人の命について、考え込む毎日です。
学生時代から、人間の価値は、
「どれ程多くの人の心の中に、どれだけ深く棲みつくことが出来るか…」だと思って来ました。
自分も、そういう価値観で生きようとして、選んだのがケース・ワーカーでした。
社会福祉学科から障害児施設、母子福祉、重症心身障害児福祉を経て、
辿り着いたのは「音楽」でした。
ケース・ワーク程深く、人の命と関わることはなくても、
たった3分間の歌で何百人、何千人の人と心を結べるから……。
24年間エルムのお客様が、歌を聴きながら流された涙を、数え切れない程見て来ました。
美輪明宏、菅原洋一等の素晴らしい歌手は言うに及ばず、デビュー間もない歌手の時も……。
私のような稚拙な弾き語りでも、「頑張って生きる元気をもらいました」と
両手を差し出して下さった方もありました。
歌は多くの人の心を一つにしますが、たった一人の人の命を救う場合もあります。
でも、人の命には限りがあって、未来永劫ではないことも知っています。
歌で救える命もあるけれど、どんな医療でも救えない命もあることを、
眼前に突き付けられると、これから何を、どのように目指し、
心の寄り所として生きて行くべきか、分からなくなってしまいます。