ノーカー(農家)ライフ A farmer (Noka)'s no-car life. -4ページ目

ノーカー(農家)ライフ A farmer (Noka)'s no-car life.

イナカに暮らしてロシア語通訳と趣味の園芸やってます。
仕事とくらし、都会とイナカの問題、ノーカーライフの様子をお伝えします。

長ーい出張から帰ってくると、

このように、廃材が積み上げられている。

Пришел домой после командировки.

Я увидел, что на участке сложены древесные отходы.

出張中、ヨメから電話があり、知らない人がいきなり来て、

「古くなった倉庫を潰して廃材の処分に困っている。引き取ってくれないか」

と頼んできたという。

「もらっとけ」

と言っておいたら、留守中に届けてくれた。

Во время командировки жена позвонила и сказала, что незнакомый вдруг посетил мой дом и попросил принять древесные  отходы, так как он снес старый склад.

Я согласился с этим предложением, а он доставил их на мой участок.

 

電話してみたら、町内でもわが家から遠いところに住んでいる人だとわかった。

お礼がてら、

「あのー、いったいどこからうちが分かったんですか?」

と恐る恐る聞いてみた。

По ворвращению я позвонил ему, чтобы поблагодарить.

За одно спросил, откуда он узнал мою потребность.

 

「あのよ、シルバー人材センターに登録してアルバイトしてるんだけどよ、

仲間が、あんたのうちに薪積んでるから引き取ってくれるんじゃないかっていうからよ」

"Я подрабатываю в центре пожилых кадров, там сослуживец сказал, что у тебя дома дрова. Значит, у тебя печка, ты хочешь больше дров"

 

イナカの情報伝達力はすごい!

В сельской местности информация быстро и широко распространяется устным путем!

 

薪ストーブは実は静かなブームで、都会では建築会社が持っている廃材が残らずなくなるそうだが、

イナカでは空き家など取り壊すほうがよほど多くて需要が追いつかない。建築会社の人が「いくらでも持って行ってくれ」と頼んでくるときもある。

廃材の処分には結構おカネがかかるのだ。

В Японии на переработку таких отходов уходит немало денег. Поэтому даже строительные компании хотят  передать отходы кому-нибудь.

 

 

薪用にもらった材木だけど長さがそろっているので、ほかの使い道がある。

果樹園の入り口のサッシ枠。やはり留守中に強風で倒れてしまった。

腐食が進んでいるので、そろそろ作り替えねばと思っていたところ。

Но эти отходы найдут другое применение.

Оконные рамы рухнули под сильным ветром, когда меня не было дома.

 

冬までには間に合わないけど、もらった廃材で春に作るとしよう。

Весной я сделаю новые рамы из отходов.

お久しぶりです。

 

前回更新したのが8月下旬。現在「怒涛の4か月」の中休みです。

 

気が付けば秋真っ盛り。

薪ストーブシーズンの到来です。

トマト、今週まで頑張ってました。特にミニトマトは大豊作で、30キロくらいとれたんじゃないかな。忙しくていちいち量ってないけど。

 

かぼちゃも大豊作です。この大きさのがだいたい30個くらいと、ミニサイズが30個くらい。

 

スーパーだとかぼちゃ高いもんね。経済効果大きいです。

 

少しですが、クリもいいのがとれました。

クリは薬を撒かないと全滅するので、今年から1回だけ、うすーくした薬を撒きました。

 

シイタケの第2の波がやってきた。

一度にこんなかんじでぶわーっと生えてきて、

収穫したらしばらくぽつぽつとしか生えない。

 

キノコはほんとに不思議です。

 

去年と比べて今年の収穫は、

かぼちゃ、クリ、シイタケ、トマト、なす、大根、イチゴ、で大幅増。

 

反対に、葉物(キャベツ、白菜)は軒並み大幅減。ブロッコリーがちょっと良かった程度。

 

葉物は虫が入らないように網をかけてもダメでした。日照不足で育ちが遅れている間にちょっとだけ虫がつくと、それでやられた。

 

仕事の合間に面倒見るだけじゃなかなか育ちにくいことが分かった。

 

あのスーパーに売ってるような、ひとかかえもある大きな白菜何個も作ってみたいなあ。

北海道では今日で夏休みが終わり。

やっぱり、なんかさみしいなー。

 

夏休み中、おとーちゃんがんばりました!

