「ボヴァリー夫人」をモチーフにした、大人のちょっとおかしなファンタジー映画。
そんなにめちゃくちゃ期待をして見に行ったのではないけど、結果、すごく良かったです
なんていうか、フランス語の深みを感じる以外に、こういう映画ってフランスでしか作れないというか、ハリウッド映画にはない味わいなんですよね。
まさに、大人のひそかな恋愛心をネタにしたって感じ?
こういうクスっと笑える映画が好きな私にとってはツボでした。
ましてや「ボヴァリー夫人」の世界に憧れる者としては。
原題は「Gemma Bovary」で、フローベール原作の「ボヴァリー夫人」のヒロイン、エンマを少しもじってあります。
そのジェンマが、映画のヒロインで、ロンドンからノルマンディーに引っ越して来た英国人の若夫婦だけど、とても色っぽくて可愛い。
最初はフランス語もおぼつかないけど、日々隣のパン屋さんと会話しているうちに上手くなって行きます。
そしてこのパン屋のおじさんが、一目惚れでジェンマに恋をするんです
でも、ジェンマってば、イケメンのご主人がいるのに、忙しくてあまり構ってくれないせいか、近所の若い男の人をさり気なく誘惑するんです
なるほど~、そうやって誘惑するのか
と、不肖私などは勉強になりました(笑)
いや、元がきれいでスタイルもいいから誘惑できるジェンマなだけですが。
そのやりとりをこっそり観察しては歯がゆい思いをするパン屋のおじさん。
小説のボヴァリー夫人と同じ名字なだけに、小説に重ね合わせて見ているわけです。
パリから戻って法律の勉強をしている年下男性と逢瀬を重ねる場面もつぶさに見てイライラしているおじさん(汗)
何しろパン屋なものだから、次々と美味しそうなパンを手作りするシーンや、ジェンマがそれを買いに来るシーンが沢山出てくるので、急にパンが食べたくなってしまったよ(笑)
日本人がお米に誇りを持つのと同じで、フランス人はパンの描写には妥協を許さないんですね。
結果的には、そのパンが重要な意味を持つ小道具になってしまいます。
これは意外な展開だったな~。いやはや。
ボヴァリー夫人がいなくなった後の、最後のオチにも注目です
お勧め映画なので、見られる方はぜひぜひ。
あまりのおもしろさに、エンドロールは呆然としながら、余韻を噛みしめて座り込んでしまいましたとさ。
で、実はこちらの映画も見たんです。「ジュラシック・ワールド」
マイケル・クライトン原作の恐竜パニック映画第四弾。
私はこの原作出版当時からすべて読んで、映画もみんな見ているほどの恐竜好きなので、フランス語じゃないけどわくわくしながら見に行きました。
(ちなみにUSJには行ってない)
すると、恐竜よりも先に、アメリカのつのだ☆ひろは出てくるわ、オマール・シーみたいな人が出てくるわ(本物だった)田代まさしっぽいヤツも出ているわ、ハリウッド映画のお約束として、命が危ないピンチのシーンで唐突にキスをする男女はいるわ(やっぱりなー、なんでそんなのんきなことしていられるんだろう)突っ込みどころも多かったですが、ハムスターのボールみたいな乗り物も出てくるし、やたら人間が簡単に恐竜に殺されたり、恐竜の動きがあまりに良く出来ていて、怖かったくらいです。
現実にあんな恐竜テーマパークがあったら行きたくないでしょうね
管理体制、ずさん過ぎ(笑)
どう猛な恐竜が、あっという間に檻から出られるんだもの。
サファリパークより怖いよ。
以前、日本で高い壁をあっさり越えて動物園の外に脱走した猿がいましたが...
でも、このシリーズはもうマイケル・クライトンの原作ではなく、脚本のオリジナルになっているので、子供でもわかるシンプルなストーリーになっています。
遺伝子操作して、恐竜を現代に蘇らせるとしても、海洋堂フィギュアみたいな小さいサイズにしておこうね(笑)という教訓でした~。