真夜中のタンデムツーリングから
どの位経ってからだったか
もうほとんど曖昧な記憶。
【独りでロンツー?】
この頃親父が単身赴任で盛岡にいた。
週末には帰ってきてたけど
盛岡にアパートを借りていた。
そんな中、おれは一人暮らしの練習と銘打って
夏休みにそのアパートまで
今思えばロングとは言えないけど
ツーリングする事にした。
確か前日までびっちりバイトして
給料日の次の日から休みをもらって
出掛けたような気がする。
当時、ツーリングって言っても
せいぜい隣の県までの日帰り位だったから
着替えを含めた荷物を持ってツーリングなんてしたことがなかった。
夏休みに入る前に友達から
ポーターのデカいリュックを借りていて
それに荷物を詰め込んで
独りで初のロング?ツーリングに出掛けた。
金は無いけど、時間はあった。
高速を使えば、一時間ちょっとで着く。
でも、経費節約で下道を地道に走ることにした。
裏道を通れば信号もなく
かなりのペースで走れたなと今は思うけど
当時のおれはそんな道を知らず
バカ正直に国道4号線を北上するルートを選んだ。
凄く暑かったような気がする。
若いときって、格好にしても
バイクに乗るっていうもんじゃなく
Tシャツにジーンズの軽装。
そういう意味でも、今のおれがバイクで走る事に対する
気構えというか、意気込みというか
そういうもんは全然違うなと感じる。
今はツナギでフル装備だもん(^◇^;)
途中休憩しながら行ったと思うんだけど、その記憶もない。
ただひたすらに、目的地を目指して走った
という記憶しか残ってない。
たかだか三時間ちょいだろうか?
それでもその時間は物凄く長いものに感じた。
独りでツーリングするってのは
こんなにも孤独で、長いもんかと思った。
自由というものは、同時に責任を伴う。
公道で走る以上、その責任ってのは当たり前の事なんだけど
何かを起こしちゃいけない、巻き込まれてもいけない
そんな思いばっかりが頭を埋め尽くして、ただただ、緊張していた。
ようやくの思いで着いて、夕方親父が帰ってくるのを待った。
親父が帰ってきて、ひと通りの部屋の説明を受けて
親父はうちに帰っていった。
さぁ、今夜は一人。
といいつつも、実は友達を呼んでいた。
まぁ寂しくなるのは予想できてたし、保険だったのかもしれない。
その日の夜は、その友だちをタンデムして近所のスーパーまで買い出しに行って
二人で何やら、わからない料理を作り、酒をちょっと飲みながら
レンタルしてきたビデオを見て過ごした。
一本だけ覚えてるのは「シックスセンス」。ほかは忘れた。
滞在は2泊3日の予定で初めの日の夜は終わった。
この文面では、おれにしかわからないであろう
「悲しきASIAN BOY」な夜だった。
2日目、友達が帰っていった。
なんか、その感覚が余計に寂しくて、その日の午後、実は帰路についた。
親には2泊と言ってあるし、なんか帰るのが恥ずかしい気もした。
でもまずは地元を目指して走った。
途中、雷が鳴り始めて、空はみるみるうちに暗くなった。
寂しい気持ちにシンクロしてか、大粒の雨まで降りだした。
コンディションは最悪。
雨の中を走ったことはあったけど、ここまで長い時間雨に打たれながら走ったことは無かった。
帰り道は休憩しない。止まればなんかヘナヘナになってしまいそうで
最後まで走りきった。
ちなみにカッパは持ってなかったので、文字通りのずぶ濡れ。
3時間ちょい走り続けて、濡れて冷えた身体と、寂しい心で
地元のいつもみんなで集まる公園のトイレに避難した。
誰かに会いたかった。
電話したのは夜中にタンデムした友達の家。
まだ帰って来ていなかった。
何時間かトイレの屋根の下で雨宿りをして、友だちが家に帰るのを待った。
独りって自由だけど、独りって、ホントに独りなんだなって思う。
まだまだケツの青いクソガキだったんだなって思う。
また電話して友達が帰ってきたのを確認して、その夜は友達の家に泊まった。
独りで行ったツーリングの話や、親父のアパートで友だちと過ごした話。
寂しくなって、雨に打たれながら、帰ってきた話。
そんな話をきっとしたと思う。
ハッキリとは覚えていないけど。
さぁ、ダラダラと書きました。
ツーリングで大切なもの、それは帰ってくるということです。
ツーリングの先で、どんな思いをしても、その話を聞いてくれる友達や家族。
そんな人のもとへ帰ることが最大の目的なんだなって。
この話を思い出しながら、つくづく思うのでした。