リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

マニアの隠れ家を目指します。
中津の生渇きの臭い人はお断り。

2024/8/13(火)】ダイヤモンドグローブ 大橋VS川浦 - Bチケット

 

酷暑の中、行ってまいりました。

前日、大橋が1回目の計量で300gオーバーと聞いたときはちょっと躊躇しましたが、無事に再計量でクリアしたので予定通り観に行くことにしました。クリアして良かったよ・・・

この日は当日券で最安値の6000円を購入。バルコニーは解放されなかったものの、比較的観やすい北側だったのでいいか。

ベンチ席は長時間興行になると尻が痛くなるんだよな。だから本当は立って観る方が有難いのだけど。

南側はやや空席あるが、他の北と東西は結構入った。ただ普通に知り合いの試合が終わると席を立つ人も多かったりするのはいつもの風景。

さて、試合をば。

 

1.ライト級4回戦

※松村虎太朗(横田スポーツ)vs保木井樹(船橋ドラゴン)

左の松村に右の保木井、互いに手数とスタミナで削り合う展開。

最近は4回戦でもアマ出身者が多いので洗練された試合が多いが叩き上げ感のある試合というか。

徐々に松村のパンチが当たりだして、4Rに保木井がグラつくとそのままストップ。松村がTKO勝ち。

松村は5戦2勝(1KO)3敗、保木井は2戦1勝(1KO)1敗

 

2.東日本新人王予選:Sフェザー級4回戦

※池崎創哉(三迫)vs萩原一輝(DANGAN越谷)

これも左の池崎に右の萩原という組み合わせ。

池崎が序盤からペースを掴む。前足の外側を取るポジション争いでも池崎が優位に立つ。萩原も時に接近して思い切ったフックを振るっていくがほとんどはブロックされてしまう。

4R、池崎の左フックに萩原がコーナーへしゃがみ込む様なダウン。そのまま10カウントでも起き上がれず試合終了。

池崎、4RKO勝ち。

池崎は6戦5勝(4KO)1敗、萩原は6戦3勝(3KO)3敗

 

3.ウエルター級8回戦

※小畑武尊(ダッシュ東保)vs平安山太樹(オキナワ)

元日本ウエルター級暫定王者の小畑が登場。

1Rから淡々とリズムを刻んでた小畑が合わせる様な左を決めて先制のダウン奪取。早くもペースを掴んだか。

2R以降は小畑は攻め急ぎせずに中央でプレッシャーをかけながらロープ、コーナー伝いに平安山を追い回す。

小畑は手数が少ない・・・というよりも慎重で大事に打ってる感じ、一方の平安山は右ボディ等を力を込めて放っていくが狙いすぎで単発の印象。振り分けるなら小畑というラウンドが続く。

7R、やや小畑の圧力が弱まってきた。コーナー際の攻防で平安山の左フックが炸裂して腰が砕ける。必死にクリンチで逃げる小畑。平安山も攻め急いでしまったがここは押さえたか。

8Rも平安山が動きの落ちた小畑に左右フックを決めて優位に立ち、最終2Rを押さえた形で試合終了。

ただ、1~6Rは基本、小畑が取ってたと思うので判定は固いと思ったが、意外にも一人は平安山。残り2人が小畑に入れてたので2-1の判定で小畑勝利。1年ぶりの試合を勝利で飾った。

小畑は21戦14勝(6KO)6敗1分。

平安山は12戦7勝(5KO)5敗。

 

4.ライト級8回戦

※冨岡樹(角海老宝石)vs保坂剛(三迫)

これは好カード。休憩が無かったのでトイレに行った帰りに冨岡の入場に遭遇。テレビ・クルーの指示に従い邪魔にならない様に待機してると、気合満点の冨岡と角海老セコンド陣が前を通っていく。なんかいいですね。

席に戻ってゴング。序盤は保坂が両手のガードを下げた冨岡にサウスポースタンスからの右ジャブを飛ばす。

前半は保坂が圧力をかけていき、試合を優勢に進めていく。

3R後半あたりから冨岡にエンジンがかかり出す。

脚とボディワークで保坂を空転させて右のショートを小気味よく当てていく。5Rにはボディも好打。

保坂も粘りを見せるが、冨岡が正確さで優るか。

一気に突っ走って試合終了。冨岡が勝ったと思ったが、判定は意外にも0-0で引き分け。前半を保坂、後半を冨岡で分け合った感じなのかなあ。

冨岡は18戦10勝(4KO)6敗2分。

保坂は11戦7勝(5KO)3敗1分。

 

