リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

リングサイドで野次を聞いた ~独善的ボクシング論

マニアの隠れ家を目指します。
中津の生渇きの臭い人はお断り。

サブスクを制するものが業界を制す、とまではいかないが、最近のスポーツ・コンテンツはイベントとして巨大化してるので大手サブスクに依存しないと立ちゆかなくなってしまってる様に思います。

UFCですらパラマウント+と提携してますし、海外はDAZN、国内はamazon primeにU-NEXT、Leminoと。

そんななか異端なのがNetflixです。なんかUFCを解雇された方がプロデュースしてるみたいですが、迷惑な路線なんですよね。

カネロvsクロフォードは結果オーライでしたが、カネロにとってはベテルビエフやビボル2よりもリスクが少なく、クロフォードもこれで大金を稼いだのでコアなファンが望んでるベナビデスやエニスとの試合に向かわずに引退とか言い出す始末です。

まあ、それでもこの試合はスーパーファイトになったし、まだいいのですが問題はそれ以外の点。

 

①ジェイク・ポールという駒を使っての半エキシの実施。

ジョシュアのキャリアの無駄な浪費やタイソンを担ぎ出したり(しかも1R2分で公式戦)・・・害悪でしかない。

 

②エキシ路線の強化

レジェンド枠でのパッキャオvsメイウェザー2とか。

金に困ったメイの要求にエキシ拒否したパッキャオですが、これはエキシにしてしまった方がいいのでは。

それよりも本チャンの試合よりも引退したレジェンドのエキシの方が大きな金を生む構図が健全では無いですね。

 

③ウシクvsヴァーホーベンのタイトル認可

サウジの後押しとそれを認可してしまった統括団体が問題なのはそれとして、トゥルキを扇動したのはNetflixではないのかなと。

これが無冠戦ならまだ許容しますが、ランキングや国際式の実績無視でのタイトルマッチは駄目でしょうよ。

 

大手サブスクが業界に巨大資本を投資してくれるのはありがたいのですが、なんか間違った方向にミスリードされてると思うのは自分だけでしょうか。

ま、それでも八百長が無い分、亀田TBSよりははるかにマシと言えるかも知れませんが。

近年、一人の選手に業界は翻弄されてました。

ジェイク・ポール、インフルエンサーのyoutuberにしてプロボクサー。12勝(7KO)2敗という戦績を持つが問題はその中身。

MMAファイターやNBAプレイヤー、youtuberとのマッチアップや引退した選手とのエキシ扱いの公式戦。

ジョシュアとの対戦はあったものの、ある程度手心が加わったのではないかという内容。タイソンとの試合は逆に若いポールが手心加えて八百長説も出るくらいだし。一昔前ならガチガチのファンから糾弾されそうだが、今の時代では話題性が第一で数字が稼げればいいということから受け入れられてるのは残念なことだ。

過去にはミッキー・ロークや我が国でもアレの件があるのでポールだけを攻めるわけにはいかないが、ちょっとなあ。

試合が全部真剣勝負だと仮定しても、ポールの一番の問題はマッチメイクの過程が金と話題性ありきでボクシングという競技で上に上がって積み重ねるものではないのが明白なところだと思う。

つまりはボクシングに愛情と尊敬が感じられない。

例えばデビューした若手が4回戦を積み重ねるのも、時にはカマセと対戦して露骨な白星を付けるのも、ボクシングという競技で上を見据えていくうえでのマッチメイクだ。

より強い相手に勝って上に上がる。金と名誉は上に上がれば付いてくる。それがプロスポーツの一番のピュアな姿だろう。

金と話題性は大事だが、まずは自分のやってる競技にリスペクトがあるならばあんな戦歴のレジュメにはならないはず。

ジェイク・ポールはインターネットと配信が産んだ徒花なのかも知れないが、日本ではまだこういうのに拒否反応が出るだけマシなのかも知れない。

 

