先日行われた七夕決戦。井岡一翔vsフェルナンド・マルティネスはいろいろ考えさせられる試合だった。
試合の予想としてはマルティネスがプレッシャーをかけながら前進して左右フックを振り回し、井岡が左ジャブで止めつつ、細かなステップでいなしてポイントをピックアップし判定勝ち・・・
と予想してたのだが、結果は外れてしまった。
井岡は基本、アウト・ボクサーではあるのだが、結構自分から距離を詰めてのインファイトに活路を見出す試合もあり、接近戦も上手い印象がある。例えばシントロン戦であり、パリクテ戦であり。ただ、本格的なゴリ押しをされるとペースをなかなか握れなかったりする。これはフランコ1とかかな。
マルティネスは過去の相手の中でも一番の圧力を持ったファイターだが、それでもフランコとの2戦を経験した井岡が捌くのではないかと思ってた。
誤算としては
①思ったよりボディが奏功してないこと
序盤からボディを好打して一瞬、マルティネスの動きがあからさまに落ちたので後半効いてくるのかと思ってたが、あまりに早い段階から綺麗に決まったので、警戒されて後半には上手く対処されてしまった気がする。ここはマルティネスの対応を称賛すべきだろうか。
フライ級までならレベコ2みたいにある程度、短いラウンドで効かせる即効性もあったがSフライで格別のフィジカルを持つマルティネスが相手だったから本格的に効く前に対処されてしまったのかなあ。
②顔を跳ね上げられるシーンが多かったこと
実際は井岡の芯を外したであろう受け方が上手かったので、思ったほどダメージは無かっただろうがジャッジの印象はやはり良く無かった様に思う。時に攻勢を取っても結構、これで相殺された様な気がする。
あとは左ジャブでマルティネスを止めきれなかったとか、後半に足を使うのはマルティネスだったりするのでこれも意外だったと言いますか。
今後、井岡はどうするのか。バンタムで5階級制覇を狙うみたいな展望記事もありますが、ミニマムから上げてきてSフライでは水増し感もあるのでバンタムでは今以上に苦戦を強いられる気がする。
Sフライでマルティネスに再戦を挑むのが現実的な気がする。
WBOの田中恒成に挑もうと思えば、田中陣営も再戦を望んでるので二つ返事でまとまりそうな気がしないでもないが、以前にこの階級で完勝してる井岡が納得しそうな選択肢では無い気がする。このまま引退の可能性もあるだろうが、とりあえずは身体を休めてからにして欲しい。