5.ウエルター級8回戦

※磯谷大心(輪島功一スポーツ)vs西川宏二郎(横田スポーツ)

輪島の孫、磯谷がセミ。輪島会長が通路で椅子に座ってると連れのマニアがいつの間にかツーショットを撮ってもらって帰ってきました。動きが早え。

試合の方は前傾で顔面をガードでガッチリ固める西川に対し、磯谷が左手をつっかえ棒の様に伸ばして押しながら、パンチを打ち込んでいく。磯谷のパンチでなく突き押しで大きく後方へよろけて崩れる西川。結構、目に余ったしこれって反則じゃね?

3Rには動きが落ちてきた磯谷の隙を狙って西川がボディや左右フックで攻め入る様になっていく。

互いにスタミナが切れたのか、もつれる展開も多くなりドロドロの展開で終了。手数もあった磯谷が3-0判定勝ち。

磯谷は10戦7勝(5KO)3敗、西川は14戦6勝(2KO)7敗1分。

正直、冨岡vs保坂の方がセミで良かったのではないか。

 

6.WBO-AP・Sフライ級選手権12回戦

※大橋哲朗(真正)vs川浦龍生(三迫)

そしてメインですが、これは激闘でした。

サウスポー通しで互いに右の突き合いで開始。お互いにキレキレだがやや川浦優勢か。

試合が動き出したのは3Rから。川浦の左ストレート、右フックのコンビが冴える。ちょっとグラついたところを猛然と攻め込む川浦。これを耐え抜いたものの、勝負は時間の問題かと思ったが、4R以降は大橋が反撃に転じる。

強引に前に出て接近戦からのボディを集めていく。川浦も時には打ち返すが、意に介さずに前進して攻め返す大橋。こういう展開が8Rまで続く。9R、川浦が左を打つと大橋が前の回よりもダメージを見せる様になる。それでも10Rも打ち合いに応じる。

このラウンド終了時に某Xの観戦者の方によるとコーナーに戻り大橋が千鳥足だったらしい。

だから11Rは力感も無かったのか。川浦のワンツーでよろめくところでレフェリーが抱きかかえて試合終了。最初は唐突にも思えたが、既に意識を失ってたみたいで試合後の真正側の大わらわとした対応を観るとあのストップは妥当・・・というか遅かったくらいという意見もあった。

穴口の件もあったので心配だったが、とりあえず大橋は自分で立ち上がり、川浦と健闘を讃え合ってたので一安心。その後、大事を取って担架で運ばれていきました。

新王者の川浦は14戦12勝(8KO)2敗。

初防衛に失敗した大橋は17戦12勝(3KO)4敗1分。

 

終了時間は21時30分位。仕方ないかも知れないが21時を過ぎるとメインの試合の途中でも帰路につく人も多かった。今日は進行も滞りなく、無駄な休憩やセレモニーも無かったので試合数やラウンドの問題になるのかな。

最後まで足を立たせないで観客を夢中にさせるのは後楽園規模では何とか出来ないものだろうか。

 

 

 

 

巷では最悪の五輪とも言われてるみたいですが、自分は結構楽しめてます。五輪はやはりテレビで観るものですね。地上波でなくNHKオンリーですが。

現在、メダルを量産し続けて、かっての王国復活を彷彿させるレスリングは男女フリー、グレコ問わず面白いし、柔道も文句なく楽しませてもらいました。女子48Kgs級の金メダリストの角田直美の柔術っぽい寝技とか巴投げを必殺技に昇華したスタイルは最高でした。阿部詩の号泣、兄一二三の金メダル獲得のドラマや男子81Kgs級で金メダル獲得した永瀬の快挙はプロボクシングで言えばウェルター級での世界奪取に匹敵する快挙です。

レスリングではグレコ60kgsの文田や77Kgsの日下のダイナミックな試合ぶり、女子では藤波の安定感は言わずもがな、62Kgs級の元木咲良の準決勝での大逆転(2-7から残り1分ちょっとのところで反り投げで4ポイント返してそのままフォール勝ち)はなかなか他の格闘技やボクシングでも見られないものでした。例えるなら力石vsマグネッシみたいな感じかな。

