追悼・熊殺し | リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

マニアの隠れ家を目指します。
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ウィリー・ウィリアムスが亡くなりました。

「地上最強のカラテ2」や「格闘技世界一、四角いジャングル」等にモロに影響を受けた我々世代にとって忘れられないインパクトを与えてくれた空手家です。

 

 

また、90年代に現役だった佐竹雅明や前田日明といった世代は直接ウィリーと同じリングに立てる事を誇りに思い、故・橋本真也もウィリーに対する熱い想いを語ってました。

いわゆる空手バカ一代世代にとって最強の称号は極真カラテであり、大山総裁や芦原英幸といった伝説の空手家でした。しかし、その後の世代の極真最強論者たちにとってはウィリー・ウィリアムスこそ強さの象徴でした。私はプロレス・ファンが先に立ってたので猪木vsウィリーのときは猪木派でしたが、同じクラスの極真信者とよく口論になってたものです。

 

 

 

そして大山総裁や芦原氏は現役でなく、その全盛の試合は見る術も無いですが、ウィリーは映像で試合が観れた、この説得力は大きい。

今思えば、体格差のある相手を圧倒する試合も多かったものの、そこから醸し出す迫力、殺気は本物でした。

リングスに晩年参加したときは膝蹴り以外の足技は何か身体も堅くて辛そうに見えたが、このときは20代だった事もあり、上段廻し蹴りもしなやかでしたよ。そして佐藤俊和を正拳で圧倒した試合は圧巻。

三瓶戦での仕組まれた反則負け、そして猪木戦。

この2試合の内幕は既に有名ですが、一歩間違えれば確実にどちらかの団体が潰れかねない状態で薄皮一枚の信頼で試合を成立させることの緊張感は単なるワークの一言では片づけられないでしょう。

 

 

 

そして91年の正道vsUSA大山の5対5決戦での佐竹戦、リングス参戦はレジェンドとしての姿を見せてくれた。大山総裁はこの時期のウィリーを酷評してたが、それでも伝説の一端に触れられたのは希少でした。

木彫り職人として落ち着いた晩年を送ってたウィリー。

今はただ、ご冥福を祈るのみです。合掌。