井上尚弥の3戦目が決定しました。3戦目で日本1位の佐野友樹(松田)が相手です。
2011年8月に黒田が保持していた日本ライトフライ級王座へ挑み1-2で惜敗した選手です。私はこの試合を生観戦して1~2差で黒田かなと思いましたが、会場では逆の見方の方も多くて、佐野の手数とスピードにポイントを与えた方も多かったみたいです。アマ出身の経歴を持つ好選手ですし、OPBF王者の小野心と対戦するよりも今の井上の国内での立ち位置が明確になるカードだと思います。それにしても佐野は良く対戦を受けてくれましたね。ビッグネームの井上が相手とはいえプロ3戦目のルーキー相手ですから(しかも並はずれたルーキー)リスクも大きいはずです。
内藤律樹やデビュー間も無い頃の岩佐亮介みたいに同程度のキャリアを持つ相手から徹底して敬遠されるケースもあります。井上もしばらくはその轍を踏むことになるのかなと1月の試合の相手がタイ人だったこともあり、ちょっと不安というか、期待をしてなかったのですが、これはサプライズです。佐野に勝てれば日本や東洋に挑む資格は十分過ぎるのではないかと思いますし、佐野が勝てばウィナー・テイク・オールで井上の知名度ごと持って行ってしまってもいいのではないでしょうか?
この手の試合としては
①5戦目の名城信男vs本田秀伸
②2戦目の井岡一翔vs松本博志
③3戦目の井岡一翔vs国重 隆
④3戦目の戸部洋平vs河野公平
などなどです。①はカマセで用意した名城にムニョス戦からの再起戦を飾る予定だった本田が食われてしまったという番狂わせですが、他は主催者が飛び級の意図を持って組んだ試合。こういう試合は組む方も受ける方もリスクが高いものですが、そういうパイの取り合いこそがボクシングの本質だと思います。井上の出世試合となるか?それとも佐野がアップセットを飾ったこととして伝説になるか?両者の真価が問われます。