ちょうどいま
卒業式シーズン真っ只中だ
今から30年近く前の中学2年生のとき
私は在校生代表で卒業式の送辞を読むことになった
当時生徒会役員をやっていたので
先生から指名されたのだ
今年の卒業式でソウジをやってくれ、と
頼まれたのだが
そのときはそれがどんなものか全く知らず
先生から詳しく聞かされて
緊張とプレッシャーで全身の血が下がったのを覚えている
しかもなぜか
忍者が持ってるようなパタパタ開く
長い和紙みたいな用紙?に
原稿を手書きして読まねばならず
慣れないものが加わって
更に緊張度が増したのだった
こんなやつ↑画像お借りしました
過去何年分かの
先輩達が書いた原稿が残っていたのだが
どれも読んでもあまりピンと来ず
作文が好きだった私は
結局自分で書いてみることにした
図書館かどこかで
『偉人名言集』みたいなのを借りて
卒業生達へ送るのにぴったりの名言見つけて
そこから書こうと思ったのだ
で
当時の私が「これいいじゃん」と選んだのは
江戸時代の儒学者、佐藤一斎という人が残した
『毀誉褒貶は人生の雲霧なり。
この雲霧を一掃すれは即ち青天白日』だった
人からの評価は自分の目を曇らせる雲や霧のようなものだ。
これを取り払うことができれば、はっきりと自分の為すべきことがわかって晴れ晴れした気持ちで生きることができる
というような意味だ
どうか周りからの評価は気にせず
上を向いて歩いて行ってね、
という願いを込めて原稿を書いたのを
鮮明に覚えている
思いがけず
今の自分に鋭く突きつけられるような言葉だ
実は当時の私が
今の私に向かって言ってくれていたのでは、
と思うくらい刺さっている
一字一句忘れずにいたのも
そのためかもしれない
人の目を必要以上に気にしたり
良い評価をもらうための正解を探し求めたりする私だから
きっと過去の私が
軌道修正をかけてくれているんじゃないか
中学2年生の私から見て、今の私はどうかな
誠実でいられてるだろうか
背筋が伸びる思いがした
おわり