矢島講師の過去問講座 | 明日の風,昨日の空

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GPA1点台,論文4500番落ちのロースクール(笑)修了生が2013年司法試験に最終合格

なぜか先日,LECから本講座の受講を勧める電話がかかってきました。
先月は渋谷校から入門講座体験受講の案内があったし,
一体どうなってるんでしょうか,この予備校は(笑)

それはさておき,先月話を聞いた段階では,
昨年同様予備合格者限定ということだったんですが,
今年からロー組も本ゼミを受講できるようになったみたいです。

これは去年受講できたなら,工藤ゼミを差し置いてでも受講したかった!

本講座のメリットとしては,以下のことが挙げられます。

①試験対策上,最優先事項である過去問検討を,矢島講師主導のもと正しい方向で行うことができる。

②過去問出題の重要基本事項と派生事項を矢島講師との質疑応答で盤石にできる。

③無料受講の予備合格者が参加するため,予備組のレベルを肌で感じることができる。

④4月まで続くので直前期まで緊張感を持続できる。

①~④いずれも魅力的ですが,やはり①②が一番大事です。
私の経験からして,①②を盤石にできれば,まず司法試験には受かります。

試験当時の自分の完成度を振り返ると,
①が60%,②が85%ぐらいだったでしょうか。

①はH20年以前の検討が不十分でしたし,民事系は結構雑に検討していました。
民事系は何度も検討した問題でも,直前期になっても満足行く答案は書けませんでした…。


②は工藤論証集や趣旨規範本掲載の定義・趣旨は吐き出せるレベルでしたが,統治,手形あたりは捨てていたので出題されたらアウトでした。

結局,私は①②を盤石にできなかったので,
「10回受けたら2・3回受かるかも」というレベルにとどまりました。

運良く合格はできたものの,
民事系は2桁という低成績に終わり,
複数あった合格者講義のオファーは立ち消えになってしまいました(笑)

言い訳させていただくと,
やはり独力で上記①②を盤石にするのは難しいものです。
有職者で勉強時間が確保できないなら尚更です。

②は,自助努力である程度身に付けられますが,
①は,上位ローなどに在学し,
優秀な受験生とゼミを組めるような環境にでもいないかぎり,
一人で身に付けるのは厳しいものがあります。

私の所属ローでも,弁護士や学者主宰の過去問ゼミが催されていましたが,内容はお粗末なものでした。
(不倫相手の愚痴を聞かせるのは論外)

過去問検討は,問題や論点の検討にとどまらず,
公式資料や再現答案の分析など,めちゃくちゃエネルギーを使うので,
ボランティア感覚で実務の片手間でやってる先生方では,
適切な先導役を務めるのは難しいでしょう。

若干の講義やガイダンスを聴いた感想ですが,
矢島講師の最も良いところは,
基本事項について受講者との質疑応答を通じてわかりやすく伝える技術とともに,細かい議論にはほとんど深入りしないところにあります。

実は判例は~,調査官解説読むと~,みたいな話は一切なし。
試験に必要なことだけマークさせて暗記させる。

工藤講師のような最新の問題意識を反映した講義と比べると,
矢島講師の講義スタイルは旧来の予備校講師に近いんですが,
去年の私みたいに基礎をこじらせたロー出身者にとって
一番必要なのはこの手の指導者だったりします。

個人的なオススメ度としては(基礎に欠陥のある去年の自分を想定),
Ⅰ本ゼミ>>>Ⅱ論パ工藤ゼミ≧Ⅲ論パ矢島ゼミという感じです。
(あいつ何とかクリニックを推してなかった?という突っ込みはなしで・笑)

受講料が高いだけに,
本ゼミを取るなら別に論パゼミを取る必要はないでしょう。

教育効果は過去問にはるか及びませんし,
答練は初見の問題を時間内に書く訓練と割り切れば充分です。

お金と時間に余裕があるなら,
北斗先生の答案戦略や未知の問題の演習は勉強になるので,
ⅠⅡを合わせて取るのは有益かなと思いますが。

答案の書き方などテクニック面の指導がどうなのかは,
去年のゼミ生に聞いてもよくわからなかったですが,
少なくとも試験に必要なもの(≒基本)を受講生にわかりやすく伝え,
かつマーク指示と質疑応答を通じてそれを定着させる技術については業界で一番優れた講師だと思います。

去年受講できたら,民事3桁行けたのになあ(苦笑)