美しき三姉妹物語 | フラワーエッセンスナビゲーター☆☆チョンボン

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フラワーエッセンスおとぎ話

 

 

 

かつてドイツでは

ビール造りは主婦の仕事でした。

飲料水が不衛生だったころ、

ビールは

庶民に欠かせない飲み物でした。

 

ワインが植生から収穫まで

何年もかかるのに対し

翌年には収穫できる

ビール造りは生産性が高く

ドイツではビールが

主要産業となりました。

 

醸造所の数は

数千にも上り

各地の特色を生かした

地ビールが多く作られました。

 

バイエルンの片田舎にも、

自家製ビールを提供する

人気の食堂がありました。

 

ベック夫妻のお店です。

 

blog.excite.co.jp

 

ベック夫妻が作るビールや食事は

特別良くも悪くもなかったのですが

給仕を切り盛りする三人の娘たち

アンナ

ソフィー

ミラは

美人ぞろいでした。

 

イメージ wiesn.bayem

 

 

遠く離れた町から

噂を聞いて

訪れるものさえいました。

 

娘たちは美しいだけでなく、

とても働き者で

両親を助けて

働きづめの毎日でした。

 

そんなある日

長女のアンナを見初めた

地主の一人息子との結婚の話が

持ち上がりました。

 

アンナは両親が喜ぶ様子を見て

もうそれだけで満足でした。

 

地主の息子は

「式の準備も新居の用意も

全部こちらでするから

君はなにもしなくていいよ」

と言ってくれました。

 

台所はこうしたいな

というような思いも

ありはしましたが

 

それが男らしさ

頼もしさというものだ

私は大切にされていると

思うようにしました。

 

 

せっかくの好意に口出ししたら

気分を害されるかもしれない。

 

わがままな娘だって思われて

なにか変なことになったら

お母さんたち、がっかりする。

 

 

 

 

ある夜、ベック夫妻は

仕事終わりのお茶を

二人で飲みながら

これから店をどうしようかと

相談していました。

 

「アンナが嫁ぐと給仕の手が

足りなくなるからな」と父親。

 

「こういう話は続くっていうわ。

ミラやソフィーも

いいところにもらってもらえば

私たち、もう働かなくても

いいんじゃない?」

 

「そうだな。二人とも

器量よしだからな。」

 

「ベル婦人に頼んでみようかしら。」

 

「そうだね、あの人の紹介なら

間違いないだろう。」

 

「もっと早くお願いすればよかった。

もうそんな年頃だったなんて

うっかりしてたわね。」

 

 

そんな夫婦の会話を

こっそり聞いていたのか

いなかったのか・・

 

翌朝突然次女のミラが

「私はビールを作る仕事がしたい」

と言い出しました。

 

自家用のビールの仕込みではなく、

自分の醸造所を持ちたいと

言うのです。

うちのビールはおいしくない

とまで言い切りました。

 

「お父さんからもらっていた

お駄賃やお客さんのチップを

銀行に預けてたの。

 

シュルツさんがお年で醸造所を

閉めるとおっしゃってね。

 

私が銀行から融資をもらえたら

後継ぎとして考えてもいいと

言ってくれたの。

 

私の舌と鼻は天の贈り物だって。」

 

「シュルツさんがかい?」

 

父親はびっくりすると同時に

胸が高鳴るのを覚えました。

 

「バイエルいちと評判の、

あのシュルツさんなのかい?」

 

 

続いて三女のソフィーが

「私は学校に行きたい。

勉強して先生になりたい。」

と言い出しました。

 

「ミュラー神父がね、

私が試験に合格できて

教会の学校の先生になるのなら

奨学金を用意すると

おっしゃってくれてるの。

 

教会のお手伝いをした時

私は覚えがよくて

何でも飲み込みが速いし

何より子供たちが私に

一番よくなつくって。

 

そのお話をぜひ受けたいの。」

 

「まぁ、神父様が、

そんなありがたいお話を」

 

神父の名前を聞いて

今度は母親が胸で十字を切りながら

目を輝かせました。

 

 

アンナはあっけにとられて

ただただ驚くばかり

何も言えませんでした。

 

 

 

そういえば、いつだったか

何がしたいかとか

三人でそういう話をしたことは

あったっけ。

 

でも、たわいもない

夢物語とばかり

思ってた。

 


 

そうだったのね、

 

とアンナは今さらながら

気が付きました。

 

自分はただただ

両親を助けたかったから

一生懸命働いてきたけど

二人は自分の夢のために

がんばってたんだ。

 

 

 

両親は

最初こそ驚いて

心配そうでしたが

二人の真剣な気持ちと

堅実な準備を知って

 

「器量がいいだけじゃない、

立派な志を持った娘たちだ」

と誇らしげに

互いの顔を見合わせて

目を潤ませています。

 

「そうか。母さんと父さんは

お前たちが

よい結婚相手を見つけて

家を出るまでは

何としてでも頑張ろうと

つい昨晩も話してたんだよ。

いやいや、ミラの言う通り

ビールだって料理だって

たいしてうまいものは

作れないんだがね。」

 

「ほんとに。

お前たちのおかげで

この店ももってたんだから。

これで私たちのお役目は

終わったわね、お父さん。」

 

「そんなことないわ。

私たち、これからもたくさん

助けてもらうつもりなんだから。」

 

「そうよ。もしお店を閉めるなら

醸造所を手伝ってほしいくらいよ。」

 

「そうね、お父さん

それもいいんじゃない?」

 

「そうだな、アンナと違って

これからが大変なんだからな。」

 

 

 

アンナは

両親と妹たちが

泣いたり笑ったりしている様子を、

自分だけ

どこか遠くにいて

 

自分には関係のない人たちが

自分には関係のない話をしている

 

そんなふううに感じながら

ただぼんやりと見ていました。

 

 

三人で夢を語り合ったあの夜、

私は何を言ったのだったっけ。

 

私にかなえたい夢なんか

あったのだろうか。

 

 

 

融資をもらえたら?

合格したら?

 

 

 

そんなに簡単に行くものかしら

 

 

 

かすかに心がざわつき始めるのを

アンナは感じていました。

 

それがどういう感情なのか

自分でもわからないまま。

 

 

 

 

 

 

結婚式はもう

間近に迫っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

満面の笑顔で花嫁が見ているのは

新郎ではなく…

 

 

 

 

 

 

そしてそれぞれの40年後

ミラとソフィーは私のストーリー

 

アンナのストーリーは

あなたにおまかせしようかな

 

 

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