 

まず、家族連れて海に行ったしー。

 

つぎに、町内会のお世話で盆踊りのセッティングと後片付け。

 

息子に水泳も教えた。

合計10日間のコーチング中、息子はがんばりをみせ、15mしか泳げなかったのに、息継ぎを覚えて50mも泳げるようになった!

 

夏休みの自由研究も手伝った。

 

そしていつの間にか秋。

 

1本だけ植えているブルーベリーがたわわに実った。大きいのは直径2cmくらいあります。剪定のやり方を変えるだけで、こんなにおおきくなるんだねー。

 

 おとーちゃんも、先月あたりから仕事があわただしくなり、これから怒涛の4か月が始まります。

 

 次回ページ更新は1か月くらいあとになります(それも難しいかも)。今アサインされている仕事がキャンセルされたらこの限りにあらずですが。

 

 楽しみに待っててください。

これがわが町のメインストリートであるが、

人通りがほとんどないし、商店もろくにない。

 

でも、イナカ好きにはこれがたまらない。

 

同じイナカでも人口1万人以上ならそこそこ大きなスーパーがあるし、

商店街も結構充実している。

 

けれどそれじゃ都会のコピーというだけで、面白みに欠ける。

 

こないだ、電器屋の元気な奥さんと話していたら、

ここも「すんごい都会」というからズッコケた。

 

聞くと、お父さんが旧国鉄の駅員で、農村地帯の小さな駅の近くにある官舎で生まれ育ったんだそうだ。

 

駅といっても信号所に毛の生えたようなところで、周りに家もなければ商店もない。時折通る列車以外の音といえば、近くの小川のせせらぎの音だけだったんだそうだ。

 

いつか仕事を退いたら、そんなド田舎に帰って余生を過ごしたいと言っていた。

 

 もう一人。10年前に知り合った、人の数より牛が多い道東の町に生まれ育った男性の話。

 

 勉強ができたので、函館の有名私立高に進学した。

 

 そこで、「函館って都会だなあ。日本で10本の指に入る大きな町なんだろうな」と思っていたんだそうだ。

 

 実際は、人口が30万人にも満たず、おそらく数百番目なんだが。

 

 その後、学業優秀で、東京の超有名私立大学に進学。

 

 「函館が日本の十大都市」と思っていたところに、いきなり東京に出たのだから、大パニック!

 

 天下の大江戸で地に足がつかず、ふわふわ浮ついて即留年。

 

 6年かかってなんとか大学を卒業するや即座に舞い戻り、廃業を考えていたお父さんを説得して実家の酪農業を継いだんだとか。

 

 イナカに置いとくにはもったいないくらいの超有名大学卒でも、イナカもんの遺伝子が大きく作用したんだなあ。

 

 一方、この二人とちがって、おとーちゃんはどっちかというと都会生まれ。ここに来るまでイナカに暮らしたことがない。

 

 なのに、ここでぜーんぜん退屈しない。仕事以外の用では、札幌にすら行きたくない。これから死ぬまで都会に行かなくても平気な気がする。個人的には、もっと山奥に住むのも嫌じゃない。

 

 あきらかに母方の遺伝子である。おかんも母方の祖母も、生まれ故郷のイナカの話をよく聞かせてくれた。おかんは、夏の間暇さえあれば庭の草取りをしているような人で、「草取りが一番のストレス解消法」なんて言っている。母方の祖母もそうで、「あんたが家建てたっていうから見に行って草むしりしたいんやけどな、年やからよう行かん」。

 

 北海道来てまで草むしりしたいんかい!なんぼでもやらしたるでー。

 

 小玉スイカがとれました。甘くてうまいです!!

 

 

 

 

 

さて、お盆といえば、盆踊り。

町内会役員としてお手伝い。

 

Японцы танцуют в буддийские праздники "бон".

