ルイス・ネリという踏み絵 | リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

マニアの隠れ家を目指します。
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井上尚弥の次戦がルイス・ネリになるみたいですね。

WBCが指名戦の指令を出しても過去の経緯からどうするのだろうと思ってたのですが、興行優先の判断が下されたのは競技性から考えると残念です。

ただ、いつの世も世間が求めるのは勧善懲悪かも知れません。

例えば、かっての大相撲でも朝青龍に対する善玉の白鳳。

ボクシングにおいても亀田兄弟に対する内藤大助という構図が反響を呼びました。事の良し悪しはともかく、わかりやすい対立は細々としたドラマでなく単純明確な善悪の対決という構図です。

そういえば問題の山中とネリの2戦目もそんな構図だったから両国国技館が当日券無しの札止め完売になった経緯があります。

 

 

やればビッグ・ビジネスになるだろう。

MONSTERのネリ退治はアフマダリエフやグッドマン相手よりも世間の耳目を引くことは明らかだし、大橋陣営がやりたがるのはわかる。ただ残念なのはかって被害を受けた帝拳側でも次戦がネリしかいないみたいな雰囲気を出していて、この流れに意見しようという人が一人もいないことだ。

エキサイトマッチにおける浜田さんや西岡氏をしても次はネリしかいない・・・期待感を煽る感じなのはちょっと残念というか。

おそらく井上はネリを完膚なきまでに叩き潰すだろう。

体重超過とドーピング陽性のリスクは若干付きまとうが、山中戦とは桁違いの注目を集める事になるのでJBCも主催者も五輪レベルの抜き打ちチェックをしてくるだろうし、そうなればバンタムですら凡庸だったネリでは勝敗自体の興味が薄れる様に思う。

興行としては大きなものになるが、競技としてはどうなのかという疑念はついて回る。ボクサーのランクや能力で観た場合にネリはアフマダリエフやましてカシメロよりも先に挑ませる資格がある選手ではないからだ。

先日、井上vsタパレスを一緒に観に行ったボクシング観戦初めての知人はネリだったら是非観に行きたいとは言ってたので世間の感想はそんなものかもしれない。

井上が本当に戦うべき相手はまだまだ他にいると思うのだが。

※亀3とやるよりはマシだと思ってます。