障害児の父として | えぐり師チャーリーのブログ

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主な内容は、ロドリでお馴染みな「えぐり師チャーリー」と知的障がい児のいる家族の休日の過ごし方でーす。
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ウチの息子が、障害児だと分かったのは、生まれて数年経った頃。
ウチの奥さんと息子で、定期的に受けていた検診中に「自閉症」の疑いが強い・・・みたいな感じだったと思う。

その事実を知った時、オレ的には
「だから・・・、何?」
という感想しか無かった。

障害があろうが無かろうが、今ココにオレの息子がいて、オレは息子のことを大好きなのだから、後はどうでもイイ。
そういう感覚だった。
障害があったからといって、オレの息子に対する気持ちが変わる事は無いのだから、どうでもイイのだよ。

ただ、障害によって、ウチの息子が何か不利益を被らない様に、全力で守っていくこと、それだけは強く思った。
でも、それは、障害のある無しに関わらず、親なら誰もが子供に対して思う感情なんじゃないかな?

あとは、ウチの奥さんに「自分のせいで障害児が生まれた」なんて風にだけは、絶対に思ってもらいたくなかった。
だってオレは、ウチの息子のことが最高に大好きなのだから、こんな子を産んでくれたことに感謝しかしてないのに、
その子を産んだことを悔やむ様なことだけは、絶対に思ってもらいたくなかった。
逆に、こんなに素敵な子を産んだ事を、誇りに思って欲しかった。

それに、今まで子供を育てた経験など無いのだから、障害児だから大変・・・、
なんていう風には、小さい頃は全然思わなかったんだよね。
子供を育てるのは、みんな大変じゃん。
それは、健常児も自閉症児も共通。
特別な感じは無かった。

それに、その障害に対して、「治療法」があるのなら、親はそれに全力で取り組むと思う。
だけど、現代では自閉症は、一生治らない脳障害の一種であるとされているのだから、
治らないモノを治そうとするなんて、時間の無駄でしょ。
治すんじゃなくて、オレ達が息子を理解する。
それだけで、良いんじゃねーの?

「自閉症を治す」なんて、やり様が無い目標に向かうよりも、
やれる事を日々頑張って、1日1日を楽しく過ごすのが、一番息子の為になる。
それがイイ方向に成長出来る「はじめの一歩」になる・・・、そんな気持ちだったかね?
息子が生まれて19年経った今、ちゃんと実践出来てきたと言えるかな?

ただ、感情を上手く表現出来ない・・・ってことには、苦労はしなかったけど、ちょいと淋しい・・・気持ちがあったね。
人間って、自分が行った事に対して、どうしても見返り的なモノを求めちゃう生き物でしょ。
オレが、息子におもちゃを買ってきた時、喜ぶ笑顔が見れたら、それはそれは嬉しいのだけど、
ウチの息子は、そういう感情表現が一切出来なかったから、オレ的には手ごたえを感じる事が出来なかったんだよね。
何に興味があるのか・・・を、汲みとってやることも、なかなか出来なかった。

だったら、なんでもかんでも、やってみるべし!
というワケで、当時はトイザラスへ行きまくって、おもちゃを買い漁り・・・、その延長線上でオレもガンプラ作りまくっちゃったり、
鉄道模型集めちゃったり・・・、ジオラマ作ったり・・・と、息子を理由に脱線しまくりだった。

でも、そういうオレの「モノ造り」する姿を見て、色々と興味を持っていた様で、
こっそり隠れてドライバーを扱い、おもちゃの電池交換を自分で勝手にやる様になった。
ウチの息子の見て覚えるパワーってのは、すげーなぁ・・・と、感心したもんだ。
だけど、調子コイて、なんでもかんでも電池交換したり、壊してしまったおもちゃでさえ、電池交換すりゃ甦る・・・みたいな勘違いもする。
こういうのって、なんだか、ふつーの子みたいで、オモロイよね。
ちゃんと成長しているんだなぁ・・・と、すんごく幸せになる瞬間でした。

やっぱり、こういう小さな幸せが、自閉症児と過ごす一番の醍醐味だとオレは思う。
ふつーの子だと出来て当たり前の事が、ウチの息子の場合、スゴイ事になる。

例えば、TVのリモコンを指差し「それ取って」と、言って取ってくれるようになるのは、ふつーの子だと何歳くらいからだろ?
幼稚園に通う頃には、みんな出来て当たり前のことだよね。
ウチの息子は、小学校高学年くらいかなぁ?
出来た時には、「どうした???」って思った程、ビックリだった。
あまりにも嬉し過ぎて連発しまくった為、ウチの息子には軽くキレられたね。

そういう事が出来るようになると、徐々に意思疎通も出来る様にもなり、言葉を意思として発することは無くても、
色んな単語や歌を歌う様にもなり、楽しみ広がる毎日だった。

ふつーの子と比べて、あまりにも遅いペースでの成長かもしれないが、オレには心地イイスピードでもあった。
色んな事を、ゆっくり丁寧に感じ取れるのは、ウチの息子ならではでしょう。

それと、感情表現出来ないのを理由に、毎週末の休日にお出掛けするのは、オレの好きな場所ばかり・・・だったね。
釣りやえぐり旅・・・、今も大差無いけど、ディズニーへは連れて行ってなかったなぁ。
だもんで、小学校2年生の冬、まだウチの息子も感情表現なんて、全然出来てなかった頃、
釣りに行く・・・と言って、こっそり連れて行った。
当時は、多くの人を見て脅えてしまう事もあり、ディズニーへは足が向かなかったのだけど、
やっぱ、連れていくまで、ホントの事はワカラナイ。
妄想だけで判断しちゃうのは、人間の一番愚かな行為だとオレは思う。
やってこそ、「その人の意見」ってのは、活きてくるからね。
じゃあ、行ってみよー。

