生徒会の役員に立候補した
真面目な優等生だったので
学級委員なんかの係もやることが多くて
その延長で
やってみようかな、と思ったからだ
好きな先生が顧問をやっていたのも
大きかった
で、対抗馬の女の子より得票できて
結果は無事に当選
副会長になれた
その大きな要因が
全校女子の大部分の票がわたしに入ったからだと
開票係をした子から聞いた
それというのも
同じ副会長に立候補して対抗馬だった女の子が
顔もかわいくて快活で男の子にもすごく人気がある
校内でも有名な存在の子だったからだ
当然
先輩女子達からその子への風当たりは強く
普段から目の敵にされていて
地味でメガネの優等生だったわたしは
先輩女子達の票を一気に獲得できた
あとで聞いたら
多くの3年生の女子達が部活などを通じて
下級生に
わたしに投票するようにと
言っていてくれたらしい
当選できたことはとても嬉しかったけれど
「女を出したら総スカンを食らう」
「なるべく女を出さないようにしよう」と
固く心に決めた瞬間だった
今なら
それって思いっきり先輩女子たちのひがみじゃん
とか
ブスって引きずり下ろそうとするよねー
とか
笑えるが
当時は身も凍る思いがした
その名残は最近まで尾を引いていて
服を選んだり美容院に行ったりしたとき
本当は長い髪にフワフワのパーマをかけて
タイトな服なんかを着たいと思っていたけど
ママ友や職場の人からいかに
「なに色気づいてんの」と思われないかが
基準だったから我慢していた
でも
あのときの出来事はもう
私の脳内でしか生きていなくて
現実には誰もそんなことは言ってなかったし
そもそもみんな忙しいから
良い意味で他人にそこまで注意を払っていない
ということも分かった
決死の覚悟で目をつぶって飛び降りたら
階段1段分くらいだった、という感じだ
たまたまそのときの出来事で
わたしがそう感じて握りしめた価値観
本当はこうしたいけど、と思ったときは
きっともう今まで守ってきた価値観はいらなくて
不具合を起こしている
だから自分のやりたいようにやろう
