青山桂子さんのステージの魅力 | 加藤修滋のブログ

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エルムのトップ・シンガーの中でも、「魅せる」達人といえば青山桂子さん。
ここ1~2年、声が昔のようには出ないと本人が気にしているのに、
逆に人の心をとらえる歌声が進化しています。


確かに機械的に測定したら「音量」は低下しているかもしれませんが、
それを腹筋でマイクに入れる「音圧」や、声の引き出しの種類によって、
日本語のわからない人にでも気持ちを伝えることが出来るようになっています。

赤ん坊は「快」「不快」の反応しかありませんが、大人になると
「恋しさ」「苦しさ」「虚しさ」「切なさ」……感情が細分化します。


歌手も「フォルテ」「ピアノ」だけでなく声のニュアンス、トーンの
細やかな表現が出来てこそ一人前。
フランス国営テレビ制作のシャルル・アズナヴール特集番組で、
アズナヴールの代わりに彼の代表曲「ラ・ボエム」を
青山桂子さんが(しかも日本語で!)歌ってON AIRされた理由は、
そこにあるのかもしれません。


もちろん骨折後遺症で足首の動きが多少制限されたりして、
踊りまわることも少なくなっていますが、そうしたステージ上の動作も一層
「エレガント」さを増し、無駄な動きのないスマートな、それでいて時として
ダイナミックさを感じさせるものに進化!
アコーディオン奏者ミッシェル・グラスコも絶賛していました。

歌手は一生、そうして変わっていくものだと再認識。