去年の終わりにね、
二回ほど、新加坡に駐在してはる日本人のビジネスマン&ウーマン向けに、
「財務会計の基礎講座」いうのを、ある企業さんが主催してはりましてね、
ウチは講師として呼んでもうたんですわ。
一回目はエライ緊張しましたえ。(誰も緊張してるようには見えへん、ゆうてくれはりましたけど、準備の段階で
一人で”こんなん聞かれたら分かるかな~”って、ドキドキでしてん。)
昨日のお昼、実はその講座を主催しはった企業のかたとお会いしてましてね、楽しい情報交換
させていただきましてん。
上手な講師というのは、何が良いのか。
その場での答え… 「間(ま)」。
駆け出しの講師、私も一回目のときのこと、鮮明に覚えてますわ。
「時間の空白」が、怖いんですわ。
誰かに反応して喋っててほしい、あるいは自分が説明するか、「分かりましたか~?」とか
ゆうて、音声が消える瞬間をなくしたい。
そやけど、人間、聞いてるときに「ふ~ん」って一端理解しても、体に浸透していくまでにある程度時間がかかるんですね。しかも、ウチが担当させてもうた財務会計講座、一回4時間ですさかいねえ。そんな長いこと、聞き続けるわけにはいきませんねえ。
そやし、時間的な空白があったって、それは生徒さんの頭の中で浸透していく時間やったり、「ほんまかいな」と考える時間やったり、空白の中で緊張があったり、と、勿論「間延び」してしもたらあきませんけど、そこをコントロールすんのが、上手な講師なんでしょうねえ。
音楽の休符にも、意味があるんですもんねえ。
喋ることばっりちごて、空白の時間を操れる、そんな講師、あこがれるわぁ。