倉山塾での発言全文公開 | チャンネルくららブログ
 
 獄長〔上念司〕より要望なので、もろもろ指摘します。

(集団的自衛権 行方を問う)解釈改憲には訴訟リスク 憲法学者・木村草太氏
http://www.asahi.com/articles/DA3S11177550.html?fb_action_ids=793370694104084&%3bfb_action_types=og.shares&%3bfb_source=other_multiline&%3baction_object_map=%5b717179238325431%5d&%3baction_type_map=%5b%22og.shares%22%5d&%3baction_ref_map=%5b%5d


・集団的自衛権の行使を容認するのか、

反論 とっくに行使しています。基地提供は集団的自衛権の行使ではないとでも?

・その手段として解釈改憲が適当か。
...続きを読む

反論 佐藤内閣で解釈改憲をして行使できないようにしましたよね。
   なぜ佐藤内閣で許されて安倍内閣には許されないのか。

・国家は、憲法で禁止された行動ができないだけでなく、憲法に根拠規定がない行動もできない。

反論 憲法学の通説では自衛権は自然権として認められていたのではないのか?
   憲法典に根拠規定がなくとも、憲法上の権利(東大憲法学の用語では国家の自然権)では?

・憲法学者の間に「自衛隊違憲論」は根強いが、
 従来の政府解釈は、国民の生命や幸福の権利を尊重する憲法13条を根拠に、
 個別的自衛権は許容してきた。

反論 13条を根拠とする解釈は、第二次安倍内閣が言い出したことでは?
   (私、だれが言い出したかも知っていますが、伏せます。自民党ではありません)
   それ以前は自然権を根拠としているはず。

・しかし集団的自衛権を基礎づける文言は、憲法上にない。

反論 それを言うなら、個別的自衛権も憲法典の文言にないのでは?

・つまり、集団的自衛権の行使の結果、政府が訴えられれば、巨額の賠償責任を負う可能性があるということだ。
 たとえば命令を拒否して懲戒処分になった自衛官や、本土への報復攻撃で被害を受けた人々から、国家賠償訴訟を提起される可能性がある。

反論 最高裁にそんな判決を下す度胸がありますか?

・不安定な法的基盤のもとでは、首相は不安を抱えて集団的自衛権を行使することになる。

反論 これだけは同意。
   だって、日本国憲法そのものが不安定なので。

・情勢が緊迫しているから憲法を無視してもいいと開き直るのは、自ら違憲と認める自白に等しい。

反論 原則論としてはその通りだが、では日本国憲法は憲法危機(国家の存立を脅かすような危機)に対処できるのか。
   国家を守れない憲法に意味があるのか。それこそ日本国憲法が欠陥憲法だと自白しているではないか。

・司法の現場では、政府がどれだけ必要だと言っても、違憲は違憲。

反論 その文脈の司法とは、内閣法制局に読み替えれば実態に合ってしまう。
    最高裁を持ち出す時点で実態論ではない。

・多くの法学者が解釈改憲を違憲だと言っているのは、政治的な反対ではなく技術者としての忠告だ。

反論 宗教的信念と正直に言えば可愛いものを。
   異端審問官も技術者ではあるが。

・国内の憲法を無視すると、国際法もないがしろにすると見られ、外交上もリスクが高い。
 三権分立をやっていない国はあるが、国際社会で信用されていない。
 その仲間入りをしてもいいのだろうか。

反論 その通りだが、こういう文章を書いている憲法学者が中国やロシアを批判しているのをみたことがない。
   これは何を発言したかではなく、何を発言していないかによって評価されるべき発言。

・支持を得る自信がないから解釈改憲に行くのだろうが、本気で集団的自衛権が必要だと考えるなら、真正面から憲法改正を提案するしかない。

反論 単にハードルを上げているだけ。
   別に、今もこの瞬間に日本国は集団的自衛権を行使している。
 
・私自身は、行使容認自体にも、現段階では反対だ。
 アメリカに守ってもらうためのご機嫌取りが目的ならば、日米安保の枠組みでなぜ不十分なのかが疑問だ。

反論 自衛隊が「戦力外通告」状態だから。
   自衛隊が強いと思っている時点で、「国粋主義者」のレッテルを貼ってあげたい

 
とまあ以上ですが、、読んだ感想如何でしょう。
 私としては自分で書いてて二つ。

一、安倍内閣が護憲派に攻撃どころを与えすぎ。
  結局、日本国憲法という憲法典や東大憲法学(≒佐藤内閣以後の内閣法制局公式見解)を前提とするから、
  奴らにいいようにやられる。
  そもそも、特定秘密保護法も集団的自衛権の解釈変更も安保法も、
  敵にとっては成立してもたいしてもたいして痛くないのに、レッテル貼りをやらせてくれるのだから、
  彼らからしたら「これが体制打破派の攻勢限界点か」と思えば、余裕で耐えられる戦いにしかならない。

二、木村草太殿の発言、よーく読めば「日本国憲法は欠陥憲法」と自白している。
  よりによって朝日新聞で。
  宮沢俊義の筆法で言えば、「飯のタネ」なのです。
  伊藤真氏みたいな本気で日本国憲法を信仰している訳ではないのです。
  それこそ、「飯のタネ」としての日本国憲法を道具として熟知している連中に対し、
  自民党は無防備だなあ。


 倉山塾の皆さんは、「飯のタネ」の憲法学ではなく、
 日本を守る本物の憲法学を学び、来るべき日に備えてください。