日本一の牧場。
環境保全・持続型・循環型の農場運営に取り組む小岩井農場を視察してきました。
小岩井という名称の由来は、地域名かと思っておりましたが、日本鉄道会社副社長の小野義眞(おのぎしん)、三菱社社長の岩崎彌之助、鉄道庁長官の井上勝の三名の創始者の姓の頭文字を採り「小岩井」農場と名付けられました。
岩手山南麓に約3,000ヘクタールの敷地面積を有し、その内、約40ヘクタールが観光エリア「まきば園」として開放されています。
東京ドーム630個分の広大な敷地内にには明治から昭和初期にかけて建設された畜産関連の建物が、当時のままに利用されながら今も創業当時からの理念を持って、使用と保存の両面から近代農業と建築の歴史を今に伝えておりました。
現在、21棟の建物が国の重要文化財に指定されています。
園内の従業員は農牧と乳業を合算して約300人、牛は約2500頭、さらには鳥や羊も放牧され、これらの排泄物を利用したバイオマス発電所も稼働して、正に循環型の農牧経営がされています。
更に、100年かけて敷地の3分の2を占める森林の整備も行われており、昭和30年代から計画的な植林を行い、100年後、200年後に向けた環境整備も行われておりました。
園内をご案内いただきました野澤さんは、敷地内にある小学校の卒業生ということで、歴史ある農牧の文化と誇り、そしてビジョンを丁寧にご説明していただきました。
サスティナビリティを心と体で学べる魅力が満載で、本市においても、日本遺産としての果樹生産景観、林業を通じてのバイオマスの形、地元の産業文化を伝えていくマインドなど、多くの気づきをいただきました。
早速、地域に持ち帰り、語りべをつくれるよう、尽力したいと思います。