 

Я, как член руководства совета жильцов квартала, помогал в организации этого праздника.

 

しかしなー、最初はこのさみしさ。大丈夫なんだろうかと気をもんだ。

Но, увы, что делать? Сначала собралось совсем мало людей.

 

しかし、時間とともに人は増えた。

実は、終わったときに踊りの輪の中にいれば、お菓子がもらえる。

それを目当てに、終わる時間の30分前からやっと人が増える。これもイマドキな話である。

Однако, со временем приходили люди одни за другими.

Так как в конце праздника всем детям дарят кондитерские. Ради этого...

 

 近所の人に聞くと、昔この町では1週間ぶっ続けで盆踊りをやったらしい。

 今も、メロディーが流れると血が騒ぐのか、「もう踊れないけど」と言いながら見に来るお年寄りがいる。

    Соседи говорят, в прошлом в этом городе это праздничное мероприятие продолжалось неделю. А сейчас всего два дня.

 

 

 孫を連れて帰省した都会の夫婦や、ちかくのキャンプ場から飛び入りする親子連れにもおかまいなく町内会がお菓子を配る。普段の子供の数の何倍?? でも、これくらいしないとにぎわいがないからね。

 

 

で、2日続けて出ると、お菓子がこんなにたまった。しばらく買わんでええわー。

大人の部では、抽選があり、我々夫婦で町内のお寿司屋さんのタダ券(1人前)と、ビール6本当たった。

 За два дня мы добывали столько за участие в празднике.

    Кроме того, мы с женой в лотелее выиграли одну порцию суси и 6 банок пива.... Ура!

 

 畑ではビーツの収穫。今年はたい肥をいっぱい撒いたので、でかいです!!

畑仕事は今、雑草取りが中心。

就農4年目、今までいやいややっていた草取りだけど、

今はそれほどいやではなくなった。

 

引っこ抜くときのあの根っこがちぎれるぷちぷち感がいいんだよね~。

 

ぷちぷち感ナンバーワンは、このハコベ。

大きくなっても根が浅く、結構簡単に抜ける。

こいつはちょっと厄介。これくらいになるとぶちぶち。

 

雑草にも旬がありまして、

こいつは暑さのピークが過ぎたころから生えてくる。

これもぷちぷちちぎれるので、気持ちいい!

 

越冬用の白菜が発芽。

Китайская капуста.

 

7月あんなに暑かったのに、今月になってから最高気温が25度を超える日がない。夏は実質1か月だったな~。もう秋です。

イナカと言えば当然農家が多い。

息子の学校のクラスでも15人中3-4人が農家。

なので、いきなりどーんともらえちゃったりするわけである。

ナス、ピーマン、ししとう1㎏ずつ。

有機農法の認証をとった農家で、農薬使ってないから、ヘルシー。

ナスはともかく、ピーマンは不調なのでとてもうれしー。

В деревне, конечно, немало ферм.  Один из таких хозяев часто дарит нам свою продукцию.

Это- биоовощи. По килограмм баклажана, перца,

 

で、うちもお返しにキャベツとブロッコリーをおすそ分け。

農家だからと言って、なんでも作ってるわけじゃないので、

あちらの作ってないものを。

うちも農薬使ってません!!(*^^)v

А мы отблагодарили своими.

Наши - тоже биопродукты.

 

新ジャガ収穫。

ジャガイモは完全自給してます。

Новый урожай картофеля. Самообеспеченность картофелем у меня - 100%.

