(第21番~第30番) より

 

【第31番】 竹林寺(ちくりんじ)  本尊 文殊菩薩

高知市内の小高い丘の上にあります。

境内には五智如来(阿弥陀・不空成就・大日・宝生・阿閦)の石仏がありました。

 

【第32番】 禅師峰寺(ぜんじぶじ)  本尊 十一面観世音菩薩

駐車場からゴツゴツした岩場に設けられた石段を200段ほど登ります。

境内からは、土佐湾が一望できました。

 

【第33番】 雪蹊寺(せっけいじ)  本尊 薬師如来

88札所は、空海が定めたものですから、基本的に真言宗の寺院なのですが、ここだけは臨済宗の寺院です。

空海が開いた当時は「高福寺」という寺号で、その後「慶雲寺」と改号され、戦国時代に月法和尚によって臨済宗に改宗され、長曾我部元親の菩提寺となり、元親の法号(雪渓)にちなんで「雪渓寺」に改号されたそうです。

境内の右隣に、秦神社(上掲写真)と長曾我部盛親の慰霊碑がありました。秦河勝の流れをくむ信濃秦氏が、四国に来て長曾我部を名乗り、土佐を統一したようです。故に、長曾我部氏の本姓は秦氏ということになります。長曾我部氏は南北朝時代、足利氏方についたとか。

   《参照》   『時は今 封印が拓かれるとき』 小川雅弘・舩井勝仁・村中愛 (きれい・ねっと)

             【土佐との縁】

 

【第34番】 種間寺(たねまじ)  本尊 薬師如来

大師が唐から持ち帰った五穀の種を蒔いたので、この寺号になったそうです。

宿坊は昔ながらの木造でしたが、本堂はコンクリート造のがっちりとしたものでした。

 

高知県の東側と中心部を巡ったお遍路4日目は、ここまでです。

じゃらんで高知市内のビジネスホテルに、予約を入れ、宿泊しました。

 

お遍路5日目は、高知県の西側を巡ります。

 

【第35番】 清瀧寺(きよたきじ)  本尊 厄除薬師如来

中央に立っているのが厄除薬師如来で、後方右が本堂、左が大師堂です。

大師が五穀豊作を祈願して、閼伽井権現と龍王権現を勧請し、寺号を醫王山鏡池院清瀧時としたそうです。

 

【第36番】 青龍寺(しょうりゅうじ)  本尊 波切不動明王

ツヅラ岬(?)の東端にあります。

弘法大師が四国巡錫の際、唐の国より帰国の際に投げた独鈷杵を奥の院の松枝に見つけ、堂を建立したそうです。そして、自ら刻んだ波切不動明王の石像を安置し、ゼロ番札所・青龍寺の恵果和尚の高徳に因み、同じ寺号を付けたそうです。

『幸福論』 須藤元気 (ネコ・パブリッシング)

【36番札所・青龍寺(しょうりゅうじ)】

 

【第37番】 岩本寺(いわもとじ)  本尊 不動明王・聖観世音菩薩:阿弥陀如来・薬師如来・地蔵菩薩

ガイドブックには、「天の七星を象取した根本寺として、七つの福寺を建立したのが始まり」とあります。 81+天の七星=88 なのでしょうが、錬金術密教のエッセンスは忘却されたままのようです。

 

【第38番】 金剛福寺(こんごうふくじ)  本尊 三面千手観世音菩薩

足摺岬灯台のすぐそばにある寺院です。

その場所から、かなり野性的な寺院かと思ったら、最も近代的に整備され観光地化された寺院でした。

 

【第39番】 延光寺(えんこうじ)  本尊 薬師如来

土佐の国の最後の札所は、こじんまりと良く整備された寺院でした。

 

 

ここから、伊予の国(愛媛県)、「菩提の道場」 です。

 

【第40番】 観自在寺(かんじざいじ)  本尊 薬師如来

本堂の周りの石の回廊には、88札所の寺院名がすべて彫られていました。

御朱印を書いてくれたお坊さんが、「ゼロ番の御朱印のあるのを、ちょくちょく見るけど・・」と言いながら話しかけてくれました。中国製の御朱印帳は、外側を見ただけで、ゼロ番から始まっているのが分かるようです。そして、お遍路前半最後の札所で、思いがけず、特別なパンフレットをいただいてしまいました。ありがたいことです。

 

四国88か所を巡る「お遍路」の前半は、ここ40番で終了です。

 

 

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お遍路に関して、参考までに書いておきます》

 

●御朱印を書いてもらえる時間帯

 御朱印(3百円)を書いてもらえる時間は、どのお寺でも年間を通じて「午前7時から午後5時まで」です。

参拝した記念に残したい「御朱印」は、「納経所」で書いてもらうことができます。

本来は、納経した証として御朱印をいただくのですが、現代では参拝することで納経したと見做してくれるようです。ゆえに、お遍路に関するガイドブックでは、「御朱印を書いてもらう」ことを「納経する」と表現しているものもあります。お遍路では、「納経所」=「御朱印所」と理解しておきましょう。

 

●必要不可欠な費用

「駐車場料金(300円)」が必要な所が5カ所ありました。

21番:太龍寺の参拝には「ロープウェイ往復料金(2,600円/人)」が必要です。

 

●持参すべきもの

参拝時に灯すお線香とロウソクは、本堂前に置かれているものを50円とか100円で購入できますが、これらが全く置かれていないお寺も少なからずありました。故に、「お線香」と「ロウソク」と「ライター」は、持参して行ったほうがいいでしょう。

 

●車でお遍路するのに必要な期間

1番から40番まで巡った前半の車お遍路では、5日間(実質4日と半日)で40カ所を巡ることができました。

比較的狭い範囲に点在している徳島県内(23カ所)は2日半、広範囲に渡って点在している高知県内(16カ所)も朝寝坊しなければ2日間で周ることができます。ここまでの平均は1日8カ所ですから、まだ行っていない愛媛県内と香川県内の48カ所は、実質6日間で参拝できるでしょう。よって、車で88カ所全部のお遍路を巡るのに必要な期間は、約11日間と推測されます。

 

●車でお遍路するなら軽自動車が最適

お遍路に使う車は、普通車より軽自動車が最適です。なぜなら、6~8人乗りのミニバンでは対向車とすれ違うことができないようなトテモ狭い山道を上り下りする経路が少なからずあったからです。 旅行会社が主催するお遍路ツアーは大型観光バスやマイクロバスを使うでしょうから、今回行った40か所のうち少なくとも3箇所は参拝できないはずです。

 

以上