探していた最後の忘れ物 Shazam | チャーリーのファボミュー

チャーリーのファボミュー

このブログはチャーリーが聴いた音楽の中で「これは良い!」と思った作品やアーティストを書き留めています。勢いのある旬な音楽を好むため自ずと若手中心になっています。たまに映画についても書いています。

驚きと感動の出来事があったので書き残すことにする。


いつか聴いたあの曲
誰が演奏した何という曲かも分からず
ただ時間だけが過ぎていったけど
記憶の隅っこでそれは静かに鳴り
それほど重要でもないのに
気にかかったまま
でももう知る術もなく
諦めてしまっていた


私が中学生の頃なのでもう半世紀近く昔のことになるが、朝5時前ラジオでオールナイトニッポンの放送が終わって次の番組が始まるまでのほんの短い時間、いつも繋ぎのようにかかる曲があった。

そんな朝早い時間まで徹夜して起きていたのか、それとも早起きしていたのかは忘れてしまったが、私はよくその曲のオンエアを聴いていた。

あまりにもその曲を気に入ったため、ある日ラジカセでカセットテープに録音した。

その曲は軽快で清々しくバイオリンのピチカートが旋律を奏でるジャズっぽいオーケストラの曲だった。
流行りの曲でないことは明らかだったし、家族や友達に聴かせても知る人は誰もいなかった。


それから時間は過ぎ、
CDがレコードに取って代わり音楽メディアの主役に落ち着いた頃は旧作のCD化が進み、その恩恵で欲しかったけど手に入らなくなっていた曲や探していた曲が簡単に手に入るようになった。
それで長年探していた曲の殆どを手に入れることが出来たのだが、例のラジオの曲だけは見つけることが出来なかった。
アーティスト名も曲名もヒントになるような手がかりも一切なかったので仕方ないだろう。

その後一度だけ仕事でのお客さんがその曲を持ち込んで驚いたことがあったが、そのお客さんも誰の何という曲かは覚えておらず分からず終いになった。


随分長い時間が過ぎた、、、


今、スマホの時代になり聴かせればアーティスト名と曲名と収録アルバムまで表示してくれるアプリが登場した。

つい先日、ふとそのラジオの曲をカセットテープに録音したことを思い出し、もう回らないかもしれないテープをダメ元で探しみた。

物持ちのいい性分のお陰でテープを発見することができ、早速カセットデッキで再生してみた。

鳴った、
あの朝の空気まで蘇るように鳴った。

そして、iphoneに入れた音楽認識アプリShazamを立ち上げてそのラジオの曲を聴かせてみた。

Shazamも万能ではないから分からないものは分からないと冷徹に表示するし、分からなくて当たり前だと殆ど諦め気分だった。


ところが、、、




遂に!
それが一体何だったのか!
分かったのだ!


その瞬間、驚きと共に言い知れぬ感動が胸を埋め尽くした。

長い間探していた昔の忘れ物を現代のテクノロジーで見つけ出すことができた。
もちろんそのために必要だったカセットテープ、そしてその録音を残していたこと、それらがなければ不可能だった。
よくぞエアチェックしていたと中学生の自分を褒めてやりたい。


MARTY GOLD and his Orchestra
A Walk In The Black Forest

ここで分かったことがもう一つ
この曲のオリジナルはドイツのピアニスト・作曲家ホルスト・ヤンコフスキーで、1965年には全米12位のヒット曲だったそうだ。
それも知らなかったし、MARTY GOLDのヴァージョンはオリジナルとアレンジもアンサンブルも違うカバーということになるが、今さら私にとってはこちらがオリジナルのように聴こえる。

それにしても、
諦めなければいつか夢は叶うということかな。