映画の幕開けのひとコマの画のような、さりげない
どこにでもある風景を包み込む、冬の柔らかい日
差しと共に、スピーカーから流れるAdeleの「Turning
Tables」が、溶け出している。
ウィンドウの外の雑音を遮断する意図はなかったが、
無意識にそのメロディーに心を乗せようと、あたかも
自我に目覚めた子供のように、徐々にボリュームが
自己主張をし出して、景色たちの会話を遮り始めた。
もう、何も聞こえない。流れる街並みとharmonize
されたピアノのsound以外は。
乾いた都会の空気に潤いを与えるが如く、しっとりと
湿ったmelody lineが、絶妙にバランスしていて心地
よい。
誰にも邪魔されない、贅沢な孤独を楽しんでいる。