村田への期待と不安(主に期待) | リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

マニアの隠れ家を目指します。
中津の生渇きの臭い人はお断り。

前回のエントリでは本来、ボクシング・ファンが喜ぶビッグ・ニュースであるにも関わらず、周囲の動向や思惑に飲みこまれる危惧もあるので先に不安点を書き出しておきました。とはいえ、久々に国内における(プロでは)明るい知らせであることは間違いありません。
村田が金メダルを獲得した追い風になったのは、ポイントの基準が従来のタッチ&ランからダメージ重視に変わったことが大きいわけですが、このスタイルで結果を出したということは、ある意味、村田はプロにアジャスト出来るスタイルであるとも言えます。
内懐へ潜り込んでボディを叩くという戦略はわずか3Rしかないアマで効かせるには相当の威力が無いと難しいと思いますが、逆にプロの長いラウンドでは十分に効果を発揮しそうです。勿論、村田自身にプロ用のスタミナ(長いラウンドを単一の相手と戦う)が必要になりますが。また、五輪でこのスタイルを完遂したということは外人に対して当たり負けしない体乾の強さ、フィジカルの強靭さを感じさせます。ミドルでいうと石田はアウト・ボクシング、淵上は変則で対抗してますから、世界で体力負けや当たり負けしないスタイルで勝てれば爽快です。
国内では選手層が薄い階級ですが、それでも下記の選手を破ってからでないと世界云々は言えませんので段階はキッチリ踏んだうえで、ステージを上げてもらいたいですね。

・石田順裕(フリー)
・淵上 誠(八王子中屋)
・湯場忠志(都城レオ)
・佐々木佐之介(ワタナベ)

ゴロフキンやマルチネス、ピログなど化け物があっちこっちにいる階級です。少なくとも国内で無敵レベルを証明してからでないと潰されてしまうのは村田自身が(マニアであるだけに)一番わかってるかと思います。バラエティなどに出るのは引退してからでも出来ること。軽量級でなく、まだ「世界」の重みがある伝統の階級「ミドル」でスーパースターになれる可能性をビンビンに感じるからこそ村田には「国内どまりの有名人」レベルにとどまって欲しくありません。
ダイヤの原石をただの石ころにしてしまうのか、見事にカッティングして何億もの価値を持つ宝石に仕上げるのか?フジテレビの責任は大きいと思います。