東亜大学大学院 1年次 公聴会見学 | 50歳を過ぎて税理士試験再挑戦!

50歳を過ぎて税理士試験再挑戦!

50歳を過ぎて税理士試験に再挑戦してます。資格を取るまでの道のりを日記感覚で記して行きたいと思います。同じ境遇の方がおられたら励まし合いながら頑張りたいと思います。

 東亜大学大学院に関わらず、どの大学院でも、1年次に先輩の公聴会見学を義務付けられていると思います。東亜大学大学院は、毎年2月上旬に東京(若しくは千葉)にて修士論文の公聴会審査が実施されます。2日間に渡って行われ1年生は最低でも1日間の参加を指示されています。私が1年次の公聴会は令和2年2月9日、10日の2日間に渡り千葉市の幕張国際研修センターで実施されました。当時は新型コロナウィルスが中国で猛威を振るいはじめ「日本にも流行の波が押し寄せてくる」、という事が報道で言われていました。しかし、当時、中国からの観光客への制限はなく、東京駅から幕張までの区間(京葉線)でも沢山の中国人がいました。私の横にも中国人が座り大きな声で喧嘩するが如く仲間の中国人と話しており、正直なところ感染しないだろうかと怖かった事を覚えております(運よく感染する状況でなくよかったです)。

 

1.公聴会について

 ゼミでの論文審査が通ると公聴会審査があり他のゼミの教授を含めて口頭での論文審査が行われます。この公聴会審査に通ると修了が許されます。先輩のブログを読んだところ、公聴会出席を認められた人は概ね審査をパスし修了が認められると書いてありました。しかし教授陣の質問は厳しい内容で、事前にかなり準備しても答えに窮する質問の連続であることも書いてありました。

 東亜大学大学院の公聴会は、民事法学グループ(民法・商法・知財法の各ゼミ)と公法学グループ(憲法・行政法・刑事法の各ゼミ)の2グループに分かれ開催され、1人の枠が25分間(発表15分、質問10分)設定されています。

 

2.公聴会見学

 私は日程と仕事の都合上9日の1日間だけ見学することにしました。当日会場についてみると、発表部屋の前に2日間の発表者が張り出されていました。まず1回目の驚き、「公聴会に進めた2年生が少ない!」という事です。ゼミにもよりますが、私のゼミは概ね半分くらいの公聴会の参加を許されておられました。「やはりここまで辿り着くこと自体難しいのだ!」と。見学した1年生全員が実感した事だと思います。また、発表者がレジュメを用意し発表前に1年生にも配布して頂きました。ここで2回目の驚き、「単純なテーマ、オーソドックスなテーマが無い!」という事でした。「交際費課税に関わる一考察」的なテーマは1つもありませんでした。当時の私には、細かい論点や難しい論点ばかりで、既に提出した論文テーマ案の2つ(主たるテーマと予備のテーマ)は、やり直しかな?とかなり不安になったものです。

 発表が始まりました。発表者は当然緊張する中、発表待機者、1年生の見学者も緊張しながら、1人目の発表を聞いておりました。約15分間の発表の時間が終わり質疑に移ります。いきなり「君の論点はおかしくないか?」「既にこの論点については結論が出ているのでは?」などなど、厳しい突っ込みが入ります。色んなやり取りがあり、質疑予定時間10分に対して実際の時間は30分ほどになりました。発表者の先輩には申し訳ないのですが、かなりの炎上に見えました。2人目以降も「私だったらこんなに手垢がつたテーマは認めない」「目新しい見解が無い」「論文内容に重大な欠陥がある」など厳しい突っ込みが続きます。質疑時間も全員がほぼ30分前後になり、1人当たり25分の設定時間通りに終わった方は1人もいませんでした。予定時間をかなり過ぎて1日目が終りました。その後の1年生内で「今日の発表で公聴会審査に通った人はいるのかな?」「全員不合格に見えたよね!」と1年生で会話しました。公聴会審査の厳しさを目の当たりにし、しっかりとした中身のある論文を執筆しないと大変な事になるなと感じた1日でした。「自分にできるかな」と不安になったものです。2日目も同様の状況が続いたそうです。

 先輩の名誉のため書いておきますが、ほぼ全員の方が審査をパスし修了されました。しかし若干名の方が修了できなかったのも事実です(私の代でも数名の方が公聴会をパスできませんでした)。

 公聴会見学に出席し院生と教授のやり取りを見て論文執筆について、ある程度の覚悟ができました。驚きの連続であり、不安も増長されましたが、1年後の自分をイメージする良い機会となりました。そして論文執筆の大変な1年のスタートとなりました。

 今日はこのあたりで。