手さはないんです。でも、ものすごく胸を掴まれるんですよ。
才能を見出され音楽家になったモランジュ。その彼が母の死をきっかけに、50年ぶりに寄宿舎の仲間と再会します。当時、土曜日にお迎えを待ち続けた小さなペピノ。彼が、モランジュの記憶の底に眠っていたマチュー先生を、形見の日記で紐解くのです。
マチュー先生が去る日も、子どもたちは暴動など起こしませんでした。音楽によって心を豊かにした子どもたちは、自分たちなりのお別れをします。その紙飛行機のシーンは何ともいえない暖かさが胸を包むんですよ。
音楽が心を豊かにしたというより、音楽を媒介としたマチュー先生の心が、冷え切っていた彼らの心をもう一度暖め直したんだと思います。音楽に「心」がなければ、それはただの「音」になってしまうでしょう。
ジャン=バティスト・モニエはとにかく美しい!!
容姿も歌声も含め、彼抜きであの作品は仕上がりません。
ジャン=バティスト・モニエとジェラール・ジュニョ。
あの二人の配役は最高だったと思います。