いよいよズッファ・ボクシングが形を成してきました。

ちょっと前まではズッファがボクシング業界に参入することで既存の価値観が破壊される怖れを感じてたのであまり好ましく思ってなかったのですが、最近の米国ボクシングの凋落を考えるとショック療法としてもアリかなと思い返してます。

おそらくズッファがやりたいのはUFCみたいにプロモーションがボクサーをコントロールしていくことではないのかなあと。

年に1試合ペースで試合をするスター選手。

しかも対戦相手はファンの望んだものでなく自分本位。

ファイトマネー爆上がりなのでPPVも視聴料高騰。

魅力あるカードを創ろうにも昔ほどテレビ局の後盾が期待出来ないので配信頼みだが、若いファン層に裏打ちされたUFCに契約件数は押し込まれる体たらく。

具体的にはボクシングの(未だに)アイコンたるカネロはクロフォード戦のみ。ファンが望んでるのはカネロとベナビデス、クロフォードとエニスなのに。

そしてヘビー級が動くが如くボクシング界が動くと言われたヘビー級はアメリカ人外が王者なので英国開催がデフォ。サウジの王子が米国開催を援助してくれるものの、PBCもゴールデンボーイもトップランクもサウジの威光が無ければビッグマッチも組めやしない。こんなアメリカに誰がした。

そしてズッファですよ。UFCと並行して行ってたパワースラップやUFCーBJJは正直、コケましたが、ボクシングではどうだろう?

金は出すから我が儘言うな。スター選手も年に複数試合強制、そして本人達が嫌がってもファンが望むなら対戦を実現させるマッチメイクの強権発動。さらに既存の4団体認定を無視することで王座の価値の復権・・・が望まれますね。

ただ、不安もかなりある。大部分はマッチメイクの問題だが、例えば話題作り的な意味合いの強い試合の増加。いわゆるフリークショー。例えばジェイク・ポール絡みとかレジェンドのエキシとか、そういうのはもういいから勘弁してください。

とりあえず、この状況をデイナ・ホワイトが打ち破ってくれるかも・・・知れない。たぶん。

 

 

年が明けて既に半月が経ってしまいましたが、昨年の海外のアワードです。徒然なるままに記します。

1.年間最優秀選手(MVP)

※テレンス・クロフォード(米)

 

 

階級差のミスマッチと言われたカネロとの試合を全局面で圧倒したクロフォードはまさにGOAT。昨年はこの1試合だけで引退を表明してしまったのは残念。欲をいえばSウエルターでエニスと対戦して欲しかったかな。

3階級での4団体統一はまさに偉業。

 

2.年間最高試合

※デビッド・ベナビデスvsエリック・モレル

(2月1日米国・ネバダ州ラスベガスT-モバイルアリーナ)

 

スリルと迫力の詰まった激闘でした。ビボルとの対戦が実現しなかったのは残念でしたが、年末のヤード戦も圧倒的でした。

他はベテルビエフvsビボル2やウシクvsデュボア2、バムvsマルティネスが印象に残る。

 

技能賞:ジェシー・ロドリゲス(米国)

技巧派のプメレレ・カフ、突進型のフェルナンド・マルティネスというタイプの異なる王者を冷静に捌いて仕留めたバムに死角無し。攻防兼備のスタイルと決定力の高い試合スタイルはまさに一時期のロマゴンに匹敵する存在になりつつある。

2026年中には日本人との対戦を希望。バンタムに上げる前に寺地と是非。

他には安定感が増してきてGOATに成りつつあるジャロン・エニスや試合は塩だがたまに甘ショッパイ試合をするので目が離せないシャクール・スティーブンソンなんかも候補でした。

 

敢闘賞:ラモント・ローチ(米国)

世界戦は2試合とも引き分けもいずれも際どい内容だし、特にタンクとの試合は実質勝ってたと今でも思います。

ローチと引き分けたクルスも年3試合消化していずれもフルラウンドなので考えましたが、内容の濃さではローチに軍配かな。

 