 高校生の時に聴いた福井達雨さんという障害児の専門家の講演は、今でも印象に残る。

 

 中学生の息子をスイスに留学させた。公文をやっていたので、数学の授業では誰よりも速く問題を解いた。すると、あろうことか落第!スイスでは義務教育でも落第すると留年で、もう一度1年生をやり直すことになった

 落第の理由は、「速く解くと、哲学が育たないから」。

 

 そのときは、

「数学の問題一つをゆっくりやっても哲学なんか育つのかなあ」と思っていた。

でもそれから年月が経ち、子供ができると、ほんとにその通りだなあと思う。

 

 日本では、早く正しい答えを出すことがいいとされる。その結果、子供はなんでも早く答えを出そうとし、できないと考えるのをやめてしまう。これが塾で見た子供の最大公約数。早く答えが浮かばないと、白紙のまま答案を出す子が多かった。書くだけ書いてみようとも思っていない。息子は、宿題ですぐ解き方がひらめかないと、癇癪を起こして当たり散らしている。試行錯誤の大切さを日本では教えない。脳が一番成長する10代に早く答えを出すことに腐心し、それで褒められるから、早くやることにプライドを覚えるようになる。

 

 こんな調子で、無事に受験を勝ち抜いたとしても、どうだろうか。

 受験勉強は、出題者の求める答えを早く所定の形式で書く、いわば型に収まる訓練。テストと日々の暮らしのアプローチ方法は違うと区別がついているならいいが、できている子はどれだけいるか。受験に本気で取り組むほど、人生のいろいろな問題にも決まった正解があるものと思い込み、わからなければ思考停止する。結果のわからない新しい試み、やってみなければわからないものは挑戦しない。リスクや失敗を極端に嫌う。挫折に弱く、簡単にトラウマを作る。こういう人、おとーちゃんの世代にもわりといます。若い世代になると目も当てられない。

 

 スマホの項でも取り上げた日本人・企業の横並び意識、盲目的な前例・慣習踏襲、海外に打って出ない内向き体質、意思決定の遅さと、元受験秀才の棚卸のできていない企業となんか重なってくるんだな。

 

日経新聞である大企業の社長が言っていた(昭和電工の前社長だったか)。

 「一流大学の学生を採用するのが一流企業の証だと思っていたが、成果を出すのは決まって三流大学卒だ」。極論だと思うけど、プライドが邪魔して泥をいじりたがらない秀才は多いと感じる。それをいいたいのだろう。

 

 それでも、できるだけ高い学歴がほしいのが親心というもの。学歴が高いほど生涯賃金が高いという研究結果もある。高卒と大卒のその差は1億以上という。

 

 一方で、700万円を境に、年収が上がっていくほど幸福度が下がるという統計結果もある。個人的には、むしろこっちが気にかかる。一流と言われる大学を出て、大きな会社に入れば700万は比較的低いハードル。高学歴ホワイトカラーは、幸福度が下がりやすい?幸福度はむしろ、ストレスの多寡が直接影響していて、年収500700万が緊張感とリラックスの最適バランスなんだろうか。

 

 大卒者には大卒者なりの視野の狭さがある。「これからの世界、大学出とかないと困るだろう」みたいな。おとーちゃんもそうでした。

 

ところが、そうでもない。外食大手の吉野家の社長は、2代続けて高卒のアルバイトあがり。子会社の社長は中卒。この会社なら、やる気があれば、アルバイトも正社員にしてくれるだろう。また、引越大手のアート引越センターを立ち上げたのは、中卒の主婦。夫の営む運送業が傾いたので、なんとか稼げる仕事をとあの業態を思いつき、辞書を引き引き法律を読んで会社を立ち上げた。学歴はなくとも、アイディアがあれば宮仕えを通りこしてすぐ社長。苦労は多いだろうが、会社を育てるのは子育てと同じくらい面白いともいう。

 

また、通訳になってから、仕事でいろんな人に会い、地方でめだたないけど、斬新な発想で事業を成功させているがたくさんいることが分かった。人生を決めるのは、大学の卒業証書ではなく、考える力、挑戦する心、やり抜く心だ。

 

 だからおとーちゃんは、息子に勉強しろと言わない。宿題だけはやれ。それだけ。スイスに行かせるカネはないし、受験産業と適当に距離を置いて放牧しようと思ってます。本気で頑張らなければいけないのは、テストで100点を取ることではない。失敗が多くとも、面白い人生を歩め。就職は吉野家がある!お前の就職先候補発展のために、吉牛食うで~!