また柔道のリネールやグレコで五輪五連覇達成したロペスなどを初め、超一級品のレジェンド外国人選手の試合も堪能させてもらいました。

 

 

残念ながら我がボクシングは放送の尺もほとんど取れずにTverによる配信頼み。セオンや原口が早々に敗退してしまったのは残念でしたが、もう少し本放送で外人選手も追ってみたかったですね。注目されるのは例の女子の性別騒動のみというのも寂しい限りです。

原口はともかく、岡澤セオンはアマ仕様に特化したスタイルだと思ってましたが今回は上手くハマらなかった様にも思います。

出入りとハンドスピードを重視した所謂、ヒット&アウェイというか悪く言えば当て逃げの試合でポイントに反映されなかったというか・・・

採点傾向も専門家の意見を伺いつつ、リアルタイムで検証してみたかったですね。

パリ五輪がたけなわです。

東京での開催はコロナの影響もあったりしましたが、いろいろと中抜き目当てなのか余計なことで関わる人達が多くて、またIOCの守銭奴ぶりも目の辺りにして素直に楽しめませんでしたが、単純にテレビやPCの画面の中だけで十分に堪能出来てます。

まあ生観戦したい人は普通に現地に行きますしね。

さて、注目度からすると柔道なのですが、前回の東京が出来すぎということもあって、今回は苦戦を強いられてます。

そして今回、その不振から柔道からJUDOになったから勝てなくなった論や武道からスポーツになったからダメになった諭を語る方も出てきました。

これはボクシングでいうと拳闘がボクシングになってダメになったという意見に近いんですかね。確か、「狂気に生き」の中の西出兵一氏の言葉で出てきたのかな・・・

戦前のピストン堀口に代表される打ちてしやまんの試合スタイル、相手の攻撃に対して攻撃で対抗して後ろへ下がらないことが尊ばれた時代。拳闘は気力・体力・精神力の戦いでした。

しかし戦後の白井義男とカーン博士の持ち込んだ科学的なスタイルによって拳闘はボクシングに進化しました。

打ちつ打たれつから打たせずに打つへ。防御や技巧の進化。

結果、戦後に白井義男から数えて武居由樹で男子世界王者を100人輩出するまでになりました。

 

柔道が勝てなくなったのは日本が弱くなったからでも、ルールの影響でもないです。世界に広がったので単純に周囲のレベルが上がったからに過ぎません。

武道などは「道」なので個人がその心の奥底にしまっておけばいい。選手や指導者が負けた言い訳に武道でなくなったからとか、JUDOになったからということを言ってないわけで。

日本のボクシングも拳闘という概念はとっくの昔に捨て去りましたが、それでも井上尚弥という怪物を生み出しましたよ。

日本の柔道も国際スポーツですが何人も怪物を生み出してますので今のまま突き詰めていけばいいと思います。

 

武居由樹の世界王座獲得、何かと話題を振りまきつつも確実な進化が見える那須川天心、日本王座を視野に入れた左右田基光などキック畑転向組の活躍が著しい。

一昔前まではボクシングとキックは互換性がよろしくなく、期待して転向しても互いに実績を残すことが出来ませんでした。

国際式からキックに転向した西城正三と金沢和良。

キックから国際式に転向した島三男と土屋ジョー。

K1に転向した大東旭も渡邊一久も思った通りの結果は出せませんでした。鈴木悟みたいに執念でSBの日本王座を奪取した例もありましたが・・・

さて、近年、キックからの転向組としては土屋修平が日本王座、藤本京太郎が東洋の王座を獲得したのが記憶に新しいですが、先日は武居由樹が世界王座までたどり着きました。

しかも、デビュー10戦かからず、しかも決定戦などに頼らずの堂々の戴冠です。

那須川天心も4戦で世界ランカー撃破、試合ごとに課題を捻りだしてそれをクリアしていくなど目に見えて進化の速度が速い。

デビュー戦と見比べると明らかに別人です。これだけの期間でここまで変わるケースもちょっと見当たらないですね。

また、上記二人に比べると活躍は地味ですが、左右田泰臣も日本ランクを確実に上げてきて、来年には王座挑戦も視野に入ってきてます。

個人の資質もあるでしょうが、これは現在のキックの主流となるルールが変わってきたことが大きいと自分は思います。

90年代に出現したK1から派生した肘無しキックはボクシングとの互換性を高める役割を担ったのではないかなあというのが持論です。

 

