全方向通行止
さあて。もう腹くくるか。
29歳のクソ人間の29年のクズ行動が生んだ産物。
これからあと数年で償却しなきゃな。
俺は努力して金稼いだ事がないから「世の中金じゃない」なんて言いたくねえけど、
俺は金が無くてもある程度平気な人間なんだと思う。
だって恋人や友人を作る楽しみを知らねえんだから。
知らぬが仏とはよく言ったもんだ。
ああ、でも出来るだけ殻に閉じこもっていないように見せなきゃな。
色々面倒なことになるから。とりあえず態度だけは真面目に行こう。
仕事は恐ろしく出来ない人間だけどな。
今の俺は60点程度取っても0点と同等の狼少年なんだ。
そして俺はその評価を真正面で受け止めていかなきゃならねえんだ。
漏れ続けるオイルを塞ぎながら必死で走らなきゃならねえんだ。
クズにはクズに相応しい生き方があるよ。
だがな、それはただのクズのまま生きるって意味じゃねえんだ!!
ひとつ目標が出来た
俺は世の中を総括する仕事をしてるわけじゃねえんだ。
「今の世の中は」「今の人は」
そんな台詞はもう吐かねえぞ。
子供の犯罪が多い? 大人らしい大人などいない? 仕事が無い? 金が無い?
知るかよ!! そんな事より、
母の肩を揉んで、父に酌して、兄に酒を奢って、姪と遊んで、
やるべき仕事をより良くやって、遊ぶだけ遊んで、
人の評価なんてしてる暇があるか!? ねえだろうが俺には!!
聞こえない声 聞かせられない人間
身の回りの色々な事を「断定」したがる性格を見つめ直すようになって、しばらく経つ。
一方、友人達は捨てる物は捨て、判ったものは判ったとして前に進んでいるようだ。
暗闇の中ライトも照らさずに進む事はしんどい。
だから自分で「これはこういう事だ」と道を立てて行けば楽になる。
でも、それは自分が決めた道であって、
他人もそこを歩く必要があるとは限らないんじゃないか。
30そこそこの男が物事を判ったような口を聞いて、
道の真ん中にぽつり咲いている名もない花を踏みしだきながら前に進む。
それは正しい、のかもしれない。
でも、なあ・・・
きっと彼は大成するだろう。
そして、俺の好きな彼はいなくなるだろう。
何故ならそれは俺の勝手な要望だもの。
そして人は変わるものだから。
そして俺はそれを拒絶する人間だから。
消えていい人間
世の中は、なんて言い方は適切じゃないな。
理想だけじゃ生きていけない。
純粋さだけでは苦しいだけ、かもしれない。
純粋じゃない俺にはよく判らんが。
だがなあ、理想と純粋さと無力を認めるところから始める、のが人生じゃないのか。
馴れ合いにならないように無力さを認める、ってラインが大事じゃないのか。
同情や軽蔑とは違う解決策を相手に差し出すのが、愛情じゃないのか。
誰だって出来ない事があるんだよ。誰だって、だ。
相手を見下す事は凄く簡単で、それと愛情を両立出来る人間なんて
殆どいない。難しいから。
口で理想を言って家族に罵倒を浴びせる亭主女房が普通だ。
だからこそ、その細いロープを渡るのに理想が必要なんじゃないのか。
ロープぶった切ってハシゴ掛け直せば楽だろうよ。正直羨ましいと思うよ。
ロープの上で「なんでこんなの渡らなきゃいけないんだ」って言うよりはよほど潔いしな。
だからってロープの上を歩く馬鹿正直な人間を、軽蔑するのか?
俺が生きていく理由を説明するとすれば、
「なんの力も金も無い人間が生きていく信念の証明」だ。
あんたに誰よりも似た俺なんだよ
どっち向いてんの
俺は、ずっと前からよくこう思ってる。
「神様は、常に俺の上手を行ってる」と。
嬉しい事の直後に事故が起き、
楽しい会話をした直後に相手が不機嫌になる出来事があり、
良い結果と悪い結果を予想した直後に予想もしなかった最悪の結果が待ち受ける。
気が付いたら、
楽しい出来事のさなかでも
身体のどこかを構えるようになってしまったよ。
しかも斜めに。