前腕の回旋可動域の改善による肩関節の代償運動の解消が、肩関節周囲炎の治療に寄与する
序文
肩の痛みや可動域制限は、日常生活における多くの活動に影響を与える一般的な問題である。
木もれび鍼灸院では、肩の可動域制限や痛み症状に対して、前腕の回外、回内の回旋の可動域制限を解消することで治療を行っている。
このアプローチの根拠となるエビデンスは、前腕の回旋の制限が肩の動きにどのように影響を与えるかを調査した下記の研究に支持されている。
エビデンスの構築
下記の研究では、前腕の回旋が制限された状態での肩、肘、前腕の三次元的な動きの関連性が分析された。
結果として、前腕の回旋が制限されると、肩のad/abduction、前後の屈曲、内外の回旋の全範囲が有意に増加することが示された。
これは、前腕の回旋の制限が隣接する関節、特に肩における補償的な動きを必要とすることを示している。
木もれび鍼灸院のアプローチ
木もれび鍼灸院では、この研究の結果を基に、前腕の回旋の可動域制限を解消することで、肩の可動域制限や痛み症状を治療するアプローチを取っている。
具体的には、前腕の回外、回内の回旋の可動域を改善することで、肩の補償的な動きを減少させ、結果として肩の可動域制限や痛みを軽減する。
まとめ
前腕の回旋の可動域制限は、肩の補償的な動きを必要とし、これが結果として肩の可動域制限や痛み症状を引き起こす可能性がある。
したがって、木もれび鍼灸院のアプローチ、すなわち前腕の回旋の可動域制限を解消することで、肩の可動域制限や痛み症状を治療することは、科学的な根拠に基づいていると言える。
鍼灸施術の実際
本研究では、前腕の回旋を制限した場合の胸上腕運動学的変化について検討した。2つのスプリントを用いて、6名の健常被験者の前腕の固定-上腕および固定-中立をシミュレートし、前腕、肘、肩の運動の3次元的関係を解析した。その結果、ドライバーを使用した場合、前腕の正常な回旋範囲(77.6°、SD=30.8°)は、上腕固定では11.3°(SD=2.9°)、中立固定では18.2°(SD=6.2°)と有意に減少した。この制限を肩で補ったのは、内外転(それぞれ57.3°と62.8°、p<0.001)、前屈・後屈(それぞれ24.3°と18.2°、p<0.05)、内旋・外旋(それぞれ37.1°と44.2°、p<0.001)の全範囲の有意な増大であった。同様の結果がドアノブ活動でも観察された。肘は前腕の回旋に有意に寄与しなかったが(p=0.14)、これはおそらく肘の軸が前腕の軸に対して直交し斜めになっているためであろう。運動連鎖の開いた活動では、前腕の棘を固定した場合、電話作業と摂食作業において、内転/外転(p<0.05)と内旋/外旋(p<0.05)が有意に増加し、電話作業では肩の前屈(p<0.05)も有意に増加した。前腕が固定された状態では、有意な代償運動は、摂食課題では内転・外転と肩の内外旋の増加(p < .05)、カード挿入課題では内転・外転と肩の前屈・後屈の増加のみが観察された。この研究では、前腕の機能制限により、プロネーションとスーピネーションを必要とする活動を行うためには、隣接する関節からの代償運動が必要であると結論づけている。
プロネーションとスーピネーションを必要とする作業を行う際に、胸上腕運動学によって補われる前腕の制限された動き
より引用
木もれび鍼灸院公式LINEでは定期的に東洋医学から身体の秘密を解き明かすコラムを発信しています!ぜひ登録してみてください!
YOUTUBEではセルフケアについて配信中!
インスタグラムでは木もれび鍼灸院の最新情報を配信!
TikTokではシンプルな発信を心がけています!
X(旧Twitter)は木もれび鍼灸院のSNSのハブとして運用しています。
■石橋阪大前駅徒歩3分の鍼灸専門院■