殊勲賞:アギット・カバエル(ドイツ)

2024年にワイルダーをKOして暫定ながらアジア圏で初めてヘビー級の世界王者となったチャン・ジレイ、そのチャンをボディで削ってKOしたカバエルの試合が殊勲であると同時に去年のアップセット・オブ・ジ・イヤーだと思います。

このカバエルにイタウマ、バッコーレ、一応はジャレッド・アンダーソンらが次世代の旗手としてどこまでヘビー級戦線を盛り上げることが出来るか注目です。

 

サウジや英国の盛況に反して大国アメリカがパワーを失ってる感じですが、今年は盛り返して欲しいものです。

既に年明けから1週間経ってしまいましたが、去年の総括を。

1.年間最優秀選手(MVP)

・井上尚弥(大橋)

1年で世界戦4試合、うち2試合は海外の防衛戦。

とにかく去年のMONSTERは精力的でした。自分が業界を背負ってるという自覚が伝わってきます。カルデナス戦のダウンやピカソ戦の終盤失速などに綻びというには小さいズレを感じるもののそこは修正してくるでしょう。今年は中谷戦とフェザー級挑戦に期待ですね、出来ればフェザーはエスピノサ挑戦を希望。

 

 

2.年間最高試合

・渡邊海vs齋藤麗王(7月31日東京・後楽園ホール)

 

 

・寺地拳四朗vsユーリ阿久井政悟(3月13日両国国技館)

 

この2試合は甲乙付けがたいですね。

齋藤麗王は2月の保坂剛との試合も逆転TKOの激闘でしたし、まさにボクサー生命を削る様な試合はちょっと心配になります。

寺地の試合もそうなんですが、そう言いながらもファンが指示するのは激闘・死闘になるのでボクシングファンとして罪悪感に苛まされるところもあります。まあ仕方ないですね。人間だもの。

 

3.技能賞

※矢吹正道(緑)

矢吹は多分、現役では最高のジャバーだと思います。

試合スタイルはどちらかというと無骨でテクニシャンというイメージは希薄ですが、アヤラ戦やアルバラード戦において試合のイニシアチブを握ったのはジャブの正確さによるものですし、その的中率、パワーはヤバいのでは。

寺地1では正直、差し負けてたけども今なら互競るのではないかと思います。

 

4.敢闘賞

※堤聖也(角海老宝石)

ダウン応酬の激闘となった比嘉戦、そして前半苦戦しながらも後半追い上げてスプリットながら勝利をもぎ取ったドネア戦。

日本王者時代から会場で観てますが、堤の試合に外れ無し。

バルガスとの統一戦が現実的でしょうが、武居や天心との対戦も観たい。あとクリスチャン・メディナとは滅茶苦茶噛み合いそうに思えます。

 

5.殊勲賞

※井上拓真(大橋)

那須川天心に初めて(プロで)土を付けたというのはボクシングのみならず、格闘技界にとってもエポックな事なのでは。

2Rまでの展開から盛り返したのは今までボクシングで培ってきたものの差だったのかも知れません。

次は井岡との対戦も噂されてるだけにキャリアでもう一花咲かせて欲しいものです。

 

6.新鋭賞

※市原涼(黒潮)

トップアマ出身でB級デビューしてフィリピンやタイ、中国の選手に勝ち星を積み重ねて何かと最短を陣営が主張してる選手よりも、アマ経験もそこそこに新人王を勝ち抜いて、日本人対決を勝ち抜いてきた選手にこそ心惹かれるものがある。

西日本、全日本での新人王戦での圧倒的な戦い方は印象的でした。その強打でトップアマ出身者を食って欲しいですね!!!

 

総括:捻りも無く落ち着くところに落ち着いた感。寺地や武居が王座陥落したり、軽量級王国と言われてきた現状に楔が入れられてますが、やはりもうワンランク上のステージに行くには強い外人選手の存在は不可欠だと思います。

2026年はバムの来日を期待。