最初こそ、脅える感じだったが、初めて見るディズニーは、まるで夢の様だったみたい・・・。
アトラクションも、楽しくて仕方なかったみたいだね。
だもんで、そろそろ疲れただろう・・・と、夕方帰ろうかと思ったら、断固拒否!
「そろそろ帰ろうか?」と言ったら、
足をその場で踏ん張って、「ヴーン!!!」と、言葉にならない様な言葉を発してまで必死の抵抗!
これほど、ウチの息子が感情を表現したのは初めてだったから、それはそれは、もう嬉しくて嬉しくて・・・。
ディズニーすげー!って、心の底から思えたね。
でも、閉園時間になっても、「ボク絶対に帰らない!帰ったら二度と来れないもん!」って感じで、猛抵抗。
とはいえ、その頃は小さかったから、その抵抗も可愛さ満載だったね。
高校卒業した今になっても、こだわり行動が消化できずに、帰らない!って猛抵抗する時があるけど、
今は、パワーもあるもんだからハンパねーんだ。
そう比べちゃうと、当時の抵抗は可愛かったなぁ・・・。
結局、その時は「絶対にまた連れてくるから・・・」
「すぐにでも、必ず来るから・・・」と、何度も何度も言い聞かせて、やっとの納得。
普段、睡眠障害気味で、車内で寝たことなど無かった息子が、帰りの車内でバッタンキューしちゃう程、
たっぷりと遊んで、すんごく楽しかったみたい。
これほどの手ごたえを感じたのは、後にも先にもディズニーだけだね。
ホントに、スゴイよ。
だもんで、オレの夢は、「100歳になっても、ウチの息子と一緒にスプラッシュ落ちる事」に決まった。
それまで、目一杯生きて頑張るぜぃ。

苦労したのは、先にも書いた睡眠障害的なモノ、夜なかなか寝付けないことが多かった。
AM3:00過ぎてもバリバリ元気で、静かならイイけど、夜泣きするような時には、仕方なく真夜中のドライブに・・・。
その当時は、夜に酒を飲みまくってる余裕もなかったなぁ。

あと、周囲から変に思われる事を、どう受け入れられるか・・・ってのも、必要な事なのかな?
ウチの息子は、障害児とはいえ、外観上は健常児となんら変わらん。
簡単に説明しちゃうと、でっかい赤ちゃんみたいなもん。
手を離しちゃうと、どこに突っ走っていってしまうのかワカランし、過去にそれで行方不明になってしまったこともあった。
なので、手をつないで行動するのが常なのだけど、おっさんと間もなく成人の子が手をつないでいる光景は、
ふつーの人からしてみたら、変態カップルでしかない。
ましてや、ウチの息子はおんぶが大好きで、今でもおんぶでは無いけど、後ろから手だけを回して抱きつきながら歩いてる事もある。
ますます、変態カップルだよね。
ふつーの人は、自閉症児なんて存在すら知らない。
オレも、息子がそうだと判明するまで、その存在すら、ちゃんと理解していなかった。
たぶん、ウチの息子が健常児だったら、今でも理解して無かったんじゃないかな?
そういう意味では、ホントにウチの息子はオレの視野を広げてくれたね。
だけど、ふつーの人は、狭い視野のままでしょ。
そういう人達から見れば、オレと息子の行動は異常でしか無い。
そういう「異常」を見ると、ふつーの人ってのは「関わらない様にする」か、「なにあれー」的な表現をして、
周りに同調を求めて排除しようとするモノ。
きっと、オレも健常者ならそうしていたのだろうと思っているので、オレは、オレとウチの息子にそういう視線を浴びせられても、
なんとも思わない。
逆に、オレとウチの息子の関係を、分かる方がおかしいでしょ?
だから、ふつーの人の行動は、ある意味正しいのだから、しゃーないのさ。
だもんで、そういう「変態カップル」なのを楽しめるようになると、ドコでも気にせず活動出来るようになるね。

あとは、こだわり行動が、年々増えてきて、面倒が多くなってきた。
ディズニーでも、このアトラクションには乗るけど、アレはイヤ・・・とか、レストランはココに決まり!というのも多い。
ランドじゃ、絶対にキャプテンフックスギャレーのシーフードピザ、シーじゃ、ザンビーニのボロネーゼが鉄板だからね。
どっちも、メニューから消えたら、どうすんべか?
そういう時の説得が、すんごく大変なのだけど、逆にそういう機会をディズニーで色々と経験出来る分、
実生活ではそう行った時の対応に、応用力がオレ達にもついてるけど、ウチの息子にも免疫が出来てます・・・みたいな。
ホントに、ディズニーには、色んな意味でお世話になってるね。
大感謝だよ。

そんなワケで、あんま為にならない様な内容ですが、障害児との生活をオレはすんごく楽しんでます。
これ以上無い、幸せな家庭だと自信を持って言えるし、これからもそう。
ウチの息子の視野を広げる為にも、いっぱい色んなトコへ旅に行って、
オレにしか見せてあげる事が出来ない光景を、家族に見せつけてあげたいと思う。
そんで、いっぱい色んな体験をさせてあげたいと思う。
あんま、難しく考える事は、無いんじゃないかなぁ?
長い人生を考え過ぎて悩む前に、まずは今日をどう生きるか。
それも、全力で楽しく過ごすのはどうするか?
その積み重ねが、明日につながるのだと、オレは思ってるよ。
こんな我が家ですが、これからもみんな、夜露死苦だぜぃ!