清水美和子さんのソロプロジェクトPredawn
昨年活動10周年を記念してライブ会場限定発売されていたNEW EP「Calyx」の全国流通&配信が始まった。
ギター弾き語りを中心に最小のサポートミュージシャンのヘルプだけで作詞・作曲・編曲・演奏・歌はおろか録音からミックスまで自身が手掛けるアーティスト。
太陽が柔らかく降り注ぐ午後を連想させる緩い楽想と、どこまでも清く透明な歌声が他にない心地良さを生み出している。
UKロックやルーツミュージックなどの影響も感じられるが、何よりも練り込まれた玄人らしいコード進行に唸ってしまう。
それと装飾的に入ってくる歪んだギター、キーボード、トロンボーン、ハーモニカ、笛、現実音、リバース再生などレコーディングでの音の使い方にズバ抜けたセンスの良さを感じる。
残念ながら10年前に自主制作された「10minutes with Predawn」は聴いたことがないのだが、最初のアルバム「手のなかの鳥」の頃からその卓越した音の使い方を聴くことができ、「Absence」ではより巧みさが増して世界のどこへ出しても引けを取らない傑作に出来上がっている。
それから英詞による歌が日本人離れしており、知人に説明なく聴かせたところ完全に洋楽だと思ってしまい、タネ明かしして驚かせたという面白話もある。
長々と書いてしまったが、「Calyx」はそんなPredawnの10周年記念ということで、これまでライブでしか披露しなかった「キャンパスシューズ」「鉄線」「炭酸」に新曲2曲を加えた5曲入りとなっている。
特筆はやはり全曲日本語詞というところだろう。
彼女の中で何が変化してきたのかは分からないが、今までよりもぐっとJ-Popに食い込んできた感じがする。
とはいえヒーリングな「曙光」はPredawnとしても新境地の小曲で、少しずつ夜が明ける様が描かれ光に吸い込まれるようにスポッと終わったあとの無音部分に朝の清々しさが広がり心地良かった。
今回も最小サポートで
神谷洵平(Ds)
ガリバー鈴木(B)
そしてALの小山田壮平が2曲でコーラス参加している。
- キャンパスシューズ
- 紫陽花の庭
- 鉄線
- 炭酸
- 曙光
スローでマイペースのPredawn
次はどんなことを見せて聴かせてくれるのか楽しみだ。