発達障害のお子さんを抱える親御さんへ(すでに成人を迎えた当事者へ) | ASDの中年男性の人生の生き方。ときどき投資。

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シェアハウスで社会不適合者たちと暮らしています。発達障害(ASD)だから社会に適応できません。どうやら唯一トレードが好きだから、ひたすらトレードしてるかなぁ。

最近は大自然の中で農作業が主です。生きることは難しい。

このブログには発達障害のお子さんがいる親御さんが一定数訪問していただいているので、その方たちへ向けて本記事を書こうと思います。

 

まず思うこととしては「発達障害の自分でも社会の中で幸せに暮らしています」ということを堂々と書いて希望が湧くようなことをしたいが、残念ながら現実はそうではないです。

 

ここで嘘を書いても、子供のためにも親御さんのためにならないし。だから本音で書いています。

 

ただ3つだけ明確に言えることがあります。

 

【1】

支援・サービスを把握して、必要に応じて活用すること。

 

昭和生まれの自分は未成年の頃、発達障害という社会的な認知がなく“一般的”な教育により定型発達者と同じ振る舞い、行動を強いられました。教育者は殴る暴言のスパルタ教育が当たり前でしたし、「できないのはお前の責任だ。人としてダメな奴だ」の教育観。…死にます。

 

 

それが現代は支援体制が万全ではないにしろ、支援制度が敷かれている。羨ましい。これをフル活用してほしいです。書店に行けば支援の本がありますが、私が良いなと思った本を一つ紹介。

 

 

発達障害の人が受けられるサービス・支援のすべて(ナツメ社)

 

 

2023年7月1日に出版されました。発達障害の概要、幼児期〜就学期〜就労期〜親なき後への準備…

それぞれのライフステージに応じた活用できる支援や制度が掲載されています。これが手元に一冊あると重宝しそうです。

 

自立とは言え、サービス・支援を受けつつも生きる道を選択したほうがQOLが高いです。

私自身も薬物には頼りますし、無職という環境調整をしてます。

 

 

 

 

【2】

「努力すれば発達障害を克服できる」なんて嘘(苦手は緩和したようには見えるが)。克服できたように傍目から見えても、その子は精一杯社会で生きるために“擬態”している。無理させていると後々二次障害を抱えて、取り返しのつかないことになります。

 

もちろん程度にもよりますが、当たり前のことが当たり前にできない。これは性格ではなく脳の機能障害によるもの。当事者の私から見ても「なんでこんなこともできないの?」という重度の人もいます。しかしそれも脳の機能が欠落してるからです。

 

 

たとえばLD(学習障害)で字が書けない子がいる。なんとか教育者は反復練習により、字を書けることを目標にしますがハッキリいえば無駄です。

 

その子にとっては、漢字一つひとつがそれぞれ違うキャラクターの絵を描くようなもので、『勝』という漢字はピカチュウ、『働』という漢字はドラえもん、『残』という漢字はルフィを描くようなもので、これらを大人で正確に描ける人いますか?というのと等しいくらいの困難さが伴います。文字が何千、何万あって正確に覚えて書くことは、漫画のキャラクターを正確に何千、何万描くのと同じです。誰がそれを克服できますか?できません。できたならば超人ですが、そんなことを克服するに見返りのある恩恵受けられますか?

受けたとしても超タイパ悪すぎです。

 

 

『発達障害は食事で治る』も嘘です。

症状を緩和させるためタンパク質中心の食事にして、リーキーガット症候群を防ぐのを目的とするなら理屈は分かります。

 

あとは機能不全家族で育ったりすると、複雑性PTSDとなり発達障害様症状を呈すると言われています。

 

先天的の発達障害であれ後天性の複雑性PTSDであれ、脳にダメージを負っているのは変わりありません。

 

「脳には可塑性がある」とは言われますが、その可塑性の可能性にかけて、脳トレ(コグトレ)していったら40歳の中年になってしまって就職の機を逃しても手遅れです。

 

 

ただし、もしかしたら今後人類が脳の可能性を飛躍させるかもですし、脳の欠点を克服する技術が生まれるかもしれません(イーロン・マスクのニューラリンクには興味があります)。シンギュラリティが到来してAI主体の時代になったら、そもそも人間の生活様式が変化して発達障害とか関係なくなるかもしれない。

 

これは時代とのマッチングの運もありますわな。

 

ま、現時点では「発達障害は克服できない」という現実を受け入れ、対応する生き方をするのが現実的でしょうか。

 

 

 

【3】

精神科医は必ずしも発達障害に理解があるとは限らない。理解していない精神科医はガチで理解していない。必ず発達障害の専門医に診てもらうことです。発達障害の本を出版している医者が信用おける指標にはなります。

 

実は私は一度誤診(?)というか、いい加減な問診1時間だけで『強迫性パーソナリティ障害』と片付けられてしまい、それを信じてしまって数年間ムダに苦しんだ経験あります。WAIS(成人用の知能検査)も実施しなかった。当時は自分も発達障害を疑いながらも、医師とどういうやり取りをして確定診断に至るのかという前提知識がまったくなかった頃の話です。ヒドイもんです。生まれながらにして苦しんできたわけですが、それを1時間ほどの確定診断で終わらせて「はい、あなたは人格障害ね。あとの人生は知らん」みたいなものです。診てもらう医者は慎重に選んだほうがいい。

 

あと私自身が元看護師だからこそ分かりますが、本当に医者の腕ってピンキリなんですよ…分かってない奴はガチ分かってない…「俺が病気なってもアイツには診てもらいたくないな」という医者も見てきましたしね(苦笑)

 

あぁ…あとは、SNSやYouTubeをしている精神科医がいるのですが、少なくとも樺沢〇苑は信頼できません。「発達障害は克服できる」とか発言しています。ただその内容は「環境調整に成功した例」を挙げている印象が多く、再現性は決して高くないように思います(彼自身「発達障害の何千、何万人の患者さん見てきた…」とか言ってますが、統計的な傾向としては言えるでしょう。ただ『克服』という表現は危険だと思います。)

 

あとは彼自身が「他人からナメられたことがない」という経歴の持ち主で、そういう人って無意識にもナメられがちな属性の発達障害者の心理が見えていない気がします。定型発達者が彼の発言している解説を動画で見ると「発達障害者ってそうなんだな」と説得力があるように見えるのが怖い印象を受けますね。

 

しかし他の発達障害当事者からの一部の意見として樺沢〇苑に対して否定的な声もありました。「あの人の言うこと違うくね?と感じるの俺だけじゃないんだな…」と思いましたしね。

 

 

以上の3点でしょうか。

 

 

最後にこれだけ言えるとしたら、結局は個人個人で特性や症状は違う。最終的には個人に合わせてライフハックをカスタマイズして微調整して試行錯誤しながら生きるしかないです。他人は他人、自分は自分なのですから。

 

自分ができることをすれば、自分にはできないことは人生が何とかしてくれる…みたいな精神で歩みたいものです。

 

 

P.S.

もうすぐ寝たきりから脱せそう。