追悼:堀辺正史~喧嘩芸よ、永遠に~ | リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

マニアの隠れ家を目指します。
中津の生渇きの臭い人はお断り。



骨法の創始者であり、日本のプロレス、格闘技界と深い関わりを持っていた堀辺正史師範が去年の12月にお亡くなりになられていたそうです。その風貌と実際の公式試合経験皆無である点から胡散臭さ全開でしたが、船木誠勝や獣神サンダー・ライガーなどのプロレスラーも技術を学びに通っていたところを見ると、一派を率いる実力はあったのでしょう。(実戦を観てないので本当のところは何とも言えない)
かってはザ・グレート・カブキにトラース・キックを伝授したのが世に出たキッカケでした。そして、レオン・スピンクスとの格闘技戦を控えた猪木に浴びせ蹴りや逆回し蹴りなどを教え、そのときの猪木の付け人をしてた船木が通い出し、後に新生UWFで顔面への手技=掌打を出してセンセーションを呼び起こしました。
船木に刺激されてか、ライガーも通い出し、イザというときに取りだすナイフと例えて骨法を熱心に学んでいきます。ちなみに以前、この時期の骨法を学んでた人からお話を伺ったのですが・・・

①ライガーは凄く打たれ強くタフ。骨法の技術自体は船木が上だが、ガチでやったらわからない。
※89年頃なのでUWF信者だった自分はそんなことないだろー、船木の方が全然強いだろーと思って聞いてましたが。
②堀辺氏の実力に関しては、まぁ、強いとは言ってました。ただ印象的なのは腕力が強かったらしく、プロレスラーにも腕相撲では負けないだろうとのこと。(推定)

いずれも伝聞ではありますが、ネットが無い時代は現場の人間の声や噂に頼らざるを得ないんですよね、しかし、そういう間接的な情報を租借して遊ぶのが、またこの時代のファンの楽しみ方であったといいますか。
骨法自体も格闘技界の流行を敏感に取り入れて、その姿を変えて行きました。

①立ち関節と掌打中心の時代(コマンド・サンボの影響?)


②ヴァーリ・トゥードに影響され、何でもアリを掲げるも・・・


そして、映像は見つかりませんでしたが、ボクシング・グローブを付けてのグランド・パンチ有りというジャパニーズ・ボクシング(通称ジャパ・ボク)→武器術・護身術へとその方向性は変わっていきました。
虚実ないまぜ、清濁併せ飲むのが昭和のプロレス・ファン、格闘技ファンの嗜みでもありました。大山総裁や塩田剛三、澤井健一などは時代的に競技大会や試合等の実力を証明出来る場が無い時代で力を認めさせてきました。その真の実力は先人以上にヴェールに包まれたままですが、そういう想像力を喚起させるという意味では堀辺氏もある意味、プロレスラー的な格闘家と言えたのかも知れません。