昼間は真夏のように暑くなってきた…
と思いきや!!!!!
昨日は真昼にヒョウが天から叩きつけられるかのように激しく降り注いだり、
今朝は朝から雪がふぶいていたりで
一気に冬に逆戻りである。
桜も野の花も満開だったのにー!
自然もびっくりな異常気象。
しかしながら、
あぁ、長い冬がついに過ぎ去り、
やっともう、完全に春なのだなと
数日前まで信じて疑わなかったのである。
というのも、
まず、この時期限定(6月に完全に姿を消す)の
シュパーゲル(白アスパラ)が
街に出回り始め
これを見ると、
あーまたこの季節がやってきたのねぇと
しみじみと嬉しくなる
3回目のドイツの春。
レストランでも
白アスパラメニューが始まりましたと
告知が始まり
早速2回も食べちゃいました。
⬆︎これが家から大股数歩の行きつけのドイツ料理屋さんね。
ドイツは春になると
外のテラス席が始まります。
冬はずっと外はやらないので、
テラスが始まると、ああ春だなぁと思う。
これは夜8時前後の外の様子。⬆︎
明るい中での外ビールは最高なのだ〜!!!
ザクロも大量。
目の前で絞ってくれるザクロジュース。
こっちはザクロ消費率がすごく多い!
日本よりジュースや料理、洗剤にすらザクロ使われてます。
特にこの時期のザクロの出現率は白アスパラほどまではいかなくても、
イチゴに匹敵するかもしれない。
それから今年は4月14〜17日まで
イースター休暇で4連休だったんですけど。
毎年思ってたけど、
日本人にとってイースターってやっぱり全然馴染まないのよねー。
だけど今年の私はといえば一味違った!!(!?)
というのも4月2日の日曜日に
フランクフルトのカテリーナ教会にて
このバッハの『マタイ受難曲』を
聴いたからであーるー。
この『マタイ受難曲』は
ヨーロッパでは絶対にこの時期に演奏されるもので、
逆にいえば復活祭のあとに演奏されることは絶対にない!!!
なぜなら、
イエスキリストが迫害され、
十字架にかけられて
3日後に見事復活する手前までの過程が
3時間にも及ぶ長編として描かれているからである!!!
(つまり作中でイエスは復活しないで終わる。)
だから復活祭(イースター)で輝かしい復活を祝ったあとに演奏するなんて
もってのほか!!!なのである。
日本なんて時期全く関係なく演奏されるし(10月ごろとか。それがヨーロッパ人には頭おかしく思えるらしい。そりゃそうだわな。。。)
しかも日本じゃヨーロッパほど頻繁に演奏されない演目でレア感あるから、
実は最近まで全くそのヨーロッパの常識を知りませんでした。。。音楽に関わってきた人間として非常に恥ずかしいんですけど。。。
まぁ日本人はヘンデルの『メサイア』の方が好きだしね。
(しかもこのメサイアもヨーロッパではこの復活祭前に演奏される演目なのに日本じゃクリスマスによく演奏会見かける。)
こっちじゃイギリス人に帰化したヘンデルのメサイアじゃなくて、
やはりドイツ人バッハのマタイ受難曲なわけ!!
日本の年末の第九並みの頻度で、
このドイツのサマータイムで外ビールで
白アスパラとイチゴの時期に
バッハのマタイ受難曲が演奏されるわけ!!
オランダなんてもっとすごくて、
オランダ人は音楽全く知らないひとでも
社交界の常識としてマタイ受難曲は必須で、
老若男女みんな聴きに行くらしいですよ。
『マタイ、もう聴きました?』
というのがこの国のこの時期のご挨拶らしい。
もう驚きなんですけど!!
ちなみにこの日はイースター2週間前の日曜日。
この時期のマタイ受難曲は王道で理にかなってて大正解なわけです。
このシーズンは四旬(しじゅん)節や受難節、または受難週という名前がついていて、
敬虔なクリスチャンは毎日イエスの受難を思い出し、その苦しみをまるで自分の苦しみのように分かち合うために、
例えば断食をしたり、お肉や動物性食品を控えたり、
人に良いことをしたり、節制をしたりするんだそう。
(それは以前トラップ一家物語のマリア先生の自伝で読んだりアニメでもそのシーンが描かれていて、ワクワクする部分だった!!)
聖書でこのマタイやヨハネの章のイエスの受難のシーンを毎日少しずつ読むそうなので、
まぁこの作品もその習慣に根付いて出来上がったものだから自然なんでしょうね。
全く馴染みがない日本人が、
いきなり3時間も、
しかもドイツ語で聞いたら、
あまりにも異国風でびっくりしちゃう!!