①肘無し、首相撲制限有ルールが主流になったこと

いわゆるクリンチ状態の攻防が制限されることで、距離を取っての打ち合いが主流になってくる。ただ、相手のバランスを崩してコカしたり、首相撲の攻防での膝の打ち合い等が無くなってくるのでそこは寂しく感じるところ。

 

②3R制が主流になったこと

ラウンド数が減ったことでパンチ主体の試合が多くなった。

ローキックはボディブローと同じで基本はダメージの積み重ねなので極端に効かせる打撃でなければ3Rで効力は発揮しずらい。

そのため、脚が蹴りに対して耐性があれば、カットの手間を省いてパンチで攻める試合展開が多くなってきた。

 

ボクシング・キックとも揶揄される位にパンチの占める割合が増えてきたので勢いボクシングとのシンクロ率が高くなってきたのではないかと推察します。

プロボクサー人口は減少してると言われてますが、アマからの流入は増えてますし、他の格闘技からの転向→アジャストがしやすくなってくると全体のレベルは上がってくるので過剰な心配は不要なんではないかなあと個人的には思うのです。

 

 

𝐊𝐚𝐝𝐨𝐞𝐛𝐢 𝐁𝐨𝐱𝐢𝐧𝐠 𝐆𝐲𝐦. 角海老宝石ボクシングジム ...

真夏の暑い中、行ってきました後楽園。

高山涼深の欠場でタイトルマッチが一つ流れたのは残念でしたが、バルコニーが西側だけでも復活してたのでヨシとするか。

当日券4400円があるのも有難い。今は最低でも6000円という興行が当たり前になってるのでね。

2020年2月27日以来のバルコニー。あのときのメインは長浜陸vsクドゥラ金子だった。コロナ禍があの後に始まって大変だったけど、戻ってきたなあと実感。(実はもっと前からバルコニーを解放した興行もあるのだけど、自分が来場した興行では今回が初になります。)

さて、試合をば。タイトル戦が一つ飛んでも7試合あります。

 

1.東日本新人王予選Sバンタム級4回戦

※阿部一力(大橋)vs八谷洋平(RK蒲田)

右の阿部に対して左の八谷。阿部が1Rから好調に試合を組み立ててた矢先に2R、八谷が左ストレートでダウン奪取。

リングサイド最前列で笑みを浮かべながらも目が笑ってない様に見える大橋会長にプレッシャーを感じたのか、阿部も奮闘。

着実に3,4Rを獲って3-0判定勝ち。

阿部は3戦2勝(1KO)1敗。八谷は4戦2勝(1KO)2敗。

 

2.東日本新人王予選フェザー級4回戦

※山川健太(大橋)vs北本慶伍(三迫)

北本、でかいなというのが第一印象。そして試合は豪快。

山川を飲み込む様な北本のパワフルな豪打が冴える。右のストレートが結構、いいアングルで決まり早くもダメージは明白。

2R、北本が左からつないでの右ストレートでダウン奪取。起き上がったものの暴風雨の様な連打でレフェリーストップ。タイムは2R1:55、北本TKO勝ち。

北本は2戦2勝(2KO)、山川は6戦4勝(3KO)2敗。

大橋会長、苦笑してたが目は笑ってない様に見える。

 

3.東日本新人王予選ライト級4回戦

※山口聖矢(大橋)vs本多俊介(E&Jカシアス)

MONSTERの親友にして元Jリーガーの山口だが、長身の本多のジャブに入って来れず攻めあぐねる。それでも内懐へ入って左右フックを振るう。2Rまではやや本多優勢。

3R、本多が右ストレートを打ち下ろすと山口が痛烈なダウン。

ここは立ち上がったものの、本多が連打をまとめていく。ここでストップがかかってもおかしくない位だった。

しかし、山口がこの後、左フックでダウンを奪い返す。フラフラな本多が辛うじてゴングに助けられるものの、場内、逆転への期待も膨らむ。

4Rはそれでも本多が山口を攻め立てて終了。判定は2-0で本多。う~ん・・・ここまで一番場内沸かせた試合だが、レフェリングがどうしたものかという感想が先だった。

本多は5戦5勝(2KO)、山口は3戦2勝(1KO)1敗。

 

4.日本ユース・Sバンタム級王座決定戦

※金城隼平(REBOOT)vs平井乃智(石田)

