平直行の著書「UWF外伝」を読んでます。
当時のファンが抱いていた期待と複雑な思いを吐露してくれてます。
プロレスと格闘技、興行と競技、理想と現実、真剣勝負への道程。
皆がそれぞれの立場で一生懸命に道を作ってたあの時代への思いが懐かしく蘇ってきます。
平に影響を与えた3人の巨匠こそがこの時代の創造主とも言えます。
・佐山聡
・前田日明
・シーザー武士
彼らのやってきた事柄が現代の視点で振り返ってみて間違ってることもあるかもしれませんが、それを単純に断罪することには嫌悪感を感じます。それは歴史が証明した答えをカンニングすることにしか過ぎないし、あの時代の空気というか状況を追体験しないことには、ライターとして語って欲しくないとすら思います。
そして歴史にはいくつかのIFがつきます。
曰く平が
・もし佐山のもとでプロ・シューティング旗上げに参加してたら
・もし前田のもとでUWF入りしてたら
・もしシーザーのもとでSBのみというか立ち技主体で続けてたら
この様な疑問を抱くのは平自身が持ってたポテンシャルからすると、試合をやりきってない、もっと試合を出来たのではないかと思うからです。勿論、格闘技もプロレスも経験し、SB以外にもK1やフルコンの試合等も参加したので十分過ぎるとも思えますが、怪我が無ければもっといろいろな試合を見せてくれたのではないでしょうか。
リングスだけでも当時のジャパン勢やピータース、レンティング等のオランダ軍団とのガチンコ・マッチ、西や角田などとの彷徨える格闘家対決等、観たいカードがたくさんあったのに。
また、体重が比較的近いであろうパンクラスや自身が求めたVTという意味ではUFCにおけるホイスなどのグレイシー系との対戦にも興味が湧きます。
そういう点からすると選手としてやり残したこと、もっとやって欲しかったことはまだまだあったので悔恨が残ります。
とはいえ、すべての始まりともいえる無限大記念日を観たことが後の平に大きな影響を与え、それが日本の総合黎明期に大きな影響を与えたことも事実。そして、そのダイナミズムをファンとして同時体験できたことは自分の中でも大きな財産になっています。