でも私は途中で寝るのは避けられないなと
思いながらこの演奏会に行ってみて、
その素晴らしすぎる巧妙巧みなバッハの音楽に大変感動し、
3時間、興奮しまくりで一度たりとも眠くならずに最後まで聴けてしまったのであるー!!!
それどころか、あまりの感動に、
図書館でマタイ受難曲のDVDとCDを借りて
家でもエンドレスリピート!!!
バッハって天才だそうだ、
って知ってたつもりだけど、
うわぁ天才だなぁー
これはちょっと凡人には書けないよ
何か降りてきてる神がかり的な作品だね!!
と今更ながら感心感心。
プログラムだったり歌詞カードだったり
ウィキペディアで追いながら
3時間演奏を聴いていたから頭使いすぎて疲れたけど(笑)
まぁ全てじゃないけど、
日本で音楽必死で勉強してたときより
ドイツ語も耳に馴染んでるわけだから、
難関、不可解って感じもせず、
わりと自然に聴けたのだ。おそらく昔より。
これも嬉しい。
そんなわけで、
マタイ受難曲を聴きまくったおかげで、
イースターまでのこの期間の意味が少しわかったというか、
いきなりイースターってやってくるわけじゃなくて(しかも毎年日付が変わるからよくわかんなかったけど)
最後の晩餐があって、
弟子のユダに裏切られて、
他の弟子たちはイエス?だれそれ?知らない!
とか平気で嘘をついて、
そして殺人犯かイエスかどっち処刑する?
ってときに、
愚鈍な野次馬たちが、イエス!イエス!
と盛り上がって吊るし上げ(今のマスメディアも変わらない)
十字架にかけられて、
そしてあんなに神を信じていたイエス本人が
『エリ、エリ…(神様!どうして私をお見捨てになったのですか!)』
と、神様のせいにしちゃうという、
人間のおろかさをこれでもかと見せつけられる数日間
(そしてその時期は暗黙の了解で自粛モード)
かーらーのー、
イエスが復活した!!
(肉体ではなくその生命が。)
生命は永遠!!
神様ありがとう!!
と、エネルギッシュに喜ぶそのまぶしさ。
さて私はそんな日曜日に何をしていたかというと
地元の合唱団とともに、
復活祭のミサで歌っていました。
あのマタイ受難曲のどんよりした重々しさからの、
ハレルヤ!ハレルヤ!
主が復活したのだ!!!
オスターンだ!!喜べ!!栄えあれ!!
という喜ばしいモードに総変わり!!
なんか2年前もこの教会でこの時期で
歌ったんですけど、
意味が違いましたよね。今年はまた。
クリスチャンでもなんでもないんですけど。
胸の中にふつふつと新しい感情が芽生えるのがわかりました。
私、イースターを生きてる!!!
というか、
季節を生きてる!!!!
というか。
なんかそういう感じ。
ヨーロッパって、
クリスマスも4週間前からアドベント(待降節)があって
(詳しくはこのブログで散々書いてるけど。)
そのときも私はザルツブルクの合唱団と歌を歌ったり
クリスマスマーケットでも思いきり楽しんでみたり満喫しまくってるけど、
日本みたいにいきなりクリスマスがとってつけたように出現!!!
とかじゃなく、じわじわと待ち望みながらやってくる感じで、
その間に季節が少しずつ深まる感じで、
それがまたすごーくいいんですよね。
イースター当日に歌が歌えたことは
今思い出しても喜び!!!!
いつかはマタイだって歌ってその気持ちや習慣に寄り添ってみたい。
※もちろん合唱じゃなくてソロとしてです。
本番後は例の行きつけのドイツ料理屋さんでやはり白アスパラ。
イースター休暇って4連休4日間お店ほとんど閉まっちゃうし(スーパーとか締まり続けるから大変なのだ。)
営業してくれてるお店って本当に貴重でありがたい!!!
それが美味しくて居心地が良くて
うさぎとタマゴ。
この時期、色つきのカラフルなタマゴがすごい勢いで世に出回っていて、
何度食べたかわかりません。
タマゴは新たに生まれる生命の象徴。
うさぎも生命力のシンボルなんだそうな。
お庭の草むらに色付きタマゴ(イースターエッグ)を隠しておいて、
小さな子供が拾うゲームや、
タマゴを落とさないようにおたまにいれて運んで走るゲームもこの時期の風物詩。
世界名作劇場でよく見たなぁー。
(ナンとジョー先生とかだったかしら??)
トラップファミリーのマリア先生の自伝にも説明されてたっけね。
私は残念ながらやったことないけど、
ドイツ人の友達は小さい頃にお母さんがやってくれたといっていた。。。!!!
羨ましいーーーーー!!!
というわけで、
ドイツの春といえばについて書いてみましたー!
ここまできたのに雪やヒョウってのがまたびっくり感倍増なのですけどね!