右の平井に左の金城。

金城がリードの右手を前に出して距離を測りながら左を振っていくというスタイルで序盤からペースを掴む。

3R、金城が後半に右フックでダウン奪取。その後も試合のペースを譲らずにラウンドを重ねていく。

7R、金城の連打に平井がダウン寸前。ここはストップかなぁと思ったが、そのまま続行でゴングに逃げ切った平井。

そして8R、金城がやはりコツコツとパンチを当てていき、ラウンド終了間際でダウン奪取。レフェリーがそのままストップ。

金城が最終8R2:56TKO勝ちで王座獲得。

新王者の金城は3勝(2KO)、平井は13戦8勝(1KO)5敗。

ちょっと最後は倒れる前にストップで良かったのではないかなあ。概してこの日のレフェリングはあまり良くないという感想。

 

5.アジア最強ライト級トーナメント準決勝8回戦

※齊藤陽二(角海老宝石)vsウー・ユンハン(中国)

序盤から近い距離で打ち合う両者。ウーが手数で上回るも、一発のインパクトは齊藤。ボディが決まる度に場内どよめく。

2Rに早くもウーがボディを打たれるのを嫌がる仕草を見せる。

3Rにはウーが足を使って回り込みながらサイドからパンチを打つが齊藤は構わずボディ一択。

そして4R、終了間際に齊藤の物凄いボディが炸裂してウーがしゃがみこむ様にダウン。そして悶絶。10カウント。

4R3:07で齊藤のKO勝ち。

決勝に駒を進めた齊藤は13戦8勝(8KO)3敗2分。

ウーは6戦4勝(1KO)2敗。

 

6.アジア最強ライト級トーナメント準決勝8回戦

※今永虎雅(大橋)vsマービン・エスクエルド(比国)

先日のダイナミックで帝拳ホープの金子が伏兵のフィリピン人に1RでKO負けしたこともあり、不安が払拭出来なかったが杞憂に終わった。

1Rから金子の動きが切れてる。横へ回り込むステップ、上下の打ち分けの見事さに場内感嘆。

エスクエルドも尾川と判定まで粘った選手なので金子も苦戦するかと思われたが、試合は早くも一方的になる。初回終了間際に右フック、左ストレートが炸裂してエスクエルドがグラつく。

2R、身体ごと突っ込んできたエスクエルドにボディを合わせるがタイミングがずれて背中の辺りに命中。キドニーブロー?と思ったが、ダウン宣告。起き上がったところにボディを決めてダウンを追加して試合終了。

見事な勝利だが、1度目のダウンの裁定は・・・う~ん・・・

抗議が無かったからいいのか?なんだかな。

金子は6戦6勝(5KO)、エスクエルドは22戦17勝(11KO)4敗1分。

 

7.日本バンタム級選手権10回戦

※富施郁哉(ワタナベ)vs増田陸(帝拳)

高山の防衛線が中止になったので単独の日本タイトル戦がメイン・イベント。両者サウスポー同士。

増田の左の強打に臆せずに富施が積極的に出ていく。打ち下ろしの左を食らいつつもワンツーで応戦。終了間際に富施の左が好打した様に見えたがペースは増田に傾く。

2R以降は富施が圧力を強めていく。左をねじ込み、右フック。

増田はちょっとディフェンスが良くない様に見える。ここらへんはやや富施が有利か。

3R,富施のパンチで増田が右目上から出血。富施が明確に試合を創りつつあったが、4R、富施の連打に下がりながら増田が右フックを叩き込みダウン奪取。

起き上がった富施だが、レフェリーが顔を覗き込んで試合を止めた。やや早めのストップと見る向きもあったが、試合後の富施の記憶は途絶えていたらしい。何かとこの日のレフェリングには不満があったが、最後の最後で良い裁定を下してくれた。

4R2:21、増田のTKO勝ち。

日本王座を獲得した増田は6戦5勝(5KO)1敗。

初防衛に失敗した富施は18戦14勝(3KO)4敗。

 

増田はバンタム級ウォーズに介入しても良いかもですが、堤に一度負けてるのでまずは日本王座の防衛線で実績を創って欲しいですね。この階級は他にも同門の那須川もいますし、凄い階級になってきたものです。

試合終了は20:45。しかもこの日はドームで野球もライブも無し!試合後は途中からホールに駆け付けた太陽と海さん、達人先生とその知人お二方を交えて会食。いろんな話が聞けて面白かったです。やはり21時前終了が理想だよなあ。