切なメロ健在 ヴィヴィアン | チャーリーのファボミュー

チャーリーのファボミュー

このブログはチャーリーが聴いた音楽の中で「これは良い!」と思った作品やアーティストを書き留めています。勢いのある旬な音楽を好むため自ずと若手中心になっています。たまに映画についても書いています。

vivid undress
「ゼロ」から数えて5作目、前作から約1年半振りとなるミニアルバム「赤裸々」を1月23日にリリースした。


kiila (Vo)
yu-ya(G)
syunn(B)
rio(Key)


自主レーベルMONOLITHIC RECORDINGSを立ち上げて2年、昨年3月にはドラムのウツミエリさんが脱退、バンドの軸が抜け求心力が衰えてしまうのではないかという懸念を見事に払拭した快作になっている。





今回は1曲ごとに違うドラマーが参加するという贅沢な作りとなっていて、これまでのようなマニアックに作り込んだアンサンブルの面白さは薄まった反面、ストレートにぐいぐい押してくる疾走感が前面に出ており、ドラマーが違うだけでこんなにもサウンドが変わるもんだと気付かされた。

参加ドラマー
テディ、山内陽一朗、新保恵大、Aki、莎奈、浅野智基

山内陽一朗ってあのジャズドラマーの?
意外な組み合わせに驚いた。


ライティングは前作同様、作詞が全てkiila、作曲はkiila、yu-ya、rio、アレンジはvivid undressで外部に頼らないセルフプロデュースとなっている。
以前ヴォーカルkiilaに曲は誰が作っているのかと尋ねたことがあり「メンバーみんなで作っている」という答えが返ってきたのだがバンドカラーを完成させるには大切な制作スタイルで、それが今作も期待を裏切らないヴィヴィアンらしい切なメロを全曲に渡って聴かせることに繋がっていると思う。

特にリードトラックのスクランブルは過ぎた想いを振り返る歌詞といい、胸にチクチク来るBメロ〜サビメロといい素晴らしい出来映えだ。





劣等者の逆襲ではトリッキーなギターリフに乗ったkiilaのハイトーンに胸のすく思いがするし、アルティメット・サバイバルではお得意のペンタトニックユニゾンが爽快に決まりまくっている。メンヘラの引用にもニヤリ。

そしてどの曲にもカミソリのようなyu-yaのギターが斬り込んできて気持ちいい。

ホッと一息つくもドラムインからトップギアで連れて行かれるkiila作シンガーソングライタ弱さから立ち上がろうとする気持ちを飾らずに歌っており “本物になってやる” という言葉からヴィヴィアンに賭ける想いが伝わってきた。



メジャーデビューしていないアーティストをまとめてインディーズと呼ぶ風潮があるが、インディーズとはインディペンデントのことで自主制作の意味だ。
しかし、マネージメント事務所に所属してマイナーレーベルから音源リリースして「俺たちインディーズですよ」と名乗っている “もどき” も大勢いる。

コネもお金もなく自分達の力だけで活動していくことは途方もない苦難の連続だ。それを一つ一つ乗り越えるのが本当の意味でのインディーズだし、そういう人達の活動は何よりも尊い。
 
そういう意味で何から何まで自分達の手でやっているvivid undressこそ、真のインディーズだ!

そんな彼らの頑張りの象徴となるアルバムリリースには大拍手をもってお祝いし応援したい。
頑張れ!ヴィヴィアン!