堤駿斗とアンセルモ・モレノの1戦は体重超過特有の後味の悪さを残した試合でした。
プロでの5戦のうち、2戦をやらかしてしまったことに関しては堤に弁明の余地は無いだろう。しかし、事は本人だけの問題だろうか?
階級は適正階級なのか?・減量の計画は妥当だったのだろうか?
疑問は残る。そしてトレーナーやジムも含めたメインイベンターの体調管理という点においても問題があるのではないか。
水抜きや短期で体重を落とすことに関しての是非は問わない。
プロは結果で観られるので、減量の過程や方法はファンには関係無い。落とせたかどうかだけだろう。
水抜きをやるのなら失敗しない方法を本人も周囲も研究し尽くしてからすべきだし、それが出来なければ別の方法ですべきだろう。結果論だが、木村や大湾も減量に失敗していることを考えるとジム自体が水抜き減量に関しての認識が甘いとしか言いようがない。そして、成功率が100%でない減量方法はやるべきではない。
練習中の不慮の怪我や急病による欠場はあるかもしれないが、減量に失敗して試合を流す、または今回みたいにある意味、試合を壊すのはチケットを買ってくれた方や、その試合をまとめるために尽力してくれた有形無形の方々に関して失礼だ。
そして、ボクシングは個人競技であるが広義ではトレーナーやジムも含めたチーム戦でもある。今回の件は堤個人だけでなくジム側で真剣に考えて次に生かすしか名誉を回復する術は無いだろう。