西保を歩く。
生憎の雨でしたが、里山の春を見つけに西保を散策してきました。
先日は太良峠から切差を散策しましたが、武田信玄の秩父裏街道として、切差から赤芝につながる古峠という古道があり、鍵掛の関所が残されています。
八幡から西保にかけての周辺の地名は実に生々しい字となっています。
1455年、甲斐国守護武田家当主となった信昌が幼少であったため、守護代家の跡部明海・景家親子が事実上甲斐の政を取り仕切っており専横を極めたとされ、1464年に明海が死去したのち、夕狩沢の戦いで、信昌は、景家を討伐し、景家は小田野城に逃げ込み、激戦が繰り広げられたと伝えられています。
その地名が八幡と西保には残っています。
ちなみに切差は、そのまんま激戦地で切り差しした場所。
古峠を越えて出た先は赤芝。
芝が鮮血で染まった場所。
膝立は兵士が疲れ果てた場所。
そこには樹齢500年県指定の天王ザクラが津島権現とともに祀られています。
さらに牧平を経て横手には生捕という地名も残されており、まさに捉えられた場所を彷彿とさせます。
鎌倉期にも甲斐源氏安田義定が小田野城に立て籠ったとされ、城下の地域には腹切り地蔵と呼ばれるいわくのある石仏もあります。
戦国ロマンを感じずにはいられませんね。
また、金峰山にもつながっていた古道、近くには金峰山洞雲寺があり、江戸彼岸の枝垂桜が見事に咲いておりました。
美しい切妻民家と長閑な段々畑。
大きな戦いと咲き誇る桜。
西保は歴史の深い地域ですね(^^)/