皆さん、こんばんは~。
10/13は忙しい一日でした!
私にとってこの方の公演は特別なもの!
林英哲 10/13サントリーホール「独奏35周年メモリアル・コンサート~明日の太鼓打ちへ~」
待ってました!英哲さん!
ソロになって35周年、太鼓を打ち始めて45年。英哲さんの功績は偉大です。和太鼓を舞台表現として確立した第一人者!独自の奏法を編み出したり、後進の指導にも励んだりと枚挙に暇がありません。津軽三味線の上妻さんは、英哲さんの後姿を見て歩いてきたと、おっしゃってました。色んな方に影響を与え、希望を与えた英哲さん!
もし、外国人に「日本を代表するアーティストは誰?」と言われたら、「林英哲さん!」と迷わず答えます。
それくらい、演奏や表現力はもちろんのこと、舞台演出や生きざまを含め、素晴らしいアーティストです!音楽の枠を超えて真の芸術家!
では、そのコンサートを振り返ってみましょ~♪
ステージは2部構成。
『第一部』
独奏「コーネルの箱」
鳴り物も使った演奏で、どちらかというと西洋っぽい感じ。次がバレエ曲だから、その伏線なのかとも思いました。コートを着ている英哲さんが新鮮。手を時計の針のように指しながら太鼓を打つ。まるでその「時」がくるのを待ち受けているよう。まるで一人芝居!劇のワンシーンのよう。
デュオ「死と乙女」
ピアニストで作曲家の新垣さんが作曲した作品。新垣さんの作品や演奏を聞くのは初めてでした。新垣さん凄い!!!私の勝手な思い込みですが、ボレロが好きなので、英哲さんとデュオでがきるパワーのあるピアニストは山下洋輔さんだけ!と思っていたので、その思いこみを見事にぶち壊されました繊細で狂気なピアノ!どんどん早弾きになっていくのですが、それが正確でまるで映像を早回ししているかのように見えるのです天才
気づけば、この曲の途中から客席で咳する音が聞こえなくなりました。2人の息を飲むような演奏にみんな食い入るように見つめていました。この曲で英哲さんは、手を使って太鼓を打ち、曲に合わせた繊細な音を出し、重く暗いトーンの時は抑えめの音で下にぼわ~んと響くような音を出していました。改めて英哲さんの表現力に感服しました。また、曲に合わせて太鼓を叩く時に手をピラピラさせていて、太鼓を打ちながらもダンサーのようで、新垣さんの演奏をバックに踊るバレリーナのようでした。
英哲さんとバレエ音楽が想像できなかったので、この衝撃は大きかったです。英哲さんマルチプレーヤーもう、太鼓打ちやアーティストの枠をだいぶはみ出してる!ジャンルにとらわれない芸術家だよ~
素敵~それもそのはず、集団で叩いていた時は、バレエも習っていたと聞いたことがあるので、違和感なくすっと入り込めるのだと思いました。いや~本当に凄い芸術家でパイオニア!!!
『第2部』
英哲風雲の会と共演「モノクローム」
まさしく真骨頂。
激しい雨のような太鼓の演奏から始まります。会場中に響き渡って反響して、音の渦になっていました。英哲さんとお弟子さんの息がピッタリというか みんな英哲さんなのかと思うほど寸分の狂いもなくピタッと演奏が止まったり始まったりしていたどんな稽古をしたらあんな風な演奏が出来るのだろう。気配を感じながらしているのか、息を吸うタイミングが同じなのか、完全に同化してる。これが間合いなのか…。
もう、本当に凄い英哲流の真髄を見た気がしました。日本人の「あうんの呼吸」てこういうことだと思いますまた、好きな演目が増えました~
英哲風雲の会と共演「七星」
最高!大太鼓だけの演奏で、振動が体の奥に響く。太鼓のリズムと反響してなんともいえない空間になる。これがたまらんのですよ~。全ての業や穢れを打ち落としてくれるかのような力強さまさしく浄化です私はこの音を聞くためにコンサートに来ています。必ず毎年英哲さんのコンサートに行きたいのです
全ての曲が終わって、掛け声と英哲コールで、スタンディングオーベーションおじさまたちが盛んに声をあげていました。大人の男が熱くなったり堪能できるコンサートなんですよ~。おじさまたちの集団が英哲さんに「ありがとう!」ていってたのが印象深かったです。
アンコールは独奏。静かに太鼓を叩きながら歌い上げていました。お腹の底(丹田)に力が入っていて、低く力強いけど優しい歌声。声がよくとおる。力んでないけどすっと力がはいってるので、聞いていて心地が良いのです。
コンサートに行って思ったのは英哲さんの太鼓は、間合いと打ち出しの音が違うのです。そこが決定的に違います!
終演後にはサイン会がありました。「ずっと現役でいてください」とだけ言えて満足です。優しい英哲さんの笑顔見られて幸せです英哲さん、お疲れなのにありがとうございました
大事な嬉しいお知らせ
英哲さんのご著書が10月下旬に発売です
現在予約受付中です。
タイトルは「明日の太鼓打ちへ 増補新装版」
お気づきでしょうか?今回のコンサートのタイトルにもなっているのです。
あしたの太鼓打ちへ
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会場限定で先行発売していたので、私はこの本にサインしてもらいました。
英哲さんのこれまでの歴史や、表現についての深いお話や、太鼓を叩く上で必要なことなど、音楽に限らず芸術について語られています。それは、芸術方面を目指す方でなくても、音楽が好きな人、舞台芸術が好きな人が読んでも、なるほど!と思う部分がたくさんあります。私はちょこちょこコンサートや舞台を見に行きますが、自分の中で上手く感想が伝えられない部分をこの本で納得したり腑に落ちた部分がたくさんありました。また表現者がどのように考えているかなど知ることができてとても有意義でした!英哲さんはいろんな芸事を習ったり、郷土芸能に触れられているので、芸術の深い所が分かり、それを上手く説明できるのだと思います。
ますます英哲さんが好きになってしまう1冊です
それでは、最後に会場の入り口写真です。
あまり綺麗に撮れてなくてすみません・・・