❏深夜にニュースが飛び込んできました。
NHKニュース 2015.1.25
“拘束の1人殺害”とする画像 ネットに投稿日本時間
24日午後11時すぎ、インターネットの動画サイトにイスラム過激派組織「イスラム国」とみられる組織に拘束された後藤健二さんが、オレンジ色の服を着て写真を持っている画像が投稿されました。
YouTubeより
NHKニュース 2015.1.25
首相 人命第一に全力で対応するよう指示
政府は25日午前1時すぎから関係閣僚会議を開きました。この中で安倍総理大臣は、閣僚に対し、正確な情報の収集に努め、人命第一に全力に対応するよう指示しました。(一部引用)
❏動画に映る写真は真実?
真相はまだ分かりませんがイスラム国(ISIS)は2014年11月までにアメリカ人、イギリス人計5人の首を切り落とす映像、画像をYouTubeに配信しています。
❏このような残虐行為を繰り返す理由とは?
元外務省で、在イラク日本大使館参事官などを務めた国枝昌樹さんは著書で以下のように書いています。
イスラム国の正体 (朝日新書)/朝日新聞出版
(引用します)
p70
大ざっぱな言い方ですが、不信心な人や支配に応じない人を場合によって殺すことは、イスラム教では「ジハード」(聖戦)のひとつとされ、7世紀に成立した聖典コーランで認められている行為とされています。
しかし問題はその殺し方。イスラム国のような残虐でサディスティックな殺し方は本来、コーランやムハンマドの言行録(ハディース)でも禁止されているはずです。
p74
「現代のハワーリジュ派か」
イスラム教史上には「ハワーリジュ派」という宗派が存在します。日本では余り知られていませんが、7世紀の正統カリフ時代に出てきた異端グループです。これがいまのイスラム国に相当するのではないでしょうか。
ハワーリジュとは「離脱した者たち」という意味です。イスラム教の最初の分派といわれ、第4代正統カリフのアリーを暗殺したとされます。「背教者は殺すべきだ」などと過激な道徳を主張し、自派に属さないムスリムを不信仰者と糾弾したために忌避された異端グループです。
じつは既存の指導者や宗派に対して極端な反対行動をとるイスラム過激派は「ハワーリジュ派の現代版だ」とイスラム社会の中で批判される場合があるのです。
過激派アルカーイダのビン・ラディンやザルカウィでさえ、同じスンニー派の人たちを大虐殺するという「異端行動」はなかったと思います。イスラム国の残虐さは7世紀の異端ハワーリジュ派の処刑法や処罰法を模倣しているのかも知れません。(引用ここまで)
❏イスラム教の誕生とムハンマドのアラビア半島統一をすばやく学びたい方はコチラ
【11月10日配信】すばやく学ぼう!世界の百年 第13回「7世紀の世界 イスラム教の登場」 【チャンネルくらら】
❏人種・民族の争いが世界に絶えないことはコチラのシリーズでどうぞ!
【1月24日配信】みんなで学ぼう!バルカン半島 season2 第7回「露土戦争とベルリン会議」倉山満 古谷経衡【チャンネルくらら】
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