7・18後楽園、富施vs増田Ⅱ観戦記 | リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

マニアの隠れ家を目指します。
中津の生渇きの臭い人はお断り。

𝐊𝐚𝐝𝐨𝐞𝐛𝐢 𝐁𝐨𝐱𝐢𝐧𝐠 𝐆𝐲𝐦. 角海老宝石ボクシングジム ...

真夏の暑い中、行ってきました後楽園。

高山涼深の欠場でタイトルマッチが一つ流れたのは残念でしたが、バルコニーが西側だけでも復活してたのでヨシとするか。

当日券4400円があるのも有難い。今は最低でも6000円という興行が当たり前になってるのでね。

2020年2月27日以来のバルコニー。あのときのメインは長浜陸vsクドゥラ金子だった。コロナ禍があの後に始まって大変だったけど、戻ってきたなあと実感。(実はもっと前からバルコニーを解放した興行もあるのだけど、自分が来場した興行では今回が初になります。)

さて、試合をば。タイトル戦が一つ飛んでも7試合あります。

 

1.東日本新人王予選Sバンタム級4回戦

※阿部一力(大橋)vs八谷洋平(RK蒲田)

右の阿部に対して左の八谷。阿部が1Rから好調に試合を組み立ててた矢先に2R、八谷が左ストレートでダウン奪取。

リングサイド最前列で笑みを浮かべながらも目が笑ってない様に見える大橋会長にプレッシャーを感じたのか、阿部も奮闘。

着実に3,4Rを獲って3-0判定勝ち。

阿部は3戦2勝(1KO)1敗。八谷は4戦2勝(1KO)2敗。

 

2.東日本新人王予選フェザー級4回戦

※山川健太(大橋)vs北本慶伍(三迫)

北本、でかいなというのが第一印象。そして試合は豪快。

山川を飲み込む様な北本のパワフルな豪打が冴える。右のストレートが結構、いいアングルで決まり早くもダメージは明白。

2R、北本が左からつないでの右ストレートでダウン奪取。起き上がったものの暴風雨の様な連打でレフェリーストップ。タイムは2R1:55、北本TKO勝ち。

北本は2戦2勝(2KO)、山川は6戦4勝(3KO)2敗。

大橋会長、苦笑してたが目は笑ってない様に見える。

 

3.東日本新人王予選ライト級4回戦

※山口聖矢(大橋)vs本多俊介(E&Jカシアス)

MONSTERの親友にして元Jリーガーの山口だが、長身の本多のジャブに入って来れず攻めあぐねる。それでも内懐へ入って左右フックを振るう。2Rまではやや本多優勢。

3R、本多が右ストレートを打ち下ろすと山口が痛烈なダウン。

ここは立ち上がったものの、本多が連打をまとめていく。ここでストップがかかってもおかしくない位だった。

しかし、山口がこの後、左フックでダウンを奪い返す。フラフラな本多が辛うじてゴングに助けられるものの、場内、逆転への期待も膨らむ。

4Rはそれでも本多が山口を攻め立てて終了。判定は2-0で本多。う~ん・・・ここまで一番場内沸かせた試合だが、レフェリングがどうしたものかという感想が先だった。

本多は5戦5勝(2KO)、山口は3戦2勝(1KO)1敗。

 

4.日本ユース・Sバンタム級王座決定戦

※金城隼平(REBOOT)vs平井乃智(石田)

右の平井に左の金城。

金城がリードの右手を前に出して距離を測りながら左を振っていくというスタイルで序盤からペースを掴む。

3R、金城が後半に右フックでダウン奪取。その後も試合のペースを譲らずにラウンドを重ねていく。

7R、金城の連打に平井がダウン寸前。ここはストップかなぁと思ったが、そのまま続行でゴングに逃げ切った平井。

そして8R、金城がやはりコツコツとパンチを当てていき、ラウンド終了間際でダウン奪取。レフェリーがそのままストップ。

金城が最終8R2:56TKO勝ちで王座獲得。

新王者の金城は3勝(2KO)、平井は13戦8勝(1KO)5敗。

ちょっと最後は倒れる前にストップで良かったのではないかなあ。概してこの日のレフェリングはあまり良くないという感想。

 