 

 トマトが最盛期を迎えました。例年より小粒だけど、肌がすべすべのきれいなのが多い。今年は200個目指してます。

 

 

 

 今年4度目の帰郷。

 В четвертый раз в этом году находился в родном городе.

 

 オヤジが元気なうちにいろいろと先祖のことを聞いておきたくて、ホームから連れ出し、お好み焼きで一杯やる。

  Мы с отцом пили пиво за окономияки (японские лепешки). Хотел узнать, как жили мои предки.

 

 若い時はこういうこと、全然興味なかったのにね。

 

 父方のひいじいちゃんは、嘉永6年生まれ。その生まれ故郷は、源氏の落人が開いた里であるとか。祖先は、源氏の武者だったの?

      Отец сказал, что его дед (мой прадед) родился в 1853 году в месте, где нашли убежище самураи рода Минамото.

 

 開けた平地のほとんどないその山奥で、ひいじいちゃんたちは何をなりわいとして生きていたのか聞くと、

 

    Спросил я, на чем жил прадед.

 

 親父がじいちゃんから知らされている限りでは、「猟師でイノシシを獲って売りさばいたり、木を切ったり」していたんだという。

 

     Насколько отцу известно, прадед добывал кабанов и леса, и продавал их. Он был охотником.

 

 それって、これからやろうかなーと思っていることそのままなんですが!!(北海道は主にシカだけど)

 

    Это - то же самое, о чем я  мечтаю!!

 

 これでおとーちゃん、自分の運命を悟ったような気がする。

 

   Я узнал свою судьбу...

 

 

 ちょっと前に、SL保存会で、旧国鉄のユニフォームをいただいた!

 ありがとうございます!大事にします!

 В клубе любителей паровоза подарили мне форму работников бывшей национальной ж-д.

 

 さて、学習塾の話の続き。

 

  「学校でも部活でも、塾でも家でも『頑張れ』って言われる。もう疲れた。一度時間を気にせずぐっすり寝てみたい」

とある女子生徒が泣きださんばかりに訴えた。生徒の入っていた学校の陸上部は地区の強豪で、練習が厳しい。毎日帰宅が暗くなってから。塾にもよく遅刻してきた。あるとき暗い顔をしているので「どうしたんや?」と声をかけたらこの反応。

 

 この日から、生徒たちに『がんばれ』というのをやめた。それから塾の退職を考えるまで、さほど時間がかからなかった。

 

 よく考えれば、中高校生は、朝の8時に登校し、そのまま夕方まで授業と部活。週23回は塾に通って帰宅するのは9時半。夕食をとってさらに学校と塾の宿題をやる。寝るのは早くても午前0時だろう。部活動が盛んな学校になると、土日も試合や練習に駆り出される。これは、限りなく虐待に近い酷使。これこれ、子供の酷使は憲法違反ですよ!

 

 日本では、勉強も部活もなんでも頑張るのが美徳だと子供に教え込む。その結果、大人でさえまいってしまうような日常を子供に課している。電通の若き新入社員の悲しい最期を生む土壌は、日本中の学校・塾・家庭の悪夢のブラックスクラム体制にあるといったら語弊があるだろうか?なぜ、ヒマだといけないのだろう?

  

 ようやく最近になって、慢性的な睡眠不足が健康に及ぼす重大な影響や、あまりにも長時間の部活動に警鐘を鳴らす動きが出てきた。子供の生活全般に目配りせず、担当する科目や部活だけ見ていついかなる時も全力を注ぐべきと説く教師、部活顧問、塾講師は考え直す時に来ている。

 

  最近は、大人がいくらけしかけても反応しない「しらけ世代」が現れたらしい。今の若者は、と嘆く必要はない。大人への反逆の形が進化しただけである。子供たちは、親や先生の言う通り、習い事も学校も部活も塾も頑張った。あれもこれもと努力のエネルギーが分散してしまったから、どれも思うように成果が得られず、「頑張ったけどオレはこの程度」と思ってしまったと解する。これ以上気力なんか残っていない。なのに、もっと頑張れと言われる。こうして大人はオオカミ少年になった。努力しても報われないのは、子供の方がお見通し。

 

 だからこそ受験勉強は、能率(=質)の追求に尽きる。学校生活を楽しみながら、できるだけ短時間に労力をかけないで成績を上げる方法を考える。どうするか。

 

受験雑誌の合格体験記を読んでほしい。最大公約数は、「1冊の問題集を何回も繰り返す」ところに行きつくと思う。

 

親や教師のほとんどは、1冊が終われば次はこれをやれ、と際限がない。おとーちゃんも、「たくさんやるのがいい」と信じ、このタブーをやった。だから現役の時は惨敗。次々に新しいテキスト類に手を付けていいのは、通信簿が5の子だけ。凡人はマネするな。

 

浪人して、既習範囲の弱点をなくすだけでいいと考えを改め、苦手な単元や、ミスの箇所だけ徹底的に反復練習した。できる単元は、忘れていないかたまにチェックするだけ。

 

 すると、高校で頭打ちだったのがウソのように、飛躍的に成績が伸びた。あとは遊べた。

 

 「自分の自慢話かい!」と言われるのはしゃくなので、ここはくどくど書きません。地方大学出身の分際で、50歳にもなって高校生レベルの話を得意げに自慢するアホではないつもりだが、必ずそう言う人がいる。原則は上に書いた通りなので、これらをヒントに工夫してください。

 

別の人にも登場してもらおう。彼は本当にすごい。北海道の過疎の村にある小規模校から26年ぶりの国立大学合格者となった、大学の後輩。

 

こういう高校は、カリキュラムが大学受験に対応していない。どうやって勉強したのか?

 

「ああいう学校になると、先生も意欲のある生徒を教えたくて仕方がないんですよ。だから質問に行ったら余った参考書もくれたし、放課後に熱心に指導してくれました」

 

教員の職業意識をくすぐり、月謝なしでマンツーマン指導を受けられた。そのうえ、教材費もタダ!底辺校のハンディを逆手に取り、最高のアドバンテージに変えたわけだ。

 

ついでにいうと、学校の先生には、毎年出版社から教科書や問題集のサンプルが大量に送られて来て、職員室にたまっている。家計が苦しい家の子は、先生からこっそりそんな教科書・参考書をもらって勉強する裏ワザもある。今持っている資源(学校・図書室・先生)を徹底的に活用すれば、お金がなくても塾がなくてもけっこうやれる。

 

結論。能率を追求すれば、余計なテキストを買わせ、学校の授業を繰り返す塾はコスト・時間・資源のムダ。その時間を休息に充て、体調維持に努めた方がいい。

 

それに、塾は通信簿3以下の子をそれほど歓迎しない。上位校の進学成績に貢献しないから、売上のために受け入れるだけ。家庭教師の方がいい。2以下になると、面倒見切れないから、入塾テストで門前払いするのが普通。

 

とはいえ、子供が「塾に行きたい」と言うのに、「無駄だからダメ」というのも大人げない。無駄を経験させるのも教育。親が先回りして行かせる必要がないだけで、行きたいというなら行かせる。この場合、子供が消耗すれば即レフェリーストップ。

 

塾に向いているのは、通信簿が3の上位以上で、負けず嫌いで、自分でライバルを見つけ出すような自燃型の子。滅多にいないけど、こんな子はもまれれば強くなる。学校も部活もない浪人生も、生活リズム維持のために通った方がいいと思う。

 

  塾に行かせても、講師に全部お任せにしないでほしい。塾にしろ、スマホにしろ、チェック機能のないユーザーは、現代ビジネスにおいては、おいしいカモなのである。子供にも塾講師にも、「1年間で成績が上がらなかったらやめさせる」とくぎを刺しておく。発奮させるためなら短期講習だけ利用するのも手。だらだら通わせたら、刺激が刺激でなくなってしまう。

 

 能率とともに大事な要素であるモチベーションは、どうしたら持ってもらえるのか?

 処方箋はない。誰かに触発されたり、心の琴線に響く体験をして、勉強したいと思うまで放牧するしかない。

 

 次回、こうやって無事受験を乗り越えてもどうなんだろうという話をやります。