5.アジア最強ライト級トーナメント準決勝8回戦

※齊藤陽二(角海老宝石)vsウー・ユンハン(中国)

序盤から近い距離で打ち合う両者。ウーが手数で上回るも、一発のインパクトは齊藤。ボディが決まる度に場内どよめく。

2Rに早くもウーがボディを打たれるのを嫌がる仕草を見せる。

3Rにはウーが足を使って回り込みながらサイドからパンチを打つが齊藤は構わずボディ一択。

そして4R、終了間際に齊藤の物凄いボディが炸裂してウーがしゃがみこむ様にダウン。そして悶絶。10カウント。

4R3:07で齊藤のKO勝ち。

決勝に駒を進めた齊藤は13戦8勝(8KO)3敗2分。

ウーは6戦4勝(1KO)2敗。

 

6.アジア最強ライト級トーナメント準決勝8回戦

※今永虎雅(大橋)vsマービン・エスクエルド(比国)

先日のダイナミックで帝拳ホープの金子が伏兵のフィリピン人に1RでKO負けしたこともあり、不安が払拭出来なかったが杞憂に終わった。

1Rから金子の動きが切れてる。横へ回り込むステップ、上下の打ち分けの見事さに場内感嘆。

エスクエルドも尾川と判定まで粘った選手なので金子も苦戦するかと思われたが、試合は早くも一方的になる。初回終了間際に右フック、左ストレートが炸裂してエスクエルドがグラつく。

2R、身体ごと突っ込んできたエスクエルドにボディを合わせるがタイミングがずれて背中の辺りに命中。キドニーブロー?と思ったが、ダウン宣告。起き上がったところにボディを決めてダウンを追加して試合終了。

見事な勝利だが、1度目のダウンの裁定は・・・う~ん・・・

抗議が無かったからいいのか?なんだかな。

金子は6戦6勝(5KO)、エスクエルドは22戦17勝(11KO)4敗1分。

 

7.日本バンタム級選手権10回戦

※富施郁哉(ワタナベ)vs増田陸(帝拳)

高山の防衛線が中止になったので単独の日本タイトル戦がメイン・イベント。両者サウスポー同士。

増田の左の強打に臆せずに富施が積極的に出ていく。打ち下ろしの左を食らいつつもワンツーで応戦。終了間際に富施の左が好打した様に見えたがペースは増田に傾く。

2R以降は富施が圧力を強めていく。左をねじ込み、右フック。

増田はちょっとディフェンスが良くない様に見える。ここらへんはやや富施が有利か。

3R,富施のパンチで増田が右目上から出血。富施が明確に試合を創りつつあったが、4R、富施の連打に下がりながら増田が右フックを叩き込みダウン奪取。

起き上がった富施だが、レフェリーが顔を覗き込んで試合を止めた。やや早めのストップと見る向きもあったが、試合後の富施の記憶は途絶えていたらしい。何かとこの日のレフェリングには不満があったが、最後の最後で良い裁定を下してくれた。

4R2:21、増田のTKO勝ち。

日本王座を獲得した増田は6戦5勝(5KO)1敗。

初防衛に失敗した富施は18戦14勝(3KO)4敗。

 

増田はバンタム級ウォーズに介入しても良いかもですが、堤に一度負けてるのでまずは日本王座の防衛線で実績を創って欲しいですね。この階級は他にも同門の那須川もいますし、凄い階級になってきたものです。

試合終了は20:45。しかもこの日はドームで野球もライブも無し!試合後は途中からホールに駆け付けた太陽と海さん、達人先生とその知人お二方を交えて会食。いろんな話が聞けて面白かったです。やはり21時前終了が